新規加入者が予想を上回り、Napsterが売り上げ予想を引き上げた。日本への国際展開で戦略的地位が大幅に向上したとCEO。(ロイター)
2007年01月05日 17時01分 更新
オンライン音楽サービスのNapsterは1月4日、加入者の伸びが予想を上回ったことを受け、同社第3四半期(10~12月)の売り上げ予測を引き上げた。
Napsterは身売りを模索するため9月に投資銀行のUBSと契約している。12月31日までの3カ月で4万8000人の新規加入者を獲得して有料サービスの加入者合計は世界で56万6000人となり、同四半期の売り上げは2800万ドルを超すと予想している。
同社の従来予想では売り上げを2700万ドルと見込んでいた。Reuters Estimatesによると、アナリストの売り上げ予想は平均2740万ドルだった。Napster株は午前の取引で2セント(0.5%)下げて3.80ドルとなっている。
Napsterのクリス・ゴログCEOは、日本への国際展開と携帯電話関連の提携により、同社の戦略的地位が大幅に向上したと話している。
Napsterによると、2006年の1年間で加入者がダウンロードした楽曲は5億曲、ストリーミングは7億曲だった。
同社の音楽ダウンロードサービスは、市場独占状態にあるApple ComputerのiTunes Storeと競合する。iTunes Storeは米国で音楽ダウンロード販売の80%以上を占めている。
iTunes Storeが販売した楽曲は2001年の立ち上げ以来、15億曲を超えた。完全対応しているのは圧倒的人気を誇るAppleのデジタル音楽プレーヤー、iPodのみ。iPodもこの分野で首位に立っている。
Napsterを含む他社の音楽ダウンロードサービスはiPodとの互換性がないため、AppleのiTunes Storeとの対抗で苦戦している。
大手では最近、Microsoftが2006年の年末商戦に合わせてデジタル音楽プレーヤーのZuneと音楽販売ストアを立ち上げ、この争いに加わっている。