2014年の再投稿です。

最近頻繁にテレビで見かける喫茶店がある
コーヒー大好きの私にはどうも気になって仕方がない
日本面白珍百景にも選ばれたこのお店
コーヒーだけの店ザ・ミュンヒ
このネーミングだけでがまムツのようなネムリ針に掛かった魚のように
私は逃げられなくなってしまうのでありました

 

ここんところ3連荘ほどテレビで見かけたあのお店に着きました
そう交通量の多くもない市街地
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壁にはコーヒーだけの店ザ・ミュンヒと大きく書かれております
店の横には駐車場があり、その5区画ほどに
「コーヒーだけの店(ほんまものの味)ザ・ミュンヒ」
「コーヒーだけの店(ほんまものの味)ザ・ミュンヒ」
「コーヒーだけの店(ほんまものの味)ザ・ミュンヒ」
「コーヒーだけの店(ほんまものの味)ザ・ミュンヒ」
「コーヒーだけの店(ほんまものの味)ザ・ミュンヒ」・・・と表示があります

 

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お店の正面にはそれは図鑑で見たことしかないような古い自転車が飾られ、
テレビでみたドキドキ感を感ずるのです


 

お店に入るとテレビで見たあの光景が・・
落ち着いた雰囲気の喫茶店の店内には趣味人ということが一目でわかる数々のアイテムが飾ってあります
あっテレビで見たマスターが!
今日ははじめてですか?うちのコーヒーを飲めば驚くと思いますよ
物腰やわらかく、気さくなくなマスターの第一声でした
テレビで見られたのですか?最近テレビの取材が多くて・・朝日新聞にも載りましたよ・・
並べられたというか積み重ねられた本棚から次々にもってこられる雑誌や新聞たち
初心者だったらおすすめはスパルタン。1Kgの豆から4時間掛けて100ccを抽出してます。シングルで20ccこれいきましょか?このコーヒー飲んだらビックリしますよ。ほんとよい経験したと思うに違いありませんよ
「じゃそれお願いします」
マスターが去り、落ち着いて見果たす店内
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高価そうな食器どでかいサイホン真空管のオーディオ、そして中央には世界初のインジェクションのバイク「ミュンヒ」が飾られております。


 

どこから話せばいいのかと店内狭しと目が泳ぎます。
どうぞ、これ4時間かけて抽出しとるんですよ。このやり方は日本で私だけです。20cc作るのにコーヒー豆をふんだんに使わないとこれは出んのです。あっこの器は古伊万里焼で350年前のものですわ。食器にもこだわっとるんです。それ30万円ほどしますよ。コーヒー飲んだあとの水もおいしいです。30万円のろ過装置を通った水道水です。グラスはマイセン。うちはマイセンやバカラといったもので味わってもらいたいんです。それ3万円します。灰皿は1万5千円ほどします・・・(略)」
なかなかコーヒーが飲めませんw。
ましてや高価なものが身の周りにたくさんあるので緊張してしまいます
ウチのは濃いですよ。濃いからと言って舌を刺すような刺激はないです。それはこの抽出方法によって・・(略)」
少し口に含むとコーヒーの香ばしい風味と若干の酸味・渋みが広がり、そしてあとから甘みがふわっと広がるという不思議な感覚です。
 コーヒー豆の「味」の違ったところを濃く知ったような感じでしょうか。
 シロップのような黒い濃い液体は、普段飲むコーヒーとは違ったもので、水やお茶といった水分を口に含む感覚でなく、たくさんのコーヒー豆を凝縮したエキスを楽しむ感覚。
 正直普段のコーヒーとは近くても別もの。
 比べるのもどうかと、チーターとバショウカジキとどっちが速い?みたいなものです

 

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どうですか?こんなの飲んだことがないでしょう。そ、そう、甘みが広がる、ええこと言いはるわぁ。それを味わうには一番なんです。これに生クリーム乗せてもたいへんおいしいですよ。よかったらクリーム言って下さいね

 

 この間もマスターの話は続きます
「・・・あっこれ、これはミュンヒ1200TTS-Eといってドイツ製で世界初のインジェクションのバイクです。世界で5台生産されてそのうち1台を新車、新車ですよ。新車で私が買いました。当時トヨタ2000GTよりも高く、センチューの1.5倍ほどの値段でしたわ
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これこれっワイルドセブンて知ってまっか?この本のココんとこに載ってるのは私のバイクなんですわ・・・(略)」
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「へぇーっ、すごいですね」

 

あとOCR1000いうてバンケル社のロータリーエンジン積んだバイクも1台持ってます。若いときはバイクばっかり乗っとったんですわ。今はスーパーカブ90、スーパーカブ知ってはります?そのスーパーカブで夜中鳥取まで走るんですわ。だいたいここから250Kmで・・(略)」
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 マスター熱い熱いw。熱心に色々教えてくれるマスターはキラキラしています


 

 バイクや色々な話が続く中、滞在時間を見込んで別のものを注文しました
時間よろしいか?だいたい50分ほどかかりまっせ?
 覚悟の上です。
 日本おもしろ珍百景では常連の奥様が最初はぺちゃくちゃ話していたものの待ちくたびれてダウンしてましたもの

 

ここで入れるんですわ。お客さんの目の前でこうやってコーヒーを入れるというのを感じてもらいたいんですわ。20cc抽出するのに100から150gのマメを使います。ふつうなら10杯は取れる量でするんですわ。この方法は私が考えたもので・・・これがコーヒー豆です。こちらを100gとこちらを50g、これを混ぜて、ちょっと待って下さいね。今挽いて来まっさかい・・」
 日本一高価なコーヒーを飲ませるお店、そのこだわりはマスター自身が楽しんでいることがよくわかります。
 またそれを私が楽しめるというのはなんか面白いです。
 たった一杯に使う豆、手間、時間、とても贅沢です
 
 ミルの豆を砕く音が響くと店内は香ばしい香が広がります
 この時間を楽しむ、味わうといった日頃せっかちな生活を送る私にはとても魅力的であり新鮮な感じを受けました
 マスター、人を喜ばすというサービス精神がいいですね
 値段という敷居こそ高いけれど、それを跨いだ人だけに味わえる価値観です
 その価値観は存分に楽しまないといけません

 

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ほれ、これをネルいっぱいに入れて、こうやってちょっとずつお湯を注いで蒸らしますねん

 

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じっくりゆっくりと時間を掛けてドリップします
マスターこの一杯のコーヒーのためだけに集中して長時間掛けて造ってくれます
ほんとこれこそ贅沢いうもんです

 

ええもん見せましょか、この図鑑に載ってるマイセンは博物館にあったもので重要文化財クラスでそれを私が買い取ったんです。
ほれ縁に透かしが入っとるんですわ。こんなん見たことありますか?・・・(略)」
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 そのような高価なものを目の当たりにする感動と、平気で取り扱うマスター、そして身の回りに並んだ高価な陶器やグラスの数々に緊張しっぱなしです。

 

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 時折思い出したようにお湯を注ぐマスターの話は続きます
こんなんもう手に入りませんよ。これ見るだけで価値があります。そんな器とかでおいしいコーヒーを飲んで欲しいんですわ。じっくり時間かけて楽しんで欲しいんですわ。ほれちょっとしみてきとるでしょ。このたっぷり時間かけてドリップすることで味わったことのないような風味が出るんですわ・・(略)」

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ほれ出てきました
 記念すべき1滴目は、お湯を注いでから手元の時計で26分後のことでした

 

 ふんだんに使ったコーヒー豆と、もう付きっ切りで世話して作った少なくて濃い、そして高いコーヒー
 時間が期待を膨らませ、よりおいしいコーヒー(豆)を味わえます

 

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 先ほど飲んだものと比べて口当たりもよく、若干香ばしみが多く、苦みが少ない感じがします
 これは常温と冷たい、そして時間による酸化の影響も多少あるのでしょう
 20ccほど抽出後もどんどんあふれてきます
 ポタッポタッとちょっとずつ抽出されていきます
 30分以上前に注いだお湯が熟成された豆を、それぞれの種類に応じた焙煎による豆を通って染み出したエキスです。
 まるでなんだか氷河の天然水クリスタルカイザーみたいですね
 温めたものも頂戴しましたが、口当たりというのはどれも違いました
 これだけ待って、たくさんの情報を聞いて、価値ある器で味わうコーヒーだし、日常の100倍の五感が冴えわたっているのだと思います
昨日は寝たんは4時で起きたんは5時半でっせ。夜中の1時半頃お客さんが来たら飲んで帰ったら3時や。大丈夫、大丈夫、寝んでも大丈夫ですわ。好きなことやって何のストレスもないし、暇もいっぱいあるし疲れることがまったく無いんですわな・・・(略)」


 

いよいよ気になる例のアレ
スプーン1杯1,500円のコーヒー(カップ1杯 75,000円也)
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近日放送予定有吉&マツ子の怒り新党の取材も受けたばかりとマスターが樽をもってきてくれました
最高に濃いコーヒーエキスをオーク材の小さな樽で熟成させたものは17年物だそうです
せっかく面白い話もたくさん聞けたことだし記念にと、でも1杯は財布が許さんところですので少な目でお願いしました。

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梅丹本舗梅肉エキスを少しだけ薄めたような色と匂い、そうカブトムシが寄ってきそうなニオイ
なんだろうな?スイー味の後にほんわり不思議な甘さが口に広がりました
なんだろなんだろ?さっき飲んだコーヒーの雰囲気もあるようなないような・・
こんなコーヒー飲んだことなかったでしょ。たぶんこんなコーヒーどこもやりませんわ。やったら店が潰れますわ。先でこんな店あったなときっと伝説になりまっせ。おたくもその伝説の生き証人になったんや思いますよぉ・・・(略)」
うんうん、たしかに
マスターの話は止まることなく続く
お客さんがよく言いよるんですわ。ココ来て元気になったいうて。私も元気もらってるのにお客さんにそう言うてもうてうれしいんですわ
・一生懸命
・好きなことをする
・時間そのものをゆっくり楽しむ
・自分にしかわからぬ贅沢を味わう
・会話を楽しむ
・本物(材料・器等)を味わう
・じっくりプロセスを楽しむ
日頃の生活にそのまま即実行とはいきませんが、学ぶことは多いです
ザ・ミュンヒでのあっという間の2時間、長いような短いような不思議で非常に楽しい時間でありました。値段は高額です。これを安いか高いかはその人が感ずるものです。
コーヒー10杯分の材料費・高価な食器類等・費やす時間もあるためもちろん高額になります
そこまで贅沢する?というのが普通の人
えっ私はって?
もう十分行った価値はありました。
非常にマニアックであるはずなのに、普通のコーヒーももちろん大好きであり、コーヒーにしろバイクにしろ他を否定すること等まったくなく、自分のコーヒーを知って欲しい喜んで欲しいというマスター自身の「味」と素晴らしさを知った気がします

 

あっそうそう・・
帰り際にマスターが記念にと若かりし頃の写真も下さいましたw
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・・・ど・どうすればいい??(^ ^;

 

ザ・ミュンヒ、コーヒーと一緒、濃い濃い楽しい楽しい充実した時間でした
マスターありがと~っ!


 

【ザ・ミュンヒ】
食べログ ⇒ http://tabelog.com/osaka/A2707/A270705/27012960/