部屋がゴミ屋敷のようになってしまったり、そうまではいかなくても物に溢れてしまう人々の心理的傾向を見ると
【鬱(うつ)状態】
で、あることが多いものです。
ちなみに鬱(うつ)とは…
うつ病(うつびょう、鬱病、欝病、英語:Clinical Depression)は、気分障害の一種であり、抑うつ気分、意欲・興味・精神活動の低下、焦燥(しょうそう)、食欲低下、不眠などを特徴として、著しい苦痛や機能の障害を伴う精神疾患である。
というように、鬱(うつ)とは、いわゆる精神病に部類されるもの。
心の秩序が乱れていくことで、何かをしようと思う意欲が劇的に低下していき
・自分の人生に絶望したり
・他者との関わりを極度に避けるようになったり
・自信を失い気力が低下して引きこもる
ようになってしまいます。
これを違う角度から見てみると
【自分でコントロールできること】
が、少なくなっているときと言い換えることができます。
自分の人生を、自分で舵取りができなくなっている状態ですね。
ちなみに、ここがかなり重要なポイントなので、もう一度言いますが
部屋が荒れていたり
鬱(うつ)状態になっていたり
引きこもっていく一番の原因は
自分の人生を、自分で舵取りができなくなっている。
という要因があるのです。
ここを抑えずして自分を変えようとしたり
そういった相手を良かれと思って変えようとすると
間違った方向へと進んでしまいます。
よく、学校へいかなくなって家に引きこもってしまう子供に対して、無理矢理にでも学校に行かせようとしたりするケースも少なくありません。
また、そうまではいかなくても外に出る事の良さを伝えて
引きこもることが悪くて
外に出ることが良いことである
という観点で、関わろうとしてしまうケースが多いのですが
それが逆効果になってしまう理由も
自分の人生を、自分で舵取りができなくなっている。
ことを、理解しないまま関わってしまうから。
そもそも他人に気を遣ったり
他人に合わせて生きることが辛くなったり
自分の思っていることを上手く表現できないことで
自分の内側にこもるようになっているのに
また他人によってコントロールされる事があると
さらに内側にこもる作用が働くのです。
これは少し余談ですが
以前、誕生日にとても綺麗に整った観葉植物を頂いたことがあったのですが、その観葉植物がある時期から急速に枯れていくようになりました。
ほったらかしにしていた訳ではなく必要な分の水をあげたり、毎日ちゃんと関わっていたにも関わらずどんどんと枯れていくのです。
まったくもって原因が分からなかったため、近所にあった観葉植物屋さんに見てもらったときにこんな言葉を頂きました。
「これは、しっかりと手入れしていたとしても間違いなく枯れてしまいますね」
と。
「え、それはどういうことですか?」
と、お伺いすると
「植物というものは、自分が成長したいように成長できないとそれが一番のストレスになるんです。
この観葉植物を見て分かると思うのですが、人工的に育つ方向が決められて固定されているんですね。
オブジェとしては美しい形かもしれませんが、植物にとっては一番やってはいけないことなんです。
添え木程度で成長のサポートをすることは良いのですが、完全に決められた形に固定されると間違いなく枯れてしまいます。
ここを見て頂くと分かると思いますが、固定されていない部分は活き活きと育ってますよね」
と、言われたことが非常に心に残っています。
部屋が片付かなくなったり、鬱(うつ)などの精神病になるような人は
自分のことよりも他人事に意識が向く傾向にあるケースが多いものです。
親の期待に答えようとしたり
誰かのために頑張ろうとしたり
世の中の為に尽くそうとしたり。
「自分が何をしたいのか?」
を、考える前に
「何をすると他人に受け入れられるのか?」
と、先に考えがちなんですね。
自分が成長したいように成長することよりも
他人が望む自分になることを選択してしまう。
こうして常に主導権を他人に置いてしまうことで、自分の人生を、自分で舵取りができなくなっていくようになります。
先程の観葉植物にも通じることですが、
人が見て美しいと感じるようなオブジェになるのではなく
「自分が望む自分として生きる」
ことが、人生において活き活きと過ごすためにはとても重要なこと。
禅語に
「主人公」
という言葉がありますが、一般的に捉えられている物語の主役というような意味ではなく
禅語での主人公は、
「本来の自己」
のことを意味します。
本来の自己とは
生まれながらにして人間が一人ひとり持っている
主体性の中に存在する人格のこと。
と、言葉で説明すると小難しくなりますが
ようは、無邪気な子供と同じような状態ということ。