みなさん、こんにちは木村拓哉です。TOKYO FMをキーステーションに全国38局ネットでお送りする「木村拓哉 Flow」
この番組は様々な方をゲストに迎え「どう人生をFlowしてきたのか?」じっくりと伺っていきます。今月のゲストは、アーティストのAwich!
ヒップホップなんですが、14歳のときに沖縄産ヒップホップのコンピレーションアルバム「Orion Beat」っていうものに…
はい。そうですね。
これ客演って書いてあるんですけど…
客演で、14歳のときに2PACとか、ヒップホップに出逢った瞬間に…
「ラッパーだ」って、言い張ったんですよ。わたしは〜笑!ヤバくないですか〜笑!
14歳で?
14歳で「あ、これだ!」って思った瞬間「もうこれ、わたし名乗るしかない」と思って…
まず、次の日ぐらいから学校で「わたし、ラッパー」って言ったり「ラッパーって何?」みたいな…
もう友達とか「え…ラップ?サランラップ?」みたいなとか…
「マジで意味わからん」って言われたんですけど、言い張っていて…
ほんで、英会話教室に14歳のときは、あんま外の家から教室に行ってたんですけど…
でも、そこでも軍関係の人が退役して、クラブセキュリティになってる人とかが教えてる場所だったんですよ。
だから、ヒップホップにめちゃくちゃ近い先生たちがいっぱいいて…
「I'm Rapper.」って言ったら「Ohhhh!」みたいな「何かお前、面白いな」みたいな「ラップしてみろ」って言われたりして…
そんときは「I'm Rapper.」って言った後は、実際に体現してたの?
はい。ちょっとだけ書いて、書いたりして、用意したものを…
「やってみろ!」って言われたときに、やれるように用意してたりしてたんですけど…
一応じゃあ、その準備はしてたんだ。
はい。準備してたり、あと「ラッパーだから、これ教えろ!」とか言って…
何か歌詞、2PACの歌詞とか、悪い言葉とかも入ってるリリックとかも…
「これ意味教えて!」とか「じゃあ、他にこの言葉を例文で使ってみて!」とか…
「他の言葉で使ってみて!」とか、そういう質問ばっかりしてたんですよ。わたしは…
そしたら、笑われたり「何かお前、面白いな!」って言われたりして…
「このレコードショップに行ったら、沖縄のラッパーたちが集まる所、知ってるよ」って言われて、そこに行って…
言われて行って「わたし、ラッパーなんですけど」って言ったら…
そこは何か日本人の人たちがいて、DJとか、ラッパーとかがいて…
そこで「面白いな」って、そこでもちょっと可愛がってくれるようになって…
「今度、沖縄のラッパーとか、DJが集まるコンピレーションアルバムが出るんだけど、そこに歌ってみる?」って言われて…
このときは、名前も入らずにまぁイントロで、かましてる誰かみたいな感じの出し方というか、そういう風に出してもらってて…
だから、クレジットも入ってないんですけど、曲目は「ジャマルヤン」っていう曲なんですけど…
MUっていうアーティストのラッパー集団の中に、そのオープニングで、いきなりラップかまし始める女の子。
それが、14歳の…
Awichでした。
ちなみに、Awichっていう名前を「わたし、これ!」って決めて…
「あぁ、もう今日からもうAwich」っていう風にしたのは、どのタイミングなんすか?
それも14歳です。
え…マジで!?
うん。一年の間にめっちゃ決めた。
え…それ14のときにAwichにしたの?
決めてますね。もう何かそこのレコードショップに遊びに行くようになって…
「ラップ名は?」って聞かれたんで、すぐに「ラップ名は?」って聞かれた瞬間に「あ、ない」と思って…
その夜すぐ考えたんですけど、まぁ一日二日ぐらいかかったかもしれないんですけど…
やっぱり、いろんな名前考えてみたけど、自分の本名が亜希子なんですけど…
「あ」っていうサウンドだったり「A」っていうアルファベットは絶対だな。
何かもう自分「自分ってこれだな」って思ったんですけど「それを無視するわけにはいかない」と思って…
自分の名前、アジアの亜って書いて、希望の希って書いて、子供の子で、亜希子なんですけど…
それをずっと何か書いたり、消したり、眺めたりして、最終的にアジア=Asiaで、希望=wishで、子供=childで…
親がアジアの希望の子、アジアが希望して生まれて来た子供みたいな意味でつけてくれたんですけど…
それを「Asia wish child」にして、キュって、キュって…
それをAwich。
Awichなんですよ。次の日「あ、これだ!もう決めた!」って言った日…
そのレコードショップに行って、みんなに発表したら「わかりにく」って「イヤだ」って言われて…
「は!?」みたいな「日本人、発音しにくいよ」って、めっちゃ文句言われて…
え…そう?
はい。その当時は「マジ意味わかんない」って言われて「いや、もうでも決めたことなんで」って…
そんとき、めっちゃ頑固だったんで「もう決めたことなんで、これで行きます」って言って、これで行くことにしましたね。
あぁ、でも何かすごいもちろんAwichっていう、今はもう一つの造語として、確立してるから…
アーティスト名てして確立してるから、何の違和感もないけど…
意味合いをちゃんといま伺うと、めちゃくちゃ腑に落ちましたね。
ありがとうございます!ありがとうございます!
いや、なるほどね。それで、Awichっていう…
そう。多分その次の週ぐらいには友達を呼んで、家に家の庭の壁にグラフィティで大きく「Awich」って書きました〜笑!
それちゃんとお父さん、お母さんには言ったの?
「ここに書くからね」って言って…
それは言ったんだ。
はい。でも書いた後は、めっちゃ怒られました「何だこりゃ?」って言われてたけど…
今となっては、その頃の写真がめっちゃ大好きなんですよ。
両親も「これお前、ホントにバカだよな」みたいな感じで言われて…
「何かでもすごいよね」みたいな「決めたら決める」みたいな「もう決めたら、すぐやる」みたいな…
これを笑い話として、親戚とか友達とかにいっぱい見せてる。両親が、その当時は「変なの」って言われたの〜笑!
だって、家の庭のさ、壁にさ、急にさ…
真っ黄色で…
しかも、黄色でしょ?
全然自然に合わないですし…
いや、それで「Awich」って、いきなりグラフィティで書かれてもさ「お前、何するんだよ!」って、それはなるよ。
そうなりますよね。
なるよ。
子供にやられたら…
で、その後にアメリカ・アトランタの方に留学をされて、何でアトランタ行ったんすか?
当時は、そのアメリカのヒップホップで、サウスのヒップホップがめちゃくちゃ流行ってたんですよ。
サウス?
サウス。アトランタって南の方にあるんですけど、アメリカのそのアトランタ周辺の音楽って、結構その当時、独特だったんですよ。
行ったら、2PACとも全然違うし、スヌープ・ドッグとか、西海岸のアメリカのヒップホップで…
東海岸の例えばNYとか、ジェイ・Zとかのヒップホップからも、全く違うものが南から生まれて来たんですよ。
それがまぁリル・ジョンとか、ヒップホップじゃないけど…
R&Bで言えば、アッシャーとか、TLCとか、モニカとか、その音楽でめっちゃサウスが流行ったんすよ。
それが何か沖縄にめっちゃ似てるなって思ったんすよ。沖縄のアーティスト…
例えば、SPEEDとか、安室奈美恵とか、DA PUMPとか、バーって…
その前は、もうモンパチとか、BEGINとかもそうなんですけど…
バーって、いきなり全国で流行るみたいな雰囲気が、何か田舎のプライドみたいな、田舎のプライド…
しまんちゅう?
しまんちゅうとかに似てるなって、めっちゃ思ったんですよ。聞けば聞くほどってか…
アメリカの人たちが沖縄にいっぱい、いろんな所から来る人たちがいるんですけど…
そういうアトランタ出身とか、サウスの南部の方、出身の人とめっちゃ気が合うんですよ。
もうその当時から気が合って、何かお前がやるの、その田舎魂みたいなの…
めっちゃうちなの人に見られるみたいな、調べれば調べるほど…
例えば「サザン・ホスピタリティ」っていう言葉がある。それは、何かもう南部のおもてなしの心みたいな…
誰でも友達、誰でも家族っていう風に、おもてなしてあげる。
「え…それって、沖縄のいちゃりばちょーでーじゃん」みたいな。
それあるんだ。
「いちゃりばちょーでー」って、居合わせたら「兄弟」っていう言葉があるんですよ。
いちゃりばちょーでー?
はい。いちゃりばちょーでーっていう。照らし合わせていくと、めちゃくちゃ似てるなっていう部分がいっぱいあった。
LAとか、ニューヨークに行くのも考えたんですけど、それってもう出来上がってる都市に行くっていう感じ。
でもアトランタって、めちゃくちゃ成長期で、何かどんどんどんどん変わって行くというか…
変貌を遂げてる時期っていうのを何か遠目でもわかったので、何かそこに自分を突っ込むというか…
身を置くみたいなの、面白そうだなと思って、アトランタって決めました。
へぇ〜、でも今の沖縄のいちゃりばちょーでーは、ちょっとそういう考えが国内にあるのに、もっと何か浸透してほしいよね。
あ、そうですね。知ってほしいって思って、それで沖縄のまぁ音楽とか…
沖縄のラッパーたちを一応フューチャーしたプロジェクトとか、いっぱいやってるんですけど…
沖縄では、ホントに当たり前に「いちゃりばちょーでーだろ!」とか言って…
みんな何か優しくしたりとか、一緒に遊びに行くとか、行ったりするし…
それはだって、もうあれでしょ、表面上の入口から入るのかもしれないけど…
そのマインドって、やっぱりね「言ったからには」っていう、きっと責任も生まれるじゃないですか…
だから、表面上の何ちゃってじゃなくて「いちゃりばちょーでー」って言って…
もし言葉にしたならば、した以上「僕にとって、あはたは」っていう関係性がそこに生まれる何かその文化というか、カルチャーじゃないですか…
それは何かね、この島国だったら、もっと浸透してほしいなっていう感じはありますね。
それでびっくりしたのが、アメリカでインディアナポリス大学で、起業学とマーケティング学の学士号…
学士号ですね。まだ博士までにはいかなくて…
学士号取得したってあるんですけど、これ音楽、元々は音楽だったよね?
元々は音楽とか、ミュージックビジネスを学びに行こうと思って行ったんですよ。
そしたら?
途中でホントにいろんなことがあって、音楽を途中で実は諦めることになります。
なぜ?
結婚をして、子供を産む経験をするんですよ。そんとき、実は沖縄でお世話になってた人とかのおかげで…
高校卒業後、ちゃんとデビューする契約をしてたんですよ。19歳とか、20歳のときに実は一回デビューしてて…
なんですけど、頑固なところがめっちゃあって「絶対にアメリカには行きますよ」って言って、行って…
行ったら行ったで、好きな人に出逢ってしまって、結婚するって言い張って、妊娠もして…
「妊娠をした」っていうことを伝えると、もうみんな何かガッカリみたいな、当時は…
これ15年前なんですけど、やっぱり20歳とか、19歳の女の子がデビューするっていう…
みんな頑張ってるときに「妊娠した」って言うと「え!?」みたいな…
「もう終わりだね」っていう雰囲気はあったんですよ。
そこをまぁ自分自身もそれに抵抗することもなく「まぁそうですよね」みたいな…
わたしも、いろいろホントに複雑な気持ちではあったんですけど…
「大変になるし、音楽する暇とか、余裕とかはないな」と思って…
あと、みんなモチベーション下げてしまったっていう気持ちもあったし、一回ここで諦めます。
なるほど。でもそうね、今のAwichの語りの温度を聞いてても、すごく思ったけど…
「やっぱりこうする、わたし」っていう、ちっちゃい頃から…
ずっとそれを貫き通して来てるから「だって、わたし好きになったんだもん」っていう…
そういう感じだったと思います〜笑!
すげー理解できる。
ありがとうございます。そういう感じでしたね。だから、道はなくなってしまったっていう気持ちはあったんですけど…
その当時はね…
そう。もちろん、ずっとリリックとかは書き続けていたし…
いつかは、もしかしたらっていう気持ちは、もちろん持っていたんですけど、実際の活動としては、もうストップしてましたね。
でもその人を好きになったり、家族が増えたり、命を授かったりとかした後に…
生まれて来るリリックだったりとか、視点だったりとか、今までムカついてたけど…
「これって、すげーことじゃん」っていうのは、若干変化ありました?
ありました。ありました。ありました。そこでホントに気づいたこととかを日記だったり…
リリックだったりには必ず書き留めるようにはしてたんですけど…
やっぱり例えば昔、親に対しての怒りとか、ムカつきとかをいっぱい書いてたけど…
子供が生まれた瞬間に「うわ〜!この子を無償に愛する」っていう気持ち…
何か今まで例えば、誰かを好きになるとかいう気持ちって、駆け引きだったなっていうのに気づいたんですよ。
「相手もわたしのこと好きかな?」とか「好きじゃない」だったら…
「わたしの好きも見せない」とか「わたしの愛も見せない」とかいう駆け引きだったんだけど…
娘に対しては、無償の愛というか「こいつがわたしのこと、どう思おうと愛せる」っていう…
「最初に恐れずに誰かのことを愛してるっていう気持ちって、こうだったんだ」とか…
笑って、そういう風にいま思えば、どんなにわたしが反抗しても、そこにいてくれるし…
何かそういう愛っていう存在をいま知ったみたいなこととか書いたりしてます。
そういうのがな、だからタイミングと時間が必要なときも、きっとあるだろうし…
Awichにとっては、そのタイミングで、そういうことをもう実感する、実感できるタイミング…
まぁ音楽っていう、そのライフワークの中での音楽っていうのは、一瞬…
ストップしてたけど…
うん。ブレイクはあったかもしんないけど、それが必要なブレイクだよね。
まぁそうですね。必要なブレイクだったかもしれません。
それで、学校が何かわたしの一つの刷け口というか、エスケープだったので…
学校は辞めずに、ずっとマーケティング、起業学を学んでたっていうことですね。
それでね、ちゃんと学士号を取り…
はい。
すげーな〜笑!
最初は、起業家、パートナーシップっていうコースだけだったんですけど…
何か終わる頃に「あと何個かのクラスを追加するだけで、マーケティングもW専攻で取れるよ」って言われて…
「おい!やっちまいな!」って、両方取りました〜笑!
「木村拓哉 Flow」TOKYO FMをキーステーションに全国38局ネットでお送りしてきました。Awichとのトーク、来週で最後です!お聴き逃しなく!
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まだまだ気を抜かず、体調管理も意識して、相手を想いやって、一緒に乗り越えていきましょう!PEACE&STAY SAFE!木村拓哉でした!
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やっちまいな feat. ANARCHY
Awich
Yellow Summer
Kenichiro Nishihara