Mash(まっしゅ)の読了備忘録

Mash(まっしゅ)の読了備忘録

小説の読了備忘録。

書評と題するのは烏滸がましいが、読了した書籍に関する備忘録のようなもの。電子書籍は利用せず、紙の文庫本ベース。中古本100円コーナーで入手できるような作品をコツコツと。小説愛好ジャンルはミステリー/経済/スポーツ。

読了ペースは2~3日で1冊と比較的遅め。情景の表現法や文構成等、作家との相性次第で、稀に辛辣な評価も有。あくまで一個人の感想であることを予めご理解下さい。四捨五入すると三十歳の人間が書いているという点も加味していただけると幸いです。

文庫未発行の単行本や新刊の書評を行うことは稀。過去に読了した作品を投稿する際は、改めて再読することを前提としています。有名どころの過去作品は優先順位が比較的低め。

書評内で記載した内容は、裏表紙のあらすじ以上のことは書かないよう注意しております。核心に迫る部分はネタバレとなるため触れません。そのため、少々浅い語り口になることもありますが、予めご了承ください。

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※あくまで一個人の感想であることを予めご理解下さい。

 


信用金庫爆破事件が発生。そんな折、とある事件(3さつめ参照)で面識のある亀倉香奈から、自分の親戚がその事件と黒い三角定規に関わりがあるかもしれないとタレコミが入った。武藤と香奈は急ぎ山奥にある亀倉家に向かう。浜村渚も放課後に迎えに来た大山あずさとともに亀倉家に向かうが、道を間違え仕舞に車ごと崖から滑り落ちてしまう。目を覚ました二人は鶴ノ森の姓を名乗る人物たちに助けられ(崇められ)、いつしかその屋敷に軟禁されてしまう。

分断された対策本部関係者の面々はこの状況を打開し「方程式を使うと死ぬ村」に隠された謎を解明することはできるのだろうか。シリーズ10作目となるナンバリング番外長編。今作は数学というより算数がテーマ。登場人物の多さに起因するものと思われるが、ストーリーがかなり複雑な仕様である。3と1/2さつめほどの衝撃はないが、ミステリー色強めの作品を求める読者にはお勧め。印象深いシーンは301ページの渚の言葉。本筋とはあまり関係ないがニヤリとさせられた読者は私だけではないはず。

※あくまで一個人の感想であることを予めご理解下さい。

 


広告代理店社員の面々が、クライアントに向け五度目となる提案を行った。とある辺鄙な街に建設される大型タワーマンションの広告を提案するはずが、まともな案を見い出せないまま没案を量産。その結果、業を煮やしたクライアントから最終通告ともとれる無理難題を突き付けられてしまった。リミットは翌日、即ち24時間後である。数ヶ月かけてもこの体たらくの社員達は、この短時間でクライアントの希望する広告を用意できるのだろうか。

24時間という短い時間の出来事を小説に起こしているため、比喩表現を多用し引き伸ばすような描写が多い。流し読みまではいかないものの、自発的にスピード感を持った読み方をしないと話が全く進行しない感覚。無能上司に上からの圧力そして、たった24時間で起こる信じられない数のトラブル連発で、主人公視点だと追い込まれていく様がかなり重い内容。悪い夢であって欲しいと思うほどに泥沼でしかないストレスフル系ストーリーなので、仕事で苦痛を感じているような人が読むのは精神衛生上おすすめしない。

※あくまで一個人の感想であることを予めご理解下さい。

 


テロ組織「黒い・三角定規」の内部に異変。創始者のドクター・ピタゴラスこと高木源一郎と、新首領のアドミラル・ガウスこと森本洋一郎。高木は病死したとされているが真偽は不明。排斥された数学の復権を望む高木に対し、過激派組織として変貌を遂げ動き出した森本サイドで方向性が対立。キューティー・オイラーこと皆藤ちなみは、自身の身柄を警察に差し出す対価に武藤たちに森本の暴走を止めるよう依頼する。警察を含めた三つ巴にも近い状況になりつつある中で起こる事件とは。

シリーズ9作目。今作は珍しく黒い三角定規が関係しない事件の話もあるが、言わずもがな浜村渚が活躍する。今作の数学のテーマはアラビア数学、因数分解、約数の他ここ数巻の定番である〇〇問題系。一番の見所はアドミラル・ガウスこと森本といよいよ対峙することとなった『回るヨコハマ捜査線』だろう。これで終わりではないと思っているがどうだろうか。前作・前々作に比べるとだいぶ軌道修正できた感はある。次作は1/2の番外長編ナンバリングなので期待したいところだ。

※あくまで一個人の感想であることを予めご理解下さい。

 


政権交代。そしてその公約に掲げられたのが「失業率ゼロ」だった。働かざる者は処罰の対象となり、就職・転職においても職業選択の自由を奪われ、希望の職種からあぶれた者は割り当てられた会社に問答無用に入社することになる。料理人を目指していた山田康太もこの政策に夢破れ、調理専門学校を卒業後とある企業に就職した。しかし、そこは教科書通りのブラック企業で...

もはや宗教か刑務所か。そんな類のストーリー展開。登場人物の個性がかなり強め。とあるキーマンがご都合主義過ぎるきらいはあるが、フリとオチがわかりやすくスピード感もあるので、エンタメ小説としてはそれなりに楽しめる作品だと感じた。奇抜な設定のわりにボリュームは控えめ。エンタメ作品はだらだらと進行するより、切るところは切って強弱はっきりしている方が好みなので、エピローグに少々物足りないところはあったが、全体通して印象良く読了となった。

※あくまで一個人の感想であることを予めご理解下さい。

 


アクション映画を彷彿とさせる追跡劇の『深夜マイナス1』。子どもの頃の武藤と関わりのある彫刻家の死亡?『不可能彫刻の森』。キューティー・オイラーが追いつめられる『プレゼントにリボンをつけて』。からくり屋敷珍道中『数学手本忠臣蔵』の4本立て。数学のテーマは正の数・負の数、ギリシャ三大難問、充填問題、ペアノの公理など。

シリーズ8作目。いよいよこのシリーズもよくわからなくなってきた。数学にというよりそもそものストーリーにだ。既刊前半のミステリー色はどこへやら。いつの間にか大半がSFチックな作風に成り代わっており、ジャンルとしてSFがあまり得意ではない私にとっては少々面白みに欠け始めているというのが個人的印象。枝分かれし過ぎている感も否めないので、この辺りで場を落ち着かせるような1冊が挟まらないだろうかと淡い期待感を持ちつつ次作を手に取りたいと思う。