こんにちは。
中村ましろです。
先日公募した新作舞台の主演像について、ちょっと話そうと思います。
『飛行士の詩』は文学的な書き方を意識しました。
海外文学の翻訳版みたいなイメージです。
重みを出すため史実をベースにし、政治思想や外交をセリフに滲ませ、時代背景を追いやすいよう年表を添えて仕上げました。
過去作品に毎回書かれていた幻想的な部分は入れていない分、この作品がドキュメンタリーにならないように、飽くまで芸術性の枠に収まるよう演出でバランスを取っていく考えです。
なので稽古では、写実的な基盤の上に、色んなアイディアが試されます。
登場人物の心情を追っていくと、その過程で身体反応がさまざま起きていくから、それが声でだったらこうなりそう、で書かれたセリフに過ぎないからです。
その時、他の器官が示す反応はどう表現できるか、俳優さんにはセリフがありながらセリフにない、要は本に書かれていないところを埋めてほしい。実像を以て具現化する俳優さんには、ある種のリアリティを求めています。
したたかに生きる眼力だったり
生きる屍となった虚無感だったり
青春を追随させる共感性だったり
精神の危うさを感じさせる口調だったり
はたまた無言の時間こそ雄弁に伝えられたり、
人生の糧だったものを舞台で昇華されてきた俳優さん。
そして敷いては、こんなフュージョンをしたいのです。
演者と観客が空間を共するとき、
演者が見せている光景は観客の脳裏に映り、
観客の中で生きる。
観客は光景に重なる事象を追体験し、
目の前の演者になっていく。
演者と観客が空間を共するとき、
舞台や肉体の垣根なく永遠の刹那を生きる。
応募をご検討される俳優さん、
貴方を映す鏡はここです。
一度、ましろの鏡の前に立ちに来てみませんか?
ご応募お待ちしております。
公募 はこちらでもご覧いただけます。