蘇るか!?世紀の一戦 | 団塊Jrのプロレスファン列伝

蘇るか!?世紀の一戦

どうもです。


今日はねー、ぶっくりよ。いやびっくりよ。あれですよ、テレビ朝日開局50周年記念で2月7日の夜7時から放送される


テレビ朝日が伝えた伝説のスポーツ名勝負~いま明かされる舞台裏の真実~


の話。そう、これで猪木・アリ戦のことをやるんだ!!これはスゴい!!


というわけでボクもやろう。


何?おめーの意見なんざどうでもいい?まぁ、そう言わずにちょっと見てってくださいよ。


さて、アントニオ猪木vsモハメド・アリの“世紀の一戦”は昭和51年6月26日に格闘技世界一決定戦として日本武道館で行われました。


ファン、関係者の間ではあまりにも有名なこの一戦は今だ語り継がれる試合です。そのため現在に至るまでに何度となく様々な検証が行われました。おかげで当時は大凡戦といわれていた試合でしたが時代と共に経緯や試合背景、そして関係した人物の裏話やエピソード談話を知ることが出来、その評価が時間が経つほど上がっていったという歴史的大試合なのであります。


この試合が行われた昭和51年、ボクは3歳だった。当時全世界に衛星中継され昼と夜に2度放送されたこの一戦。ボクの家はプロレス好きな一家だったから必ず家族で一緒に見ていたはずなんだけど、やはり3歳では記憶的につらいもんがあるなぁ。猪木・アリ戦、さすがに何ひとつ覚えていません。


この試合そのものを知ったのも遅かったですね。確か小学校3年生くらいだっただろうか?図書室に読売新聞の日本写真年間という分厚い本があり、その昭和51年度版にこの試合のことが載っていると当時から仲良しの幼馴染みの親友しんちゃんに聞き、見たのが初めてでした。


衝撃的でした。今でこそ当たり前かもしれなですが、この頃プロレスとボクシングが対決するなんて想像もつかなかったもんなぁ。


そして・・・それから何年たっただろうか?これを便利な時代と言ってしまっていいのかどうか?ボクは30代にしてついに猪木・アリ戦を見る機会に恵まれたのです。


それまで、映像の権利がアリ側にあるので世にこの試合が出るということはありませんでした。だから小・中・高、そして社会人と・・・それまでは関連本や、格闘技オリンピックや格闘技世界一という、いわゆる格闘技ブームの頃のドキュメント映画での短時間なダイジェストでしか見たことがありませんでした。それが何十年という時を超えてついにボクの目の前にフルで映し出されたんです。


ボクはフルラウンドをまさに釘付けになって見ました。


それまでボクが得た知識ではルールに縛られながらもできる限りの戦いをし、ダメージをアリに与えた猪木が試合を優勢に進めたため、判定こそ引き分けだったが実のところ猪木の勝ちではなかったのか?というような、猪木の評価が後々高くなってきて・・・というものがほとんどでした。


でも、試合を見たらボクは猪木ではなくアリに対して感じるものを得ました。プロレスファンなのにアリの方にです。それはなんてのかな・・・もちろん猪木も大ファンだからすごいと思ったけど、アリの格闘技者としての、男としてのなんたるかをあの一戦を見て感じたんですよ。


プロレスvsボクシング、単純にいえば


“殴る、蹴る、投げる、倒す、絞める、極めるvs殴る”


です。


プロレスはルールの幅が広い。理論上ほとんどなんでも許されてしまいます。もちろんそれは興行として見せる要素があってのものもありますが・・・そうでない場合、興行としてお客さんの前でやるものでなく道場でやる、いわゆる道場スパー(スパーリング)はあの当時の新日本がそうとうすごかったというのはファン、関係者なら知るところです。


だが表向きのプロレスとちがう、本質のプロレスラーの特性、技がどんなものでどういった感じなのか?すべてがどんなものなのかはレスラーでないとわかりません。ボクらが垣間見れたのは間接的に得た知識、ほんの一部にすぎないものだと思います。


それはアリだって同じ、知ることができないものであります。


いかにヘビー級らしからぬフットワークを使い高速のストレートを放つアリだって、レスラー相手に絶対に組みつかれないという保障はありません。もし組みつかれたら?そのときアリが経験したことのない倒され方で倒され、経験したことのない関節技で逆を決められるとしたら・・・それはどんなに怖いことだったでしょうか。たとえルールがプロレス技を使えないというものだとしても、ルールの間隙を縫って相手が何を仕掛けてくるのかわからない戦いなのです。


アリ・キック、そんな仕掛けのひとつだったと思います。


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アリ・キック


スライディングしながらローを放つアリ・キック。これにより、今までローを蹴られたことのないアリがローを蹴られるのです。


まさにアリが経験したことのない攻めでした。だから蹴られても防御ができない。防御できないまま想像を絶する未知の痛さが足を襲うのです。どうしていいのかわからない、ということによる精神的ダメージに恐怖、痛み・・・


でもアリは足を攻撃されダメージを受けながら、未知の技に精神的戦いを挑みながらも状況を顔や動きに出さずフットワークを使いながら、いつものように試合にパフォーマンスを入れて戦った。長くて辛い、体験したことのない15Rをそれこそ猪木同様、決められたルールの中でできる限りの戦いを最後までやったのです。


ラウンドを負うごとに変わっていったアリの表情。心境のすべてはわかりません。でもボクはどんな形であれ勝負が始まった以上、最後まで負けるわけにはいかないという男のプライドをアリに見たのだ。


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アリの左ジャブが猪木をとらえる


先にも書きましたが、この試合の世間の評価は猪木よりです。実際試合中もアリにほとんど攻撃させず足にダメージを負わせ血栓症に追い込んだほどです。確かに今までに誰も出来なかった試合を実現させ、今までにない戦法で攻撃したのは天才的だと思います。


でもボクはこの試合はアリを絶賛したい。男として最後まで勝負したアリを・・・


2月7日は猪木がフルラウンドを見ながら当時の試合を振り返るという感じで進められるようです。


どんなふうになるのか今から楽しみです。