悲願のドラゴンクエスト中であります。
今回、かれこれ十年以上ぶりにドラクエことドラゴンクエスト11を購入するには訳がありして、
自分の世代では少なからずおなじ理由でこのゲームに回帰した人も多いはずです。
それは今回のドラクエが「非オンラインでもプレイ可能」だということです。
自分のペースであの世界観を体感出来る日が来たのです。
私はこの日が来るのをどれだけ待ち望んだ事か!
しかしながらこの今回のドラクエにはいくつかもの申したいことがあります。
私はドラゴンクエストというゲームに並々ならぬ思い入れがあるのです。
ドラゴンクエスト則ち”竜の探求の物語”は自分の本業の易経の本文そのものです。
竜の出現から旅だち、そして果てることなく永遠の彼方よりまた再見する物語は世のことわりの比喩でもあります。
私がひっかかっているところは大きく以下の四つです。
①肝心の易経とリンクする”ドラゴン”をめぐる荘厳な世界観が薄れている
②二大RPGファイナルファンタジー(FF)とゲームとして住み分けが出来来ておらず、完全にFF世界に侵食されている
(おなじ会社だから仕方ないにしても…)
③ストーリーと主人公を含め登場人物やパーティのキャラクター設定が安直すぎて特別に愛着が沸くまで時間がかかる
④FF譲りのしょうも無いサブイベントが多すぎるのと、リアルにもしも存在していたならば単なる雑用を簡単に仰せつかってしまう主人公のいじめられキャラにゲンナリするw
ドラゴンクエストはまさに竜の伝説とその使命を司る「伝説の勇者」の末裔の成長と世界統治の物語。
旅を経て学び仲間を持ちリーダーなり、そして世界を救う伝説になるお話しです。
まさに「易経」そのものなのです。
易経を踏襲したと私が感じる部分、
・橋を渡ると敵が強くなる
(易における三爻四爻の危うきところ、準備を怠って外卦世界にうっかり出かけてしまうと大やけどするよという教訓)
・物質的なことを望めば細かいタスクが多い
(陰爻が多ければ雑務多数)
・総てのデザイン・登場人物に意味があり無駄がない
(象・彖傳ともに意味があり、衍文少ない)
・強くなりすぎると総てのモンスターリストをコンプリートするのが困難になるので時期を見て仕事しないといけない
(亢龍悔いあり、上爻は退く時期を逸した孤独な世界なので極めすぎると誰も相手にならず居場所がない)
中途半端な子供だましの格闘ゲームと化していることが残念です。
まったく頭も使わなければ記憶力も駆使する必要もありません。
わりと簡単にお金も貯まっちゃいます。
易経すなわち龍の冒険の物語があるべき地道な価値観、全く無視。
なんとか次作は大人をうならせる深いストーリーと旅の目的が欲しいところです。
②についてですが、
俺のフレンチと俺のイタリアンが住み分け出来ない感じ(???)と申しましょうか、
私はFFことファイナルファンタジーというRPGゲームも大好きです。
FFにはドラクエとは違う趣があり、設定されたキャラクターやストーリーを自分のペースで進めていくことで時々イベントが起こる劇場型のゲームです。プレイヤーはストーリーのイベントまでの運び役に過ぎません。
しかしながらその荘厳な世界、音楽、美しいビジュアルや豪華な声優陣などは圧巻であり下手な映画の何倍もスペクタクルです。
では何が私的に問題かというと、別段、ドラクエファン(の私)は美しいビジュアルや豪華な声優などは求めもいないのです。
鳥山明氏節がふんだんに効いた2D画像。
もしかして2頭身のままでもいいのです。
その分ストーリーや裏の世界、第三の世界などそっちが膨大のほうがいい。
ファンタジー作品の中で時に非道で時にユーモアに溢れ、何処にでもあるリアルな人間生活と変わらない、
意外にも現実的なことがゲーム中も起こるのです。
それでこそ自分が主人公になって目的を果たそうという意欲が沸くのです。
FFに浸食されていると思う部分はストーリーに関係無い無駄な住民がうじゃうじゃいることや戦闘のスタイルやスキルパネルなどFF概念をドラクエにも持ち込んできたためドラクエ特有の空気が薄れてしまっているのです。
かつてのドラクエは誰一人として無駄なまちびとは居ませんでした。台詞があるものにはそれなり意味があった。
サマディ城下町の馬のレースはチョコボレースのプログラムをそのままアレンジしたであろうやっつけ的な無駄サブイベントと思いましたし。
私はFFとは別のゲームとしてのメリハリを感じたかったのです。
ヨッチ村(FF9におけるモーグリか?)を作るぐらいならダーマの神殿や最終飛行体を手に入れてから改めて発見されるようなドラクエの世界観がふんだんな村や街や狩り場なんかを充実させて欲しかったというのが私の感想です。
っていうか転職出来ないのですか!?
「未だ修行が足りん、出直してまいれ」が聞けないなんて。
「返事が無いただのしかばねのようだ」や
「くりくり(私のプレイヤー名)は墓石を読んだ。しかし裏側だった!」も無いようです。
ただし天上に頭をぶつけたは健在で安心しました。
③についてですが、
まあゲームですから唐突に主人公が特別扱いされる場面があるのは当然のことでもあるのですが、
もっと心を動かす説明が必要だと思うのです。
これではなんのリスクや説明もないままきびだんご渡されて鬼退治についてきてしまう頭の悪い動物たちと変わらない。
まがいなりにもパーティは各界!?のスペシャリスト達であり、選んだ選ばれた、生まれ持っての使命だった、勝手についてきちゃった等々理由はそれぞれありますが、そういった人間が他でもない勇者と旅をするあの「枠」を飾る選ばれし自分以外の7名の理由がもっと欲しい。
最後の砦を訪れると生き別れて死んだものだと思っていた娘と16年ぶりに父子再会の感動シーン、ムービーも起きなければ変哲のないスーパーが出るのも雑さが極まりない。
ちなみにLGBTという性の理解と普及を目的としてのことか解りませんがパーティに「おとめなおじさん」が居ます。
仲間達におねえさんと呼ばれています。
文字通りのお姉キャラです。
時代なんでしょうね。愛すべきキャラクターで私は支持します。
スケベなおじいちゃんがいるのも良いですね。
④についてですが、
本当に辟易するような雑用だらけです。
やっつけ的なタスク作らないで欲しい。本当に意味の無い雑用を遂行するに当たっても無駄な縛りが多く、暇つぶしにしても価値のないオーダーばかりなのです。
私は総てのパーティをレベル99までしてアイテムも討伐モンスターも小さなメダルもコンプするほどのドラクエにおいてはやり込み派ですが、FFは途中で心折れるんだよね、それとおなじ事が今回のドラクエでも起こっています。
と、長々と私なりのドラクエ愛を語りました。
お騒がせしました。でも言わずにはいられなかったんです。
皆さんの意見は如何ですか?
ドラクエ7あたりでスクエアとエニックスという会社の上下関係を見たような気もしたのですが、ドラゴンクエストというスーパー国民規模ゲームをもってしても会社の大きさや力関係によってかき消される伝統もあるんだなあと。しみじみ思いました。
追記:これ今回のシリーズからか前からか知りませんがボス戦の音楽が駄作すぎるwww