プロレス研究所~前田日明の12種類のスープレックスに挑戦だ 完全版パート1~ | 団塊Jrのプロレスファン列伝

プロレス研究所~前田日明の12種類のスープレックスに挑戦だ 完全版パート1~

どうも!!流星仮面二世です。

さ!!今回はボクとレガさん の間で秘かなブームとなっております前田日明の特集!!

前田日明の12種類のスープレックスに挑戦だ完全版

をパート1、2に分けてお送りします。

これはですね、2009年に一度やってるんですが、思いつきだけでやってしまったことと、当時の構成の未熟さがアダとなって、今見るとお恥ずかしい限りの内容となってしまっていました企画なんですよね。

ということで今回は、老獪さを身に着けたボクが6年前とは一味違う、グレードアップした内容でお送りいたします。

パート1の今回はもちろん、前田日明の12種類のスープレックスを完全紹介です。

ではスパークリング・フラッシュ、前田の七色スープレックス、行ってみましょう!!

ジャーマン・スープレックス・ホールド

まずはこれですね!!

前田のジャーマン・スープレックス・ホールドはとにかく安定感がありましたよね。技に重さもありました。また長身から繰り出す豪快さがかっこよかったですね。

このスープレックスは前田の現役時代の中でも、わりと使用頻度が高い方なんですね。しかし序盤で放つことが多かったせいか、意外と前田のジャーマン・スープレックス・ホールドがフィニッシュになった試合ってそんなにないんですよね。

これだけすばらしいジャーマン・スープレックス・ホールドだったので、その点ではちょっと残念でしたよね。もったいなかったですよねぇ・・・これが一番の得意技、フィニッシュホールドでやってってもよかったんじゃないかな~って思いますね。

フルネルソン・スープレックス・ホールド

続いてはこちらフルネルソン・スープレックス・ホールドです。

ご存じのようにドラゴン・スープレックス・ホールドですね。前田が使うとこう呼ばれましたね。生涯でもそんなに使わなかった技ですが、長身と体の柔軟性を利したその威力、決まり具合、形は名手でした。第一回IWGPでの猪木戦が初公開になるでしょうか?その後は旧UWFから復帰後の新日本での藤波との戦いで掟破りの逆ドラゴンを繰り出していったのは思い出深いところです。

ところでドラゴン、使う選手は今でもいますが、腕のロックが外れてしまったり、足が崩れたり・・・なんてことわりと多く見かけますよね。パーフェクトにこなしていたのは若き日の藤波、前田、ジュニア時代の高田、大谷くらいですかね?

ドラゴンはジャーマン・スープレックス・ホールドとちがい相手をフルネルソンに取ります。つまり自分の腕が高い位置にあるということですね。そのため上半身が相手と密着する体勢が生まれます。この体勢から相手をバックに投げるとなると、投げる瞬間に腰を落とす、いわゆる投げる前のタメ、ですね。これを取るのが難しくなるのではないでしょうかね。

それとその次の動作、投げる方が投げる瞬間に反りますよね。この反り、上半身の振りですね。これが相手をフルネルソンに取っていることによりジャーマン・スープレックス・ホールドのようにはできなくなりますね。密着している分、かなり制限されてしまうことになります。

なのでこの技は見た目よりも難易度高かったのではないかなと・・・ボクは思うんですが、どうでしょうか?(オブライトみたいな問答無用のは別ですけど・・・)

ドラゴンは受けた方のダメージはもちろんありますが、投げる方もなかなか大変な技なんではないでしょうかね。ボクはそんな気しますね。

リバース・アーム・サルト

リバース・アーム・サルト、これはもう凱旋帰国第一戦のポール・オンドーフ戦ですね。あの試合はリアルタイムで見てましたが、テレビではどんなふうに組んだのかわからないうちにあっというまに投げがきまって、あれ何だ!?って思っていたらフォールが入り唖然としてしまったのがそのときの記憶ですねぇ。

当時はこれをスパークリング・スープレックスと言っていたので前田のフィニッシュホールドなのかなと思っていましたが、その後は見られず・・・生涯でもフィニッシュにしたのはオンドーフ戦だけだったんではないでしょうかね?

技としては決まった瞬間に首がかなり上がっていますので、投げられたダメージももちろんですが、気管を圧迫されて呼吸が苦しくなる技という点でも効果がある技、なんではと思いますね。

それにしてもたった一度のフィニッシュですがファンの記憶には前田、凱旋、オンドーフ、リバース・アーム・サルトという流れができてしまっているほど。インパクトがいかに強烈だったかが伺えます。

ダブルリスト・アームサルト

これはフィッシャーマンズ・ホイップという名称もあって、いろいろなレスラーが使っていましたね。特に序盤戦の探り合からの攻防ではよく見られました。

この技は前田の12種類のスープレックスのひとつではありますが、歴代ナンバーワンの使い手、名手としてはボク的には長与千種ですね~。単に投げというだけでなくブリッジでホールドしましたよね。

これは以前も言ったかもしれませんがジャーマン・スープレックス・ホールドや他のスープレックスもそうなんですけどね、長与千種って投げる前の腰の落とし方、沈め方がハンパないんですよ。ものすごく沈むんですよね。マネしてたり力まかせだったり、カッコウだけでやってなかったんです。研究して努力して、体全身を隈なく使って投げるということをしていたんですよね。

話が反れて申し訳ないんですけどね、言わせてもらえば、こういった点をしっかり見習ってほしい、そんなレスラーが現在はたくさんいますね。メジャーにもですよ。やるんならプロレスラーとして恥ずかしくない技をしっかりとやってほしいもんですね。

ハーフハッチ

さて、続いてはハーフハッチです。

画像は第一回IWGPの公式戦のエル・カネック戦になりますが、これが前田のハーフハッチ初公開のシーンになります。

前田はこの時代から始まって、現役時代はこの技をよく出していましたが、しかし!!この技で一番シビレたのは初期のリングスでヴォルク・ハンにやったときですね。92年だったかなぁ?

サンボ、コマンドサンボをやってきたハンがまったくかかわることのなかった、言ってみれば別世界ですね。そんな別世界の中にあったハーフハッチという技をかけられるわけですよ。コマンドサンボのエキスパートであのロシアのブラックベレーの教官が、ゴッチから受け継いだスープレックスをかけられるというこの構図ですねぇ~。

なんのことない出来事なのかもしれません。でも、ボクにとってはこういうところすごく好きでしたね。たまりませんでした。

ウンターグルフ

ウンターグルフ、フロント・スープレックスですね。

この技はいろんなレスラーが使ったので馴染みもあると思いますが、前田が使う場合の特徴としては、他の選手とちがい投げている途中からクラッチに少しだけ余裕を持たせていた、というとこだったかなと・・・個人的には思うところです。

クラッチをがっちり固めて投げると、自身が体をひねった時、相手の体もついてきますので同じようにひねられながら投げられるような形になります。画像でいえば前田は左に体をひねっていますので、本来越中の体はもっとこちらを向いているはずなんですよね。クラッチはしっかり、というのが本来は基本なんで、多くのフロント・スープレックスはそうなるはずです。

でも前田がやると最初に浮き上がった軌道のまま投げられています。ジャンボ鶴田の初期のフロント・スープレックスも相手がまっすぐ後ろに行きますが、鶴田自身もまっすぐ後ろに行きますよね。ですが前田は自分は体をひねりながら、相手のことはまっすぐ投げています。

クラッチの具合を調整することで、自分は体をひねっても最初に相手を浮き上がらせたままの軌道で、まっすぐに落とすことができるわけですね。これなら投げた後、すぐ相手の上に乗ることができるので次の技への備え、投げた後フォールに入る、腕を取る、という流れが連続して行えます。実践を見据えつつ、威力のある一発だったと思いますね。

スロイダー

これだけ、ごめんなさい。スロイダー画像、他にもあるんですがわかりやすい角度のがなくて・・・これは前の画像の撮り直しになってしまいました。ご了承ください。

スロイダーはフロント・スープレックスに大変似ていますが、画像のように相手の腕を片方だけ上からホールドして投げる技ですね。通常、レスリングのグレコローマンスタイルで使われる正面からのそれは、この形が基本形になります。通称“反り投げ”なんて呼んでますね。

こちらはパート2でじっくり、詳しく特集します。

サルト

サルトはカンヌキ・スープレックスなんて呼ばれ方もしてましたね。意外な使い手としてはアンドレ・ザ・ジャイアントでしたよねぇ。迫力がありました。

さて、前田のサルトで有名なのはドン・ナカヤ・ニールセンとの格闘技戦ですね。あのときのサルトは弧を描かせず小さく投げていきましたね。

グレコローマンの試合なんかではスロイダーやフロント・スープレックスでしたら仕掛けてから、途中で相手に乗られてしまって体勢崩しても、なんとか反転して逃げれる可能性がですね、わずかながらあるんですが、これに関してはそうはいきませんね。相手の腕を上からホールドしています。ということは相手はもろ差し、脇の下から腕を通して組んでいるということですよね。ということはですね、相手も組んでいる、ということなんですよ。なので中途半端や見切り発射でこの技を仕掛けるのは絶対ダメですね。イコール、フォール負けです。

スープレックスというと大きく弧を描いて・・・というのがイメージになってしまっていますが、その限りではありません。この前田のように弧を小さくして確実に投げ、最後自分が上になる、ここまでがサルトなんではないかと思いますね。

ニールセン戦のときは前田はサルトを出した時点ですでに記憶がなかったんですよね。しかし、この点はしっかり発揮していました。本当に実戦での使い方が身についていたんでしょうね。

ちなみに先ほどスロイダーを“反り投げ”と呼んでいたお話しましたが、こちらのサルトは腕をキメての形から“キメ反り”なんて呼んでましたね。

リバース・サルト

さて、ここからは当ブログでは初公開になります。まずはリバース・サルトです。

これはサルトと腕が逆なのでリバース・サルトということなんでしょうかね。形としてはもろ差しですが、これはフロント・スープレックスの要領でここから投げるんでしょうね。

これは前田の試合では出せそうな感じでしたが使われたことはありませんでしたね。やっぱりこの体勢になったらクラッチ組んでフロント・スープレックスに行った方が確実ですもんね。でも、このまま後ろに投げるの、見てみたかったなぁ・・・

デアポート・スロイダー

次はデアポート・スロイダーですが、これは・・・なんすかねぇ・・・後頭部、首を掴んでいますね。

資料がないのでこの画像だけで探るしかないですが、まず首を掴んでいる腕は、両腕とも直接首、後頭部にいっているんでしょうかね?それとも、画像では見えない前田の左腕だけは相手の脇の下から腕が出て、首まできている状態?なんでしょうか?

前田の足の入れ方を見ますと、右足が相手の股に深く入っていますね。これはパート2で詳しく説明しますが、反り投げやるときの基本なんですね。相手の重心より低く入って、ちょうどモモのところに乗せて、投げるときに左足を前に送って下からポンと重心を跳ね上げ反るんですね。なのでこれなら投げる方向は前に出たスロイダーやフロント・スープレックスと同じ向き、左に反り投げるはずです。

そう考えるとですね、これはどういう体勢になったときにやる技だったんですかね?

相手の左腕は動くので脇を差せる状態ですし、クラッチも首のところなので右腕も動かせます。なので投げる方にしたら結構、不利な体勢だと思うんですよねぇ・・・というか、この体勢に持ってくのがなかなか困難ですよ。リスクを冒してまでこの技を繰り出す理由が何かあったんでしょうか・・・それとも何かされたときの、ある体勢になった場合に切り返すような返し技の類?なのかなぁ?うーん、わからないなぁ・・・

カール・ゴッチが意味のない技をやったり教えたりするとは思えません。なのでこの技には絶対に「ここぞ!!」という場面があるはずです。ボクらが知り得ることができない何かがあるはずですね。

投げた後、どういう感じになるのかなぁ?実際できるのかなぁ?考えるのはとんでもなく楽しいです。

クオーター・ネルソン・サルト

これはフロント・ネック・チャンスリー、レスリングでいう「がぶり返し」なんじゃないかなと思った・・・んですが、ちょっと様子がちがいますね。

フロント・ネック・チャンスリー、がぶり返しは相手の頭を完全に自分の胸とおなかの中間くらいのとこですかね?その辺に完全に入れてしまうんですよね。で、相手の頭をおなか出しながら押しつけるわけですね。そうすると首がキマって、気管も圧迫されて苦しくなって、回避しようと相手は足、体を浮かそうとするわけです。そこで反って後方へ投げるわけですね。

でもこれは頭が入っていないですね。しかも前田の手の位置、右腕で相手の左腕を巻いていて、左手は相手のアゴを持っていますね。しかも脇が結構開いています。ということはフロント・ネック・チャンスリー、がぶり返しではなくて、相手のアゴをひねりながら、うしろに反り投げる技なんでは・・・

って、それじゃひどい技だなぁ・・・


ひとつまちがったら死んでしまいますね。まあ実際にはどうやって投げたのかはわかりませんけどね・・・


ダブルアーム・ロック・サルト


うーん、これはわかんないなぁ・・・今までで一番わかりません。


前田が後ろに反っているので、このまま反って高田が一緒に倒れて行って、ちょうど河津落としみたいな形になるんでしょうかね?それとも前田がスロイダーの要領で思いっきり左に反って、高田を画面の右側へ振って投げるんでしょうか?いやいや、前田は真うしろに反って、高田はこのまま側転するような形でぐわーんと弧を描いて投がる?んでしょうかね?


もしそれだったら、かなり豪快で見栄えのあるスープレックスですが、スロイダーの要領でのそれでしたら腕がイッちゃいますよね。多分どっちかだとは思うんですが・・・やっぱりわかんないですねぇ・・・こういうのって本当に奥が深いですよね。


キャプチュード


最後はオマケのアキラ・スペシャル、キャプチュードです。


キャプチュード、前田式捕獲投げは正面から相手の足を取り、そのまま後方へ投げつける前田のオリジナル・スープレックスですね。使い出したのは旧UWFの頃で、名前がついたのは新日本へ復帰したときでしたね。この頃はテーマ曲もキャプチュードとなりました。特に雷鳴かマシンガンか、ちょっと記憶が曖昧なんですが、イントロで「ドドドドドドド」って入っているキャプチュードはよかったですねぇ~。


この技は相手の蹴り足を取って、そのまま投げに行けるという利点から、新生UWFでは実に頻繁に見られました。しかし頭脳プレイからのキャプチュードもあって・・・そう、89年の5月の大阪球場でのクリス・ドールマン戦ですね。ローキックをスネでガードするドールマンにローのフェイント入れて、足を上げさせたところで足を取って投げたんですよね。これは見事でした。


今は使い手もいなくなってしまい残念な限りですが、いつの日か前田のようなレスラーが現れて、これを使ったならなぁ~なんて思うばかりですね。


さて、パート2では前田のスープレックスの中でも代表的でしたスロイダーにスポットを当てて特集したいと思います。