議員向けの説明会の前ではありますが、この度の「高レベル放射性廃棄物の地層処分に係る文献調査」の申入れについての、現時点での私の考えをお伝えします。
安全性は大前提として、私は学生時代に福島の復興、秘書時代にJAEAの核燃料サイクル工学研究所、東海第二原子力発電所等を何度も見て、原子力発電や核燃料サイクルに携わる方々の安全確保と課題解決に向けた努力を、この目で見てきました。
誰かの意見や立場に合わせて結論を出したものではありません。こうした経験を踏まえての、私自身の考えです。
ーーー
8月31日、経済産業省より常陸大宮市に対し、「高レベル放射性廃棄物の地層処分に係る文献調査」の申入れがありました。市議会に対しても、9月1日の本会議において、市長より報告がありました。
私は、この申入れを受け入れ、文献調査を実施することには賛成の立場です。
まず大前提として、今回行われるのはあくまで「文献調査」であり、即「最終処分場を受け入れる」という話ではありません。「最終処分場=汚染される」わけでもありません。最終処分地の選定は、文献調査、概要調査、精密調査と段階を踏み、約20年という長い時間をかけて進められるものです。この点について誤解されている方も少なくないため、まず正確にご理解いただければと存じます。
高レベル放射性廃棄物の最終処分は、日本社会全体が向き合わなければならない、国家的な課題です。いまも全国の原子力発電所の敷地内等に多くの使用済み核燃料が保管されており、貯蔵容量の約8割に達しています。我が国のどこかで処分しなければならない以上、原子力の恩恵を享受しながら「自分たちの地域では嫌だが、他の地域なら構わない」という姿勢では、この課題を前に進めることはできません。そうした大局的な視点に立てば、常陸大宮市がまず文献調査を受け入れ、科学的な知見に基づいて可能性を調べることには、大きな意義があると考えています。
また、私は常陸大宮市だけでなく、これを機に全国のより多くの自治体が文献調査に関心を持ち、調査対象となる地域が広がることを期待しています。比較検討できる地域が多いほど、より慎重かつ適切な最終処分地の選定につながると考えるからです。
市民の皆様にも、今回の申入れを一つの機会として、最終処分についてじっくり考えていただければと思います。もし仮に、調査の結果、常陸大宮市が適した地域となった場合は、安全性について十分に確認した上で、何らかの方法で住民に判断の機会が与えられるべきだと思います。
そのために何より重要なのは、科学的知見に基づいた正確な情報が提供され、市民一人ひとりが冷静に判断できる環境をつくることです。
私は、自民党福島県連学生部で福島の復興について学んできた経験から、特に風評を懸念しています。一部のメディアや活動家が、福島を「フクシマ」、APS 処理水を「汚染水」、復興再生土を「汚染土」と表現し、風評を煽ってきました。
今回も同様です。いくつかのメディアからインタビューを受けた際、いわゆる「核のごみ」ではなく「使用済み核燃料」や「高レベル放射性廃棄物」などの正確な用語を用い、適切な情報発に努めていただきたいとお願いしました。
繰り返しになりますが、今回はあくまでも20年がかりの調査の第一段階を受け入れるかどうかという話です。調査の結果、最終処分地に適さないとなる可能性もありますし、住民の最終的な判断で受け入れないという選択もあります。だからこそ、最終処分地の受け入れに賛成か反対かという結論を急ぐのではなく、調査を進めながら、市民の皆様とじっくり議論を重ねて
いくことが最も大切だと考えています。
私自身も引き続き、原子力政策や最終処分について理解を深めて、市議会議員として正確な情報発宿を努めるとともに、執行部にも丁寧な説明をまめてまいります。
常陸大宮市議会議員 益子侑也
- 前ページ
- 次ページ