前の寅と今年の寅

おはこんばんにちは(^^♪

革業界には「たつの革まつり」というタンナー(革を作る工場)が集まり主催する革のコンテストを含めたイベントがあります。

僕がバッグの製作を学ぶために通っていた上田安子服飾専門学校の雑貨コースではそのイベントに協賛しておりました。

「手づくり市」的な感じで生徒が自分で作ったものを販売するという企画でもって、同級生たちと一緒に革小物の販売する形でそのイベントに参加したのは思い返せば12年も前の寅年でした。今年の寅と12年前の寅が同じ寅かは定かではございませんが、はるか彼方の寅年の頃でした。

当時から「モノを売る」ということが好きだった僕はどうすれば売れるかを考えました。

周りの同級生はみんな革を切っただけのキーホルダーをはじめ、簡易で使途不明な革小物を作っていました。

和気あいあいと作る使途不明な革小物を作る同級生に先生は「すごい可愛いね～！良いね～」とお褒めのお言葉でもって激励しておりました。

逆張りが好きな僕はがっつりオールレザーでハンドメイド感は否めないですが長財布を作りました。

雑貨コース2年目の頃の僕はもうミシンを買って下請けのお仕事をしていたので、それくらいの財布を作る能力は保持しておりました。

巡回に来た先生が「何作るの～？」と聞いてきたので(女性の先生です)、「こういう感じの長財布を作って値札は8000円で販売します。来たお客さんとのセッションで値段を下げたらお得感が増すと思うので、実際のところ5000円くらいの落としどころでもって販売しようと考えてます。」と懇切丁寧に説明すれば、「サイテー」と侮蔑的な視線を残しその場を去っていきました。

そして後日、そのイベントでの同級生1人当たり売上は1000円～2000円くらいでした。

手前味噌ですが僕は8万円くらいで上田安子史上過去最大の売上を達成することができました。

たしか必至で販売したのは、何かしらの支払い(電気代だったと思う)が迫っていて電気を止められまいと考えた結果支払いまでにちょうどイベントがあったので上記のアイデアを思い付いたというような感じだったと思います( ﾟДﾟ)

昔、読んだ本田宗一郎の本で「困ったとき、苦しいときの知恵は尊い」と書いてありました。

人間は追いつめられたとき、普段はほとんど使っていない脳みその思考回路を数パーセント向上させる機能をもっているのだと思います。

そんなくらい追い詰められた時ほど、疲弊した体とは裏腹に脳みそは元気になるような気がする。と、この12年間の経験を通じて僕は感じています( ﾟДﾟ)

そんなことがあった12年前から月日が過ぎ去りましたが本日110万円のヒマラヤクロコダイルのトートバッグが完成致しました♪

5000円の財布を作って怒られていた12年前の僕ですが(2重価格もその要因の一部ではありますが)、前の寅から今年の寅までこの仕事を頑張った甲斐もあり、110万円のバッグを作ってもお𠮟りを受けることはなくなりました(*'ω'*)ﾗｯｷｰ

現在、兄が製作風景動画を編集中ですので完成次第ホームページで販売させていただきます♪