リーマンショック以後、日本の経済のみならずアメリカの経済、ひいては世界経済が危機に瀕したという言葉は
どこにいったのかと思ってしまう。
確かに、不況を感じざる得ないが・・・。
以前のように、世界が崩壊すると言っていた焦りやメディアの煽りはなくなったが…。
そもそも、なぜリーマンショックは起きたのか?
そのことを考えさせる、思い出させる番組を再放送だが見た。
この番組は2回目であるが、やはり良く出来ている。
債権の証券化、金融工学を駆使した金融派生商品、CDSなどの世界中のマネーを集める手法は
ごく一部の科学者によって生み出されたこと。
その科学者は世界が平和になろうとする大きな流れの中で生まれた科学者難民であること。
そして、その金融派生商品の根本的な考え方とリーマンショックの背景とファクター。
全てが分かり易く説かれている。
その中でもボクが一番注目してしまったのは…
核や宇宙開発をしていた科学者がウォール街になだれ込まなきゃいけない背景と
そのごく一部の人間が自分の研究対象を不可解な投資と言う分野で
リスクをどれだけ軽減できるのかを追求した結果としての今回の危機という部分である。
自分自身の追及が世界を破壊する可能性とリスクをもたらすモンスターを生み出してしまう。
これは事実であり、これは現実であるということの怖さである。
番組中にも出たが、アインシュタインの研究が原爆を生み出した。
そのことを悔いて、戦後は平和利用への研究を行ったアインシュタインや湯川博士の話。
歴史は角度は変えても、いつも進む順序は一緒である。
オヤジくさいことは言いたくないけど、
人間が生活利便や欲望の追求が…
その結果として待ち受ける結果の反比例。
リスクがあるから、人間はまっとうに生きていけるのではないでしょうか?
リスクのない、言うなれば人間最大のリスクと思われる『死』のない世界は怖くて生きれないかもな~。
リスクがあるから、楽しいと思ったNHKスペシャルでした。