西村剛士さんが、古今東西を問わず、
気になる戯曲を紹介してくれるコーナー
「本棚のミミ」
11月3日の放送で紹介していただいたのは
チェーホフの四大戯曲のひとつ、『ワーニャ伯父さん』
アントン・パーヴロヴィッチ・チェーホフ
1860年生まれ。1904年、結核のためこの世を去る。
享年44
近代演劇の完成者として知られるチェーホフ。
医学部在学中、1880年に『隣の学者への手紙』で
ユーモア作家としてデビュー。
1888年に『曠野(あらの)』で本格的な文学への道を歩み始め、
1903年の『いいなずけ』『桜の園』を書きこの世を去るまで
300篇以上の作品を残す。
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年老いた大学教授の田舎の領地を舞台に、教授がこの領地を
売りに出す提案をすることで引き起こされる騒動を、
チェーホフ独特の筆致で描いた戯曲です。
今回、西村さんがご紹介してくれたのは第二幕。
教授の若く美しい後妻・エレーナと、
教授の学識を崇拝し、領地の経営のために身を粉にして働いてきたが、
今や教授への信頼を失い、自分はだまされてきたという思いに
とりつかれている・ワーニャのシーンでした。
(西村さんのコメントより)
物語を読み進めていると、惚れた腫れたの印象を受けるのですが、
そもそも人にとっての幸福って何だろう、と考えさせられる作品でもあるな、
と思いました。
幸せって何でしょう?
私は、他人が決めるものではなく、自分で決めるものだと思います。
だから外から「ヤレ不幸だ」「ヤレ幸せだ」と言うのはお門違いだと感じるのですが、
私がワーニャだったら、と考えた時、神様は神様のままであったら幸せだったのにな、
と思います。
ワーニャにとっての神は2つ。
美しい妹が愛した教授という神。
そして、不意に訪れたエレーナという女神。
女神は妹が死んだ後、神の妻になり、神を俗物にかえ、
ワーニャ自身も人間にかえてしまった。
そのために彼は思想を忘れ、過去を捨て、
人間らしく生きることを欲し始めた。
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チェーホフのシリーズは次回も続くようです。
次回もどうぞお楽しみに!