オニオンフライ
すげーコイツはすげー!
やられたよ。
本日のオーダー(2人)
アイスティー(おかわり自由)
コーラ(おかわり自由)
+オニオンフライ
+海老とマヨのピッツァ
+ビーフステーキのトルティーヤ巻き(トルティーヤおかわり自由)
まずはオニオンフライの量にビックリ!軽く4人前。
驚愕。
続いてピッツァ!軽く3人前。
絶句。
最後にトルティーヤ!軽く2人前。
悶絶。
案の定、食べ切れず。
オニオンてんこ盛りが「盛り」がなくなった程度残ってる。
店員登場
「トルティーヤが1枚残ってますがよろしいですか?
おかわりもできますよ。お飲み物のおかわりはいかがいたしますか?
食後にこのようなデザートなどいかがですか?」
俺(心の声)
「あ?俺は日本人なんだよ。胃袋小さいんだよ。
ふざけないでくれよ!状況見て、この事態飲み込めねーのかよ。
あー俺はもうアイスティーしか飲み込めないがな。」
「やれんのか?」
そうストレートに言ってほしかった23歳の秋。
助けてくれ!
お腹が自転車のチューブのようだ。
アカズキン、俺のお腹にハサミを入れておくれ。
あ、お腹いっぱいで眠気が…
「おっ、お前は誰だ?」
「ひっひっひっ悪魔だよ。お前に潜む悪魔だよケケケケ。
食えないなら残しな。残すのが嫌なら持って帰るしかないね。
この貧乏性めケケケケ。」
「そうか!その手があったか!」
『MOTTAINAI』
俺はその言葉で目が覚めた。
やるしかない。
俺は貧乏だ。
これはケニアのえらい人との大事な国交問題だ。
ナプキンを静かに広げ店員の様子を探る。
こっちに来る気配はない。誰も見てない。今だ!
広げたナプキンの上に乗り、油を抽出しつつも包まれていく
オニオンフライ。
ナプキンだけあって一気に油を吸い取り汚れていく。
ワイシャツについたマヨを拭き取ったナプキンだ。
今更気にする事はない。
包んだ物をさらに両脇から固める。
その時!
「お客様…」
まさか!ばっばれたか? とっさに頭の中で言い訳を考える。
落としてしまったんで、落とした事がわかるように丁寧に包もうかと
思いまして。
コレだ!見事な言い訳だ!
「お客様…」
よし来い!(この間わずか0.3秒)
「お客様…こちらお済みの皿おさげしてもよろしいでしょうか?」
「はっ、はい…」
これは魂から湧き出た言葉である。
この時の私の体は確実に21グラム
(←Click!)
少なくなっていた。
ケニアのえらい人とのミッションを無事に果たした私はササッと会計を
済ませ、ナプキンがなくなっている事に気付かれる前に足早に店を
後にした。
帰りの道中にふと気づく。
俺がやった行為は
『MOTTAINAI』ではなく、
『IJIKITANAI』だった。
恥ずかしさと共にカバンの中のオニオンフライの匂いが込み上げてきた。
チャンチャン♪