プロレスごっこ♪~男の子だけじゃないぜ!編~ | 団塊Jrのプロレスファン列伝

プロレスごっこ♪~男の子だけじゃないぜ!編~

ボクの住んでいたところは田舎だったから、小学校は三つ、中学校はひとつしかなかった。なので中学になると3つの小学校の出身者が同じところに集まる、ということになっていた。

ボクはこれをプロレスに見立て、自分の出身校を新日本プロレス(自分が好きだったから)自分のとこより人数が多く、かわいい子が多かったT小学校を豪華外国人レスラーとかけて全日本プロレス、そして人数は少なかったが同じ出身小学同士がすごく仲が良かったT小学校を国際プロレスとイメージし、中学は三団体による夢のオールスター戦と勝手にイメージしていた。この頃はなんでもそっち方面にたとえてしまう(つくづくプロレス・バカだったなぁ)

しかし。そんなプロレス・バカの勝手なイメージがまんざらでもなく、さらにびっくりするような話があったのだから、この時代のプロレスの影響力は計り知れなかった。結論からいうとプロレスに見立てたこの各小学校・三団体思想化の他になんと予想外の団体

全日本女子プロレス

が存在していたという衝撃的事実があったからだ。

というわけでここから先は女子プロのマニアック・ネタが飛び交います。何言ってるのかわからないところも多々ありますがご了承ください・・・

それを知ったのは中学2年になりたてのときだった。しかも話を聞いたのが当時好きだった子からだったからさらにびっくりである。古舘さん風に言えば、我が思春期の二大巨頭、プロレスと恋愛感情が奏でるエポックメーキング、まさに心とコカンのネバーエンディングストーリーだ!!

で、本題だ。その日、なんでその子とそんな会話になったのかは忘れてしまったが・・・話したことはこんな内容だった。

その子「あのねー、F小はねー、女子もプロレスごっこやってたんだよ」

ボク「え!マジで!?」

その子「そうだよ~。ちゃんと入場から音楽つけてね、試合前に踊りつきで歌も歌ったんだよー」

ボク「う、歌ぁを!?そ、それはやっぱクラッシュの炎の聖書(バイブル)とかを!?」

その子「そうだよ~。○組のまさ○ちゃんが千種でね、○組のまり○ちゃんが飛鳥だったんだよー」

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なんだってぇぇぇー!?

ボク「すごい・・・え、じゃ○○さんも誰かを・・・」

その子「わたし?わたしはね~山崎五記♪」

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ええぇぇぇー!!

ボク「や、山崎五記ぃー!」 

その子「そうだよ~。ふふ♪」

すごい・・・すごいぃぃ!!この子が山崎五記だったとは・・・ボクは今まで山崎・立野のフレッシュコンビ(注:1)は立野紀代の方が好きだったが今後は話を合わせるためにも山崎五紀よりに・・・いやまって?じゃーちなみに立野紀代は誰がやってたんだ?コンドル斎藤は?小倉由美はぁー!!

いや、そんなことはどうでもいい・・・これはなんてことだ!F小には“女子プロレスごっこ”が存在していたのかぁー!!それは大人ぶったせいか・・・どこか男性陣とボーダーを引く女子がいたボクの小学校では考えられない話だった。

数日後、今度はF小出身で思想どおりに全日本プロレス好きでミル・マスカラスが大好き、今で言う爆笑問題の太田風のMに聞いてみた。

「うんそう、○田、あいつがね、長与だったんだよ」

同じだ・・・だめ押しに同じ部活でF小出身、タコ八郎にそっくりのHにも聞く!

「そう、○田が長与で・・・」

な、なんという・・・!!

もはや女子プロレスごっこは不動。そして他の配役は薄くても○組のまさ○ちゃんの長与千種は不動のようだ。しかしなぁ、まさ○ちゃんタッチの南ちゃんみたいなかわいい顔してるのに(ちなみに声も似ているのに)長与千種とは・・・もしかして赤城のスーパーソフトを食べ過ぎたか?

まぁ、こうなったら・・・しゃべったことないけど本人に聞いてみたい!ダブル正拳がなんだ!ダブルサソリがなんだー!本人に聞いてやるぅー!と思ったが早く本人と話す機会に恵まれた。

よーし。これは言ってみれば新旧ファン対決だ。さすがに赤城マリ子のみかんの目潰しは知らないが・・・いやしくも!おれかてマミ熊野の人間絞首刑をリアルタイムで見てる男よ。十年一日のクラッシュ・ブームの自称・長与千種に遅れをとるわけには行かない!いざぁ!

「あれー、あれなの?昔、長与千種だったんだとか・・・」

言ったぞー!さぁーどこに“風林火山”て書いてある?言ってみろ!

「誰から聞いたのー?そうだよ♪」

あっさり認めやがった・・・それにしてもかわいい子じゃないか。やっぱり南ちゃんに似てるし、仕方ない。許してやるぜ(なんの話?)

いや!とにかく。今となっては男女の試合がひとつの興行で組まれるのも当たり前になり、男性ファンが圧倒的に増えたということから“女性的に男性に見せる”というポジションになった女子プロレスだが・・・あの頃の女子プロレスは現在のようなものではない、他が作れないフインキと独特の世界観があった。

ファンは圧倒的に女性。そんな女性達が会場やテレビの前で強くカッコイイ女性に熱中し、身を投げ出して応援する。それは放課後の部活動、同姓でありながら強くて頼りになる先輩に後輩が本気で憧れるかのように・・・女性が女性に憧れるという世界であり、そして目指す者にとって狭き門であったのだ。

そう、昔の女子プロは内容こそちがえど宝塚的な要素が敷き詰められた、女性の“夢”だったのかもしれないな・・・

男は強さに、女は憧れに・・・あの頃、プロレスを見る男女間の感覚や目指すものはちがっていた。でもプロレスがメジャーで共通項になっていたからこんな話が出来たんだろうな。うーん、いい時代だったな・・・

(注:1 F小で女子プロレスごっこをしていた頃は実況の志生野温夫さんが山崎・立野のタッグをフレッシュコンビと言っていた時代。後のJBエンジェルス結成は86年の3月か4月頃である)