魂の相伝~プロレスの日に、プロレスを見た~ | 団塊Jrのプロレスファン列伝

魂の相伝~プロレスの日に、プロレスを見た~

どうも!!流星仮面二世です!!

さて!!遅くなってしまいましたが、今回はですね、2月19日に行われました

「ジャイアント馬場没20年追善興行~王者の魂~ アブドーラ・ザ・ブッチャー引退記念~さらば呪術師~」

行ってきましたので、その模様をお送りいたします。

まずですね、これやるって決まったのが10月の何日でしか・・・もちろんその時点では馬場さん没20年追善興行というだけでカードも内容もよく決まってませんでした。魅力ありますが平日だし、こいつはどうしようか・・・と悩みます。しかしそのとき

「おまえは絶対に行かねばならない」

という天の声を聞きます。そーだ、おれが行かないでどーするんだー!!そしてここで三世にも声をかけます。オカダはまだ出るかどうかわからないが、どうする?と問うと、おれも行く!!と!!よーしならばと、イープラスでやった最速チケット予約ってやつでチケット予約したのが昨年10月24日でした。

それから数え数えて4ヶ月です。天龍の実行委員辞任は残念でしたが、ブッチャーの引退セレモニー、マスカラス・ブラザーズの参戦他、なつかしのレスラーが次々参加発表され、近代レスラーの試合も含め、大会は近年のプロレスにはない豪華さにして、かなりのボリュームとなっていきました。

そして開催日も近づいてきた、それは2月の8日・・・わずか11日前でした。こちらにもコメントくださるヨンペイさんからの突然のLINEに震撼します。

「流星さん、馬場追善興行にアントニオ猪木来場決定だそうです!!キターーヽ(;▽;)ノ」

ななななな、なんだってー!!!!!

馬場さんの追善に猪木が!?猪木がぁー!!テレビや本でしか見たことなかったBI砲が・・・あの日の天の声は、これだったのかぁ!!

当日は三世の学校があったので18時30分開始の両国に18時15分頃に着き、ギリギリではありましたが猪木が出るオープニングには間に合ったのでひと安心。本当は17時くらいからブッチャーのサイン会が行われていたので行きたかったのですが、間に合っただけいいとするしか・・・と入口を歩いていると、いきなりサイン会しているブッチャーの姿が!!おおお・・・ブッチャーが、いるぞー!!

これまでニュースなどで耳にしたブッチャーの話。年齢のこともあり、正直、どんなになっているのか・・・想像もできませんでした。しかし昔とほとんど変わっていません。いつどこで、誰が見ようが疑いようのないブッチャーです。

「すごい。本当に頭、ギザギザしてるんだぁ・・・」

はじめてのブッチャーに驚きを隠せない三世。そう、これがアブドーラ・ザ・ブッチャーさ。どうだい?ブッチャー見たら今のヒールなんざ、ようやくつかまり立ち始まった赤ちゃんみたいだろぉ~?

こうして席につくと、時間も迫っていたため、さっそくオープニングです。いきなりです!!場内のライトが消え、あのテーマが流れます!!

さぁ~漆黒となった両国に照らし出された赤と青のスポットライト、カクテル光線に照らされて、ドォー!!という大歓声と共に、炎のファイターと共に、燃える闘魂アントニオ猪木の入場であります!!

11世紀、ペルシアの詩人ウマル・ハイヤームの四行詩集、ルバーイヤートの一説

"戸惑う我らをのせてめぐる宇宙は、たとえてみれば幻の走馬燈。日の燈火を中にして巡るは空の輪台、我らは、その上を走りすぎる影絵のようだ"

と。共に歩んだ日本プロレス。そして袂を分ち競った新日本プロレスと全日本プロレス。昭和の思い出はプロレスの思い出。アントニオ猪木、ジャイアント馬場。様々な想いが猪木の入場と並走して、人々の脳裏に、まさに走馬燈のように影絵のように、今、我々の前を走り去ります!!

猪木です!!(撮影・流星仮面三世)

マイクを持ち、話し出す猪木・・・ああ猪木がいる。しゃべっている・・・猪木が同じ空間にいて、今、おれと同じ空間の空気を吸っている!!ただ一心不乱に猪木を見つめ、猪木ーっ!!と声を出し、猪木が発する一言一句に身を酔わせます。そして、最後は久しぶりの1、2、3、ダァー!!です!!ああ倒れそうだぁ・・・なんという至福なんだぁ・・・

おれはもう今日は帰ってもいいよ~。猪木が退場したあと我に返り、余韻に浸ります。すると

「お父さん、子供みたいだったよ~」

と、三世。そうだなぁ・・・無理もない。こうして毎週、金曜8時を過ごし育ってきたからなぁ。こうなっちゃうんだよ。三世がオカダに夢中なようにね。

ところで人生初の生のアントニオ猪木となった三世。感想はどうだった?

「猪木さん出てきたときの会場の反応、声のすごさにびっくりした。会場こんなになるなんて、今までにない。すごいレスラーだったんだと思った」

すんばらしい意見だ。キミはえらい。

それでは試合です。

第1試合
ジャイアント馬場メモリアルバトルロイヤル 30分1本勝負

出場レスラー
キム・ドク、百田光雄、ジョー・ディートン、菊池毅、垣原賢人、井上雅央、MEN’Sテイオー、本田多聞、相島勇人、TARU、土方隆司、ヤス・ウラノ(レフェリー、マイティ井上)

これはまず入場曲ですね。スターウォーズのディスコバージョンですよ。全日本プロレスの海外からの試合のときよくかかってたあの曲ですね。これで全員が入ってきました。素晴らしい選曲でしたね。

百田、戸口、ディートン、菊池、本田、そしてマイティ。本当に何十年ぶりに見ましたが、リングの上にみんながそろってね、見れたというのがうれしくて、とても胸がいっぱいになりましたね。さらにひとりをフォールしようとしたとたん、みんなでドカドカ上に乗ってきてフォールするというあの動きを見たときには、昔、全日本で見た新春バトルロイヤルを思い出しまして、ジワ~っときましたね~。みんな元気そうでよかったです。ひとつ残念だったのは、小川良成がいなかったことかなぁ・・・このメンバーなら、小川にもいてほしかったと、ちょっと思いました。ちなみに三世、カッキー以外は全員知らないレスラーだそうです。時代を感じますね~。

第2試合
8人タッグマッチ 30分1本勝負

本間朋晃、岡林裕二、野村直矢、成田蓮vs宮本和志、橋本友彦、橋本大地、野村卓矢

これは入場のときの橋本大地の入場、テーマ曲にグッときましたね~。しかし橋本大地、レスラーとしては、あまり印象残りませんでした。気になったのは大日本プロレスの野村卓矢というレスラーですね。8人タッグだったこともあり蹴り以外の技はわからなかったのですが、シングル見てみたいですね。この蹴りの、あの先に何があるのか?気になりました。

第3試合
ストリートファイト・トルネードバンクハウス8人タッグデスマッチ30分1本勝負

大仁田厚、ケンドー・カシン、鈴木秀樹、保坂秀樹vsグレート小鹿、長井満也、石川修司、佐藤光留

これ、せっかくのオールスター戦で鈴木にこのマッチメイクはもったいないと個人的には思いました。試合順も、鈴木はメインやセミで、オカダも出場して絡むとか、あってほしかったなぁ~。でもご本人には、あまりそういう気もないのかなぁ。しかし、こういう想いを巡らせるのもオールスター戦ならでは。夢なんでしょうね~。ダブルアーム・スープレックス、初めて生で見ましたが素晴らしかったです。見事でした。これでまた夢が続きますね。

☆アブドーラ・ザ・ブッチャー引退セレモニー☆

第3試合終了後、ここからはブッチャーの引退セレモニーとなりました。もはやなつかしい吹けよ風、呼べよ嵐の中、ブッチャー登場です。車椅子に乗るブッチャー・・・押すのはジョー・ディートンです。いやぁ・・・もう言葉になりません。涙目です。

セレモニーでは、徳光和夫、倉持アナウンサー、そして松永二三男アナウンサーが姿を見せ花束を渡します。倉持さん、本当になつかしい。あ、フォークだ!!フォークです!!フォークですね!!が甦ります。実況とレスラーという間柄でしたが、ブッチャーこそ、倉持アナウンサーの実況でないと映えなかったと思います。

全日本時代からのゆかりのある外国人レスラーではハンセンやドリーが登場しましたが、一番印象に残ったのはマスカラス・ブラザーズでした。2019年にして、ふたりが同じリングに上がることすら奇跡なのに・・・ブッチャーとマスカラスが、こんなに柔らかい表情で寄り添っているなんて・・・本当はCGなんじゃ!?と思ってしまうほど、信じられません。こんな日が来るなんて絶対にあり得ないと思っていました。馬場さんの力なんだろうなぁ。感激しました。

初代タイガーマスクは入場曲が驚きの燃えろ!吠えろ!タイガーマスク。これはやられました。そのタイガーに新間寿氏が続きます。タイガーに新間にブッチャー・・・ブッチャーの梶原先生時代全盛期がこの瞬間に甦りましたね~。これも感激でした。

日本人レスラーからは秋山準、武藤敬司、坂口征二らが花束を渡します。レスラー、関係者・・・ひとりひとりと向かい合う度、なつかしく、そして本当にうれしそうな顔をするブッチャー。それに合わせ会場も思い出を巡らせたことと思います。そうボクも・・・祖母と母親がブッチャーを"ダンプ"と呼んでいたことや、父親が長靴でブッチャーのシューズのマネしていたこと。年上の子が、地獄突きやる方のテーピングには、針金が巻いてあるんだぜ~、と知ったかぶりしてたこと。それにケチャップを血にしてブッチャーごっこしたことや、中1のとき転校していった子がボクをブッチャーと呼んでいたこと・・・幼き頃からのブッチャーの思い出が巡っていました。

やがて、会場には来られませんでしたが、全日本プロレス初期にゴールデンカードとして幾度と対戦したザ・デストロイヤーからはメッセージが・・・

「出来ることなら、もう一度あの頃に戻って試合をしたい。お前もきっと同じ気持ちだろう。引退おめでとう」

ボクらがこの歳にしたって、もう一度あの頃に戻れたらなぁ・・・と思うことか多々あります。それを考えるとデストロイヤーがどういう思いでこの言葉を言ったのかが、本当によくわかりました。

最後はブッチャー自身が言葉を述べました。ファンの皆さん、帰ってきましたと・・・でも1つだけ足りないことがあると。ここにジャイアント馬場がいてくれたらと・・・そして、3日前にブッチャーのマネージャーで長年に渡り親友だったというオネスト・ジョンなる人物が亡くなったと、一緒に日本へ来たかったと話しました。

みんなと感情のツボがちがうかもしれませんが、ボクがこの日、一番目が潤んだのがここでした。だって、いくら数ヶ月も前から日本への来日が決まっていたとしても、一番信頼のおける、一番の親友が直前に亡くなったなら・・・普通、言葉に言い表せられないほどの悲しみとなり、すぐ何かをやる気になんてなれませんし、なにより親友の側にいてやりたかったはずです。それが理由でブッチャーの来日が中止になったとしても、ファンは誰ひとり文句なんて言いませんし・・・

でもブッチャーは悲しみの中で、思うように動けない体で遥々海を渡り、日本へ来てくれたんです。サイン会でもリング上でも気丈に振る舞って、我々に姿を見せてくれたんです。それを思ったらあまりに込み上げてきて・・・

そのとき、スーパースター列伝の、ブッチャー編の最後のシーンが脳裏を過りました。

「おれは忘れねえッ!ファンが愛してくれるのは強いブッチャー、悪役でも一生懸命なブッチャーだってことを!!」

そうだなぁ、これこそがアブドーラ・ザ・ブッチャーなんだよなぁ・・・だからブッチャーはプロレスファン以外にも知られ、愛されてきたんだ。そう思いました。

最後にブッチャーは、サンキュー!!サンキュー!!と何度も言いました。そして10カウントゴング。終わると、360パウンド、アブドーラ・ザ・ブッチャー!!のコール。大ブッチャーコールがブッチャーを包みます。これが世界を股にかけ、その名を轟かせた悪の帝王、プロレス界のナンバーワン・ヒールの最後なんだ・・・そう思うとボクもありったけの声で、ブッチャーコールを叫んだのでした。ありがとう、ブッチャー!!

第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負
渕正信、藤原喜明、青柳優馬vsタイチ、金丸義信、TAKAみちのく

さて、試合に戻ります。が、まずここはちょっと視点を変えたレポートから・・・

当日、ファン層はオールドファン、かなりの割合でいましたね。で、次が全日本、大日本のファンなんですよ。で、新日本のファンと、比率でいうとそんな感じに見て取れたんですよね。

で、タイチですよ。ヒールですね。ちょっと汚いことやるとブーイング起きるわけですよ。ここは会場も一致、みんな一緒でブーなんですが、このあとタイチが会場を煽ったり和田京平レフリーに絡んだりするわけなんですが、ここでですね、新日本のファンは「タイチは帰れ」コールですね。あれをやるんですよ。新日本の会場だったら自然な流れですよね。でもオールドファンと全日、大日本ファンは当然やりませんよね。やらないで、このタイチの様子や絡みを楽しむ声が上がるわけですよ。つまり会場内で反応がはっきり分かれてたんですね。これはおもしろかったですね~。

団体によりファンのカラーが明確に出る、これはそれぞれの団体がそれぞれ発展してきたという証拠、プロレスが盛り上がっているということですよね。とってもいいことだと思いましたね。

試合は渕と、そのタイチでしたね~。渕、ドロップキックですよ。連発ですよ。馬場さんと3000試合連続出場突破記念で試合したバーン・ガニアもドロップキック連発やりましたが、あのとき55歳でしたか・・・それだって十分すごかったんですが、渕はそれをもしのぐ65歳ですからもう言葉がありません。タイチは先にも書きましたが新・旧ファン問わず、会場を完全に自分の空気にして支配してましたね。プロフェッショナルですよ。おもしろい試合でした。

第5試合 
3WAYタッグマッチ 30分1本勝負
SANADA、BUSHIvsジェイク・リー、岩本煌史vs海野翔太、吉田綾斗

我が家は新日本はよく見ますが、それこそ新日本以外ではWWEをちょっと見るくらいしかしない三世がこの日、初めて見た新日本以外のレスラーを指して何度か

「あれ新日のレスラーじゃないよね?」

と口走ったことがありました。

現在の新日本はエルボー、エルボーの打ち合い、コーナーにいる相手へ勢いつけて走っていっての攻撃、座っている相手に低空ドロップキック、トラースキックでパッチンなどなど・・・第1試合からメインの選手に至るまで、そしてキャリアやキャラクターに関係なく、試合ではまったく同じ動作が見られます。その同じ動きが新日本以外のレスラーにも見られたので、あれ?という感じで・・・思わず三世の口から出てしまった言葉だったんだと思います。

その言葉には実はまったく同感でした。この日、普段は見ることのない団体のレスラーを一同に見て、現在のプロレスには、どうやら団体等関係なく"一定世代以上からは同じ動きをする"というのが少なからずある、というのをボクも強く感じた次第でした。

しかし、そんな中で、ん!?と思ったのがジェイク・リーという選手でした。若手なのは間違いないと思いますが、どこの団体かすらわかりません。もちろんこの日が見るの初めてなので、先に述べたような動きも、もしかしたら日々の試合ではやっているのかもしれません。でもこう、テンポや空気がちょっと他のレスラーとちがう気がして、見ていて、あれ!?となるときが何度かあり・・・なぜだか不思議とデビューしたばかりのジャンボ鶴田の姿がオーバーラップしていました。似てるわけじゃないんですけどね、不思議でしたね。ボクは本当にこの日しか見ていないのでわかりませんが、もしかしたら何か持ってる、大器なのかもしれませんね。今みんながやってるような決まった動きは覚えないで、個性を出してやってほしいですね。

第6試合 タッグマッチ 30分1本勝負
丸藤正道、新崎人生vs望月成晃、シュン・スカイウォーカー

この日、三世が一番印象に残った試合が実はこれで、それが何だったかていうと、新崎人生でした。入場、体つき、素早い身のこなしに思わず釘付け。52歳なんだよと言うと

「マジで!!新日本の第三世代よりぜんぜん動きいいじゃん!!」

とびっくり。そして曼荼羅捻りや拝み渡りを見たときには

「え!?ええ!?」

と、目が点になってました。

プロレスを観る、ではなくプロレスに魅入ってしまう、ですね。そして記憶に残る、また見たい!!なんですよ。先ほども書きましたが、他のレスラーがやるからと、同じ技、同じ動きをやっていたのではボヤけてしまい、記憶に残らないんですよ。あのレスラーの、あの技すごかったなぁ、動きすごかったなぁ~とならないんです。三世のような、初めて見る人にとってはここは重要ですよ。記憶に残り、また見たい!!と思わせる・・・大事なことじゃないですかね。

第7試合 
6人タッグマッチ
秋山準、大森隆男、太陽ケアvs小島聡、永田裕志、西村修

これは2000年代初頭のプロレスですね~。ファンによっては、おお~!!というカードだったんではないかと思います。しかし、ボクはこの時期はプロレスから離れ気味になっていて・・・いろんな要素がプロレスに入ってきて、プロレスがプロレスから遠くなってしまい、おもしろさを感じられない時期でした。

そんなときふとテレビで見たのが2003年でしたか、月寒グリーンドームで行われた永田と西村のIWGPヘビー級選手権でした。このとき西村を見て、まだプロレスやるレスラーがいたんだ。久々にプロレスを見たなぁと・・・そう思ったのを思い出します。この日、西村はガウンが無我・・・早々に見せたカウンターのコブラ、よかったです。蛇足ですが西村、ボクの住んでいます茨城県石岡市のふるさと親善大使となっております。今後ともよろしくお願いいたします。

セミファイナル 
タッグマッチ 60分1本勝負
ミル・マスカラス、ドス・カラスvsカズ・ハヤシ、NOSAWA論外

いやぁとうとうマスカラス・ブラザーズですよ。実はボク、マスカラス・ブラザーズ、生で見るの初めてなんですよ。この日は残念ながらコールに合わせてのオーバーマスク脱ぎは見れませんでしたが、やっぱりこのふたりがリングに立ったというだけで童心に帰ってしまいます。

そんな中、序盤からドス・カラスがとても68歳とは思えない動きを見せ場内を唸らせれば、マスカラスはフライング・クロスチョップを見せフィニッシュはまさかのダイビング・ボディアタックです!!さすがに全盛期のようにはいきませんでしたが、手のひらをやや外に向けて広げるあの独特のフォームは健在。感激でした。でもボクが一番うれしかったのはロープに飛ばしてのマスカラス・ブラザーズのツープラトンのフライング・クロスチョップでしたね~。みなさん覚えてますか?編隊飛行ですよ~。プロレスごっこでマネしましたね。なつかしい・・・あまりにもなつかしい!!

おそらく見るのはこれが最後になるであろうマスカラス・ブラザーズ。本当に見れてよかった。そして、この日マスカラス・ブラザーズの良さを存分に引き出してくれたカズ・ハヤシ、NOSAWA論外に、ありがとうと言いたいです。最高の功労者でした。

メインイベント 
タッグマッチ 60分1本勝負
棚橋弘至、ヨシタツvs宮原健斗、関本大介

さてメインです。この試合、注目していたのは宮原ですね。今の全日本でエースというレスラーがどれくらいやるのか?大変興味がありました。

まず入場ですね、宮原への歓声がとにかくすごいんですよ。コールが尋常じゃないですね。当日は新日本のファン、棚橋ファンもいましたが、この入場の歓声に関しては完全に宮原が上でしたね。で、これがおもしろかったのが、これは全試合通してなんですが、全日本のファンはレスラーがコールされると紙テープ投げるんですよ。昔あったあれですね。これが女性ファンなんかがですね、3本くらいづつ紙テープ持って、こう投げるんですね~。この文化はもうないと思ってたんですが、全日本ファンはやるんですね~。ちょっと驚きましたね。

試合は宮原、ボクの見た感想ですが、かなり試合で"間"を多く使うレスラーなんだな、というのが印象でしたね。会場ファンとのやり取り、駆け引きですね。このあたりを見ると人気あるのがわかる気がします。しかし試合は受けが多く、攻めに転じては技がちょっと淡白で単発だなと、感じましたね。序盤じっくりいくときは間を使うわけですが、いざ攻めに転じると、この間で引っ張ったほどの攻めが出ない、といった感じを受けました。終盤、早い動きになってもジャンプしてのヒザがほとんどで・・・試合のピークまでの持っていき方も、ちょっと寂しい気がしました。今スープレックスをフィニッシュにするレスラーなんていませんからね。若いですしね、これから新日本、全日本、大日本の3団体の時代のエースとして、君臨していってほしいですね。

メインはレスラーとしてはヨシタツが一番よかったですね。とにかく動きましたね~。体も新日本に凱旋して、バレットクラブハンターやってた頃からするとかなりシェイプされているように感じました。この日もしMVPあったらヨシタツだったと思いましたね~。

試合後は馬場さんの追善が行われました。馬場さんのパネルと、試合に出場したレスラーがリングに上がります。海外からはメッセージ映像でジョニーエース、リッキー・スティムボート、リック・フレアーが馬場さんへコメントし、坂口征二の挨拶のあと10カウントが鳴らされました。

思い出します・・・馬場さんの還暦の試合のとき、試合後のインタビューで

「子供のとき60歳と言ったらずいぶん年寄りだなぁと思ってました。自分がなってみたら、なんだまだやれるじゃないか」

と・・・笑顔で語っていたんですよね。しかしその1年後に亡くなってしまい、それから20年も経ったんですね。プロレスにもプロレスファンにも、いろいろなことがあった20年だったと思います。しみじみします。

こうしてすべてが終了しましたが、両国の出口では各レスラーがサイン会とあり大混雑でした。ボクも並びたかったのですが、終電がなくなってしまうため断念。ブッチャー、ハンセン、ああ近くで見たかったなぁ~・・・と失意のうち、とぼとぼと出口へと歩き出すと、おれを忘れていないかい?とばかりに、なんと後ろにドリー・ファンク・ジュニアが!!まさに前門の虎、後門のグレート・テキサンか!!

「んぉー!!どーりーぃ!!どりぃー!!」

と近づき手を伸ばします。ゆっくりと歩くドリー・・・おおお、最後の最後にドリーにタッチしたぞー!!うれしー!!と、狂喜乱舞し振り返っると固まった三世が。いやぁこりゃ・・・父さんまた子供になってたね~。すまなかったね。すると

「デカイ・・・もうトシだし、痩せてて背中も少し丸まってるのに、こんなにデカイんだ・・・」

そうか、そう感じたか・・・そう、プロレスラーは常人とちがうんだ。どんな状況でも、見た瞬間に相手にすごさを伝えられなきゃダメなんだよ。今の会場ではなかなか体験できないこと、ドリーから学ばしてもらったね。

こうして両国を後にし、帰りの電車の中、三世と話します。正直、今回は知らないレスラー、興味のないレスラーが多かった三世にとっては、わからなく、おもしろくなかったところもあったようです。しかしアントニオ猪木はじめ、かつての名レスラーを目にし感じたプロレスの奥深さと、その名レスラー達に歓喜する昔からのファンの反応。そして現在の新日本以外の団体と、その団体のファン達を目にし感じたその気持ちは、何十年もしたのち、必ずプロレスファンとして糧のちがいを見せつけることと思います。あの日、両国に行ってよかったと・・・思える日が来ると思います。

三世がこの日、最もすごさを感じたのが猪木さんだったそうですが、そんな三世、ボクが今の猪木さんと1、2、3、ダーッ!!が出来て、喜んでいたのを受け

「いつかオカダのレインメーカーのポーズにも、そうなる日が来るのかな・・・」

と、ポツリとつぶやいたのが印象的でした。そうだなぁ・・・何十年先になるかわからないけど、三世には必ずそういう日が来るだろう。しかしオカダが今の猪木さんの歳になる頃は、さすがにお父さんは一緒にプロレス行けないから・・・そのときはキミが自分の息子を、流星仮面四世を連れてって渡すんだよ。プロレスファンの魂をね!!頼んだぜ!!

平成も、もうすぐ終わるこの時期に、こんな価値のあるプロレスを見れてよかった。新しい年も、プロレスが楽しくありますように・・・

最後までありがとうございました。