1986・エープリル・オブ・レスリング・ウォー 2 | 団塊Jrのプロレスファン列伝

1986・エープリル・オブ・レスリング・ウォー 2

さて・・・WWFの全米大侵略がレッスルマニア2にて大成功を収めたこの年、この月にもちろんNWAとAWAが黙っているはずがありませんでした。


NWAは孤立的に団体内所属選手で大会を開催するWWFの方式とは違い、AWAはもちろん各地区の団体とも交流を持ちレスラーを相互してはファンにカードを提供していました。なので図式としてはNWA・AWA連合という感じでした。


そんな2団体がレッスルマニア2が行われた同月の19日と20日、まさに対抗意識をむき出しにて連日ビッグイベントを開催したのです


今回は、そのうちのNWAの一大イベント、世界タッグ五輪と呼ばれる“ジムクロケット・シニア メモリアル・カップ レスリングトーナメント”のお話です。


風雲告げる全米レスリング・ウォー。WWFのレッスルマニア2への対抗馬としてNWAは4月19日、アメリカ・ルイジアナのニューオリンズ・スーパードームにて“ジムクロケット・シニア メモリアル・カップ レスリングトーナメント”を開催しました。


この大会でNWA代表のジム・クロケットJr.は、まず規模にて圧倒すべく米UWFのビル・ワットに協力を要請。この戦略で両テリトリーであるミッドアトランチックとミッドサウスの両地区の主力レスラーが、ごそって大会に参加することになりました。またフロリダ地区、カンサス地区、テネシー地区、オレゴン地区、そして日本と各NWA系テリトリーからも主力レスラーが続々参加。スケールは拡大していきました。


しかし規模だけではありません。その内容も世界タッグ五輪の名のとおり、セミファイナルのハクソー・ジム・ドゥガンvsディック・スレーターのノース・アメリカン選手権、そしてメインイベントのリック・フレアーvsダスティ・ローデスのNWA世界ヘビー級選手権以外はすべてタッグマッチという異例のもので、参加チーム24組、つまり48人ものレスラーがワンナイトでタッグトーナメントを行うという、ちょっとそれまでのアメリカプロレス界でもなかった空前絶後の大会になったのでした。


では一体どんな顔ぶれの選手が集結したのか・・・見ていきましょう!!


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新日時代、藤波との名勝負でおなじみカリフォルニアの太陽チャボ・ゲレロ(左)とへクター・ゲレロ(右)のゲレロ兄弟。父親は名レスラー、ゴリー・ゲレロ。チャボの息子はWWEでも活躍してますね。


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こちらも新日時代には藤波と名勝負を展開した両雄スティーブ・カーン(右)とスタン・レーン(左)の実力者チーム、ザ・ファビラスワンズ。


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のちにWWFでブレーンバスターズとして活躍する名タッグ、タリー・ブランチャード(右)とオレイとの兄弟タッグでも有名アーン・アンダーソン(左)


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ニュージーランドの地獄の羊飼い、ルーク・ウイリアムスとブッチ・ミラーのザ・シープ・ハーダース。


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時期NWA王者候補といわれ来日も期待されていましたが、交通事故で再起不能になってしまったマグナムTA(左)と87年にリック・フレアーを倒しNWA世界王者になったロニー・ガービン(右)


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サンシャイン、プレシャスなど女性マネージャーを引き連れたギミックで有名だった上のロニー・ガービンの弟、ジム・ガービン(左)とブラック・バート(右)


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ココ・ウエアと詳細不明のイタリアン・スターリン。ココ・ウエアはココ・ビー・ウエアという名前で後にWWFにも登場しています。顔は渋めですが身長が170センチ台と小さい選手です。イタリアン・スターリンは新日本に来たイタリアン・スタリオンか!?


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狂犬バズ・ソイヤー(左)と、数年後にはスタイナーブラザーズで大人気となる若き日のロブ・リクスタイナーことリック・スタイナー(右)


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そのバズ・ソイヤーの弟、ブレット・ソイヤー(左)と、新日に留学していたダリル・ピーターソンと一瞬紛らわしいデーブ・ピーターソン(右)


(※両者とも新日本に来日経験があるそうです)


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狼酋長ワフー・マクダニエルとマーク・ヤングブラッドの真インディアン・コンビ。


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ハンセンの初来日時のタッグパートナーだったというボビー・ジャガーズ(右)とミスターX、ビル・ミラーに憧れ名を名乗ったというマイク・ミラー(左)


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大ベテランの荒くれ牧童ネルソン・ロイヤルとサム・ヒューストン。


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バットン・ツインズ。どうやら双子のタッグみたいですが詳細はまったく不明です。


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実力者にて大ベテラン、妖獣バロン・フォン・ラシク(左)と素顔のハロウィン・パーティことコンガ・ザ・バーバリアン(右)


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ブギウギマンことジミー・バリアント(左)とマニー・フェルナンデス(右)


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まだ来日前の殺人医師、スティーブ・ウイリアムス(右)とNWAのジュニアヘビー級王者にも君臨したことのあるテリー・テイラー(左)


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にせリック・フレアーとして人気を得たバディ・ランデルとビル・ダンディ。


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元AWA世界王者のリック・マーテル(左)と新日本でのタッグ戦線でお馴染みだったディノ・ブラボー(右)


(※残念ながらリック・マーテルが飛行機のトラブルで現地入りできずタッグ五輪は欠場)


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日本を代表して全日本プロレスから三沢タイガーと世界の巨人ジャイアント馬場。


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テニス・ラケットでおなじみのマネージャー、ジム・コルネットを司令塔に曲者ボビー・イートン(右)とデニス・コンドリー(左)の名タッグ、ミッドナイト・エキスプレス。


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数々の連携技を駆使しNWAで大人気のタッグチームだったロバート・ギブソン(右)とリック・モートン(左)のロックンロール・エキスプレス。


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けして大型ではないが小気味いいファイトでNWAでロックンロールとならんで大人気だったボビー・フルトン(右)とトミー・ロジャース(左)のザ・ファンタスティクス。


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超パワーでNWA世界タッグ王座にも君臨していた恐怖のラシアン・シックル、ニキタ・コロフ(左)とクラッシャー・クルスチェフ(右)のザ・ラシアンズ。


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そして暴走戦士ザ・ロードウォリアーズ!!


(今回は参加メンバー、できるだけリアルタイムの画像をそろえました。でも現時点でどうしてもリアルタイム画像がないもの、見つからなかったものもありまして・・・スイマセン。なかったのは見つかり次第載せようと思いますのでご勘弁ください!)


これだけのメンバーがそろってトーナメントとは、うーん、すごい・・・WWFのレッスルマニア2にいかに対抗していたかがよくわかりますね。


さて試合、注目はやはりザ・ロードウォリアーズ。このときアメリカ、日本と大人気にて全盛期の彼らはこの大会でもそのパワーを十分発揮しました。


ウォリアーズはシードから2回戦、ワフー、マーク組からフォール勝ちし準決勝ミッドナイト・エキスプレスに反則勝ち。


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2回戦、ヤングブラッドにホーク得意のダイビングを決めるホーク


そして決勝、マグナムTA、ガービンと対戦。連続で3試合目となるハードな決勝だったが・・・


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フィスト・ドロップ!!


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パワースラム!!


スパートをかけて見事、優勝となりました。


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ついにタッグの頂点に!!


昼の部、夜の部と開催されたジムクロケット・シニア メモリアル・カップ レスリングトーナメントは激戦、連戦の中、ウォリアーズがマグナムをフォールし見事優勝。こうしてタッグ五輪は新しい波、ウォリアーズが優勝することにより大盛況にて幕を閉じたのです。


かつてないレスラーが集まり、これまたかつてないタッグでの一大トーナメントが行われた空前絶後の大会は、話題性でプロレスに興味がない層にまで幅広い視聴を狙い、そしてそれを達成したWWFのレッスルマニア2とはちがいプロレスファンの為のプロレス・ビッグイベント、いわゆる掘り下げるプロレスのひとつの集大成といった感じであったのではないだろうか?とボクは思います。


さあ1986エープリル・オブ・レスリング・ウォー。次回はいよいよファイナルだ!!