今日は予定通りに朝から彼女が来てくれた。
私の地元から5つほどいいた駅の近くに住んでいる子。
彼女が来てくれることになっていたので、昨日は玄関のカギをかけずに寝ていた。
彼女なりに病気の私を気遣ってくれたのだろう。彼女は静かに私の部屋に入ってきてくれた。
もっともどんなに頑張ったところで、私の部屋の扉はやかましい音を立ててしまうのだが。
ちょうどいいので、扉を閉める音で目が覚めたことにする。
彼女は目を開けた私に、申し訳なさそうな顔を向けた。
優しい子。そしてものすごい甘えん坊。つくづくそう思う。
もっとも甘えん坊な顔は、私以外の前では見せていないのだが。
人ひとりぶんだけ体を横にずらし、布団を開いて彼女を招く。
うれしそうな、幸せそうな笑顔を浮かべ、彼女はいそいそと私のとなりにもぐりこんできた。
どうして彼女は、こんな私のことを好きでいてくれるのだろう。
そんな疑問がこころに浮かぶ。そして、いつもどおり飲み込む。
抱きしめると、彼女はいつもどおり甘い香りがした。
風邪をうつすことを考えて控えていたキスは、彼女に押し切られる形で何度も交わすことになった。
キスをし、ふれあい、求め合う。
エスカレートする行為は止まらない。
私はそれに応えなくてはならない。彼女が来る前に風邪薬を飲んでいたことは秘密だ。
それに肌で直接彼女を感じることは好きだ。
ぬくもりが心地いい。
夕方、彼女はバイトのために家を出る。
玄関まで見送り、何度もキスをする。
薬の効果が切れたのか、焼けるように喉が痛む。
それでも私は笑顔のままだ。
心配させるのはいい。でも心配させすぎてはいけない。
玄関の扉が閉まった後、薬を水で流し込む。
水が沁みて痛い。
そのまま台所のイスに腰掛けたまま、しばらく彼女とメールをする。
布団に戻ったら、きっとすぐに寝てしまうだろう。それは困る。
彼女からバイト先に着いたというメールが届く。
頑張ってと返し、布団にもぐりこむ。
私は彼女のことが好きだ。だからこそ、怖い。
いつか彼女は私のことをいらなくなるだろう。
いtか私の前からいなくなってしまうのだろう。
その日が来たときも、私は仮面をつけられるのだろうか。