まそほ繁盛記
Gが、ふと作業の手を止めた。
「あんさんのお母はん、今日誕生日と違いますか?」「へえ、そうですわ。妹と日帰りカニ食べツアーに行ってますわ。」
「あんさん、なんかしてあげたんでっか?」
「いや、気付かんふりしとこう、思いましてな。」
「親と付き合えんのも、そうそう長いことやおまへんのやさかい、親孝行しなはれや!」
「そらもう、うちは、親孝行ですがな!うちの親孝行ぶりは、滝の水も酒に変わる程でっせ!」
「あーあ、お母はんも気の毒ですなあ…こんな娘を…」
「何言うてはりますのや!うちこそ、あの母親の言動には、悩まされてきましたんやっ!忘れもしまへんわ!中学校の運動会!」
「何があったんだす?」
「女子全員で、盆踊りを踊る事になりましてな、浴衣を持って来るように言われたんですわ。」
「かいらしなあ、浴衣は。」
「普通、浴衣て、金魚やら朝顔やら、染めてありますやろ?」
「そうですなあ…紺地に赤や、ピンクやらでな。」
「うちのんだけ違いましたんやでっ!」
「どんなんやったんでっか?」
「白地に紺の染めですわ!荒波とからかさが染めてありましてな、ところどころに短冊が散らしてあって…その短冊にな…」
「ふんふん、何て?」
「白浪五人男、て染めてありましたんやでっ!母親に、帰って文句いいましたらな、『粋ですやろ』の一言ですわ!」
「あっはっはっは」
「うちは、歌舞伎役者の楽屋姿みたいな恰好で、盆踊り、踊りましたんやで!女子中学生に、粋、は必要でっか?」
「いーひっひっひ!お腹痛い…」
つつぐ
「あんさんのお母はん、今日誕生日と違いますか?」「へえ、そうですわ。妹と日帰りカニ食べツアーに行ってますわ。」
「あんさん、なんかしてあげたんでっか?」
「いや、気付かんふりしとこう、思いましてな。」
「親と付き合えんのも、そうそう長いことやおまへんのやさかい、親孝行しなはれや!」
「そらもう、うちは、親孝行ですがな!うちの親孝行ぶりは、滝の水も酒に変わる程でっせ!」
「あーあ、お母はんも気の毒ですなあ…こんな娘を…」
「何言うてはりますのや!うちこそ、あの母親の言動には、悩まされてきましたんやっ!忘れもしまへんわ!中学校の運動会!」
「何があったんだす?」
「女子全員で、盆踊りを踊る事になりましてな、浴衣を持って来るように言われたんですわ。」
「かいらしなあ、浴衣は。」
「普通、浴衣て、金魚やら朝顔やら、染めてありますやろ?」
「そうですなあ…紺地に赤や、ピンクやらでな。」
「うちのんだけ違いましたんやでっ!」
「どんなんやったんでっか?」
「白地に紺の染めですわ!荒波とからかさが染めてありましてな、ところどころに短冊が散らしてあって…その短冊にな…」
「ふんふん、何て?」
「白浪五人男、て染めてありましたんやでっ!母親に、帰って文句いいましたらな、『粋ですやろ』の一言ですわ!」
「あっはっはっは」
「うちは、歌舞伎役者の楽屋姿みたいな恰好で、盆踊り、踊りましたんやで!女子中学生に、粋、は必要でっか?」
「いーひっひっひ!お腹痛い…」
つつぐ