今日は彼女と一緒に出かけてきた。

彼女のクラスメートと、その恋人もいっしょだ。

まともに話すのは初めてなのだが、けっこう打ち解けられたと思う。

多少なりとも共通の話題もあり、楽しい時間をすごせた。


こうして彼女のまわりの人と知り合えるのはうれしい。

もちろん人と知り合えるのが好きだというのもある。

だがそれだけではない。

私という存在が、隠さなくてはいけないものではないということだからだ。

私が、彼女にとって大切な存在であると感じられるからだ。


こんな私の思いに、彼女は気がついているだろうか。

昨日は妹と一緒に一日を過ごした。

抱きしめ、頭をなで。

そしてキスをした。

私のキスにはおかしな意味などない。

ただ大事であるということを伝えたかった。

妹はそれをわかってくれたようだ。

何度かキスをしたが、妹は拒まなかった。

本来は甘えんぼなのだろう。

だが姉の存在が、甘えるということを妹に許さなかったようだ。


昨日のことは、妹にとってもとまどいがあるらしい。

しかし、決して嫌ではなかったと言ってくれた。

優しい子だ。

すこしでもこの子の力になりたい。

幸せになってほしい。

今日は遠くの妹が遊びに来た。

東京都を横切らなくては逢えないほど遠くに住んでいる。

まさかこうして私の部屋に来ることがあるとは思っていなかった。


私の部屋でたくさんの話しをした。

最初はとりとめのないことを。

そして、いつしか誰にも話さないできたことを話してくれた。

すこしは甘えることを覚えてくれただろうか。

本当の自分を押し殺したりしないでほしい。

ありのままの自分を出しても、私は消えたりしないのだから。

妹が泣き止まない。

どうやら彼女に私がとられてしまったように思っているらしい。

そんなことはないのだが、それが妹にはわからないらしい。

仕方ないとも思う。

妹には、私しかいないのだ。

私以外の男が怖く。

私以外の人間を信じられず。

誰かに心を開くことを極端に怖がる。

私の存在がそうさせたのかもしれない。

私と居場所があるから、こうなってしまったのではないだろうか。

私はいてもいいのだろうか・・・。

泊まりにきた妹をからかってみた。

ホストになりたい。

ただ、そう言っただけだ。

だがそれだけで妹は不安になったらしい。

泣かれるとは思わなかった。

泣きながら妹は言う。


それじゃ夜ひとりになっちゃう。


この子はまだまだ子供なのだろう。

私という存在がなければ、満足に眠れないらしい。

私をここまで求めてくれるのはうれしい。

だが、不安にもなる。

私がいなくなったあとも、この子はちゃんと生き続けてくれるのだろうか。

私の命。

いつまで続いてくれるかわからない時間。

せめてこの子が私を必要なくなるまで続いてくれればいいのだが・・・。

私は仕事をしている。

ショップの店員だ。

意外だといわれることが多い。

私のもっている空気は、そういったまともな仕事のものではないからだろう。

実際に、夜の仕事に誘われることも多い。

路上でスカウトされることもある。

だが私はその道には進まない。

そうすることで、私はまた多くの女性にであるだろう。

そして力を使えば、かなりの成績をあげられるとも思う。

だがそれはあの人の意思にはそわないだろう。


だが私はこのままでいいのだろうか。

このままで、あのひとに近づけるのだろうか。

今日は妹を泣かせてしまった。

妹は、私のことが好きなのだ。

そして、妹でいるのが嫌なのだ。

わかっている。

わかってはいるのだが・・・私にとって、妹は妹なのだ。

いかに誘惑されようとも、抱くことはできない。

抱くことは簡単だ。

だが私はしたくない。

妹は、それだけ私にとって特別なのだ。

深夜、遅くまで話し合い。

わかってもらえたようだ。

私が妹のことを特別にしてること。

大事に思っていること。

ほんとうに伝わっていればいいのだが・・・。

私はよくキスをする。

彼女にも、友達にも。

私にとってキスは挨拶で、親愛の情を表す手段だからだ。

これは私が海外で生きてきたからというのもある。

だがもっとも大きい理由は、私がキスという行為が好きだからだろう。

ひととつながれることは、私にとって幸せなのだ。

それが仮初めのものだとしても。

こんな私のことを、彼女は受け入れてくれるのだろうか。

私が彼女のことを好きだということを信じてもらえるのだろうか。

私の聴く音楽にはまとまりがない。

私の家に来る友人たちは、私のCDラックを見ると不思議がるくらいだ。

ハードロックにヘビメタ。

ポップスにクラシック。

ばらばらだ。

それは私に特定の好きという感情がないからだろう。

なんとなく気に入るだけなのだ。

それともうひとつ。

まわりの人間が好きだというものに興味を持つからだ。

友人が好きな曲、彼女が好きな曲。

それぞれが好きだというものを聴き、気持ちを共有してみたいのだ。

そうすると、相手は喜ぶ。

そうやって、近くにありたい。

身勝手な私の思いだが・・・。

今日は思いがけないお客さんがきた。

先月の話になるのだが、唐突なお願いをしてきたお客さんがいる。

それが彼だ。

私のいるお店には表にガチャガチャがおいてある。

それをほんのすこしのあいだ貸してほしいと言うのだ。

聞いてみると、プロポーズをするのに使いたいのだという。

幸いなことに、そのときにいた責任者は私だけで。

私はそういうのが大好きだった。

いっしょにどの場所のを使うか、どうすればいいかを話し。

紙とペンを彼に渡して手伝った。

何度かテストをして、ちゃんと稼動することを確かめ。

そしてその場をあとにした。

せっかくのプロポーズの場に水を差すことはできないからだ。

彼は結果だけでも言いにきたいと言ったのだが、それも断ることにした。

なんであれ、彼女をひとりおいていくのもよくない気がしたからだ。

そうして、結果を知ることなく日がたってしまった。

その日のあとに何度か来店してくれたのだが、間の悪いことに私が休みの日ばかりだった。

そして今日。

彼が私に会いにきた。

そして、プロポーズがうまくいったこと。

もうすぐ結婚することを報告してくれた。

彼はすごく幸せそうで。

いっしょにきていた彼女は照れていた。


偶然協力できたことではあるが。

私も一緒に喜ぶことにしよう。

彼らの未来に幸多からんことを。