この小説はフィクションです。実在の人物、企業、薬とは一切関係ありません。

 

 

まーしゃ:「ニューヨーク州で新型肺炎に川崎病と同じ症状が出てるんだってな」

 

舞   :「うん、数百人だって?相当まずい」

 

まーしゃ:「何がまずいんだ?」

 

舞   :「そもそも川崎病って知ってる?」

 

まーしゃ:「そりゃ、昔昭和の時代にスモッグがひどくて川崎市で流行った喘息だろ」

 

舞   :「はあ、全然違う。川崎市は全然関係ない。川崎医師が発見した難病で後遺症として動脈瘤ができてしまう子供の疾患。治療法がないの」

 

まーしゃ:「え?」

 

舞   :「そして、動脈瘤が破裂したら一巻の終わり。それ以外に、動脈瘤が尿管圧迫したら腎炎になり多臓器不全一直線」

 

まーしゃ:「そんなに恐ろしいのか。川崎病って」

 

舞   :「うん」

 

まーしゃ:「本当に治療方法はないのか?」

 

舞   :「キロニーネの大量投与か、その後継薬デクサローゼの投与」

 

まーしゃ:「それって『トリックエンジェル』に出てくる架空の薬だよな」

 

舞   :「うん、現実にはないの」

 

まーしゃ:「じゃあ、かかったらおしまいか」

 

舞   :「もし、動脈瘤ができちゃったらかなり厳しい」

 

まーしゃ:「で、どうやって治す?」

 

舞   :「しつこいの。治す方法無い。自然治癒に任せるしか」

 

まーしゃ:「で、どうやって治す? これは架空小説だから大丈夫だ」

 

舞   :「ふう、高力価グロブリンの大量投与とステロイドの投入」

 

まーしゃ:「ほーら、あるじゃないか」

 

舞   :「エビデンスが足らないから、認められていないけどね」

 

まーしゃ:「科学的には?」

 

舞   :「サイトカインストームつまり免疫暴走による炎症だから、炎症抑制するステロイドは有効のはず。そして免疫暴走に対して免疫寛容をつくる高力価グロブリンの大量投与は普通の川崎病には有効性が実証されている」

 

まーしゃ:「大量投与ってどれくらい?」

 

舞   :「一本2万円の高力価ブログリンを60本?」

 

まーしゃ:「120万円?!」

 

舞   :「大丈夫。国民皆保険の国なら保険が降りる」

 

まーしゃ:「つまり、万が一かかったら高力価グロブリンとステロイド投与で治ると」

 

舞   :「理屈ではね。当然エビデンスがないけど」

 

まーしゃ:「アビガンと一緒でエビデンスか」

 

舞   :「それと、新型肺炎の抗体を持っていない高力価グロブリンだったら意味がないかもしれない」

 

まーしゃ:「うわ~、さらに厄介だな」

 

舞   :「なので、かからないのが一番。子供がかからないとか言って油断すると危ない。特に幼稚園児とか小学生要注意」

 

まーしゃ:「今の話はエビデンスがないことが重要だな」

 

舞   :「うん。あくまで架空小説の話。うのみにしないでほしい。でも、きちんと調べれば理論に基づいてることがわかるはず」

 

まーしゃ:「そう、架空小説の話だ。うのみにしないでほしい」

 

舞   :「緊急事態宣言が解除されそうだけど、子供であっても、3密をさけるとかキープディスタンスは重要だと思う。ニューヨーク州で変異してる可能性もあるからね」

 

まーしゃ:「まあ、大人は口内アルコール消毒で大丈夫だけどな」

 

舞   :「パパの論拠のもとになってたウォッカを飲むロシアで感染しないはくずれたからほどほどにね」

 

まーしゃ:「はいはい」