人生は「自分をどう定義するか」で決まる。 ロバート・フリッツ『自意識と創り出す思考』
■「思考の本」ではなく“構造の本”ロバート・フリッツは全米の企業・組織改革で使われる“構造思考の第一人者”。この本の核心はひとつ。行動を決めるのは「性格」ではなく“構造”である。「やる気がない」「続かない」「変われない」これは意志の問題ではなく、“自意識の構造”が原因。つまり、人生は“内側の設計”を変えれば変わる。■自意識(アイデンティティ)とは何か?フリッツはこう定義する。自意識=「自分は何者か」という自己定義。この“自分への定義”が行動・思考・選択の全てを決めている。例:・「自分は失敗しやすい人間だ」・「自分は継続できないタイプだ」・「自分は運が悪い」こう思っている限り、行動はその定義に沿って動き続ける。逆に、・「自分は創造する人間だ」・「選択する側だ」・「望む未来を作る側だ」と定義すれば、思考も行動も変わる。■フリッツの最重要理論:構造が結果を生む人は“構造”に従って動く。決意やモチベでは動かない。構造とは「ゴムが引っ張られるような力学」。フリッツは人生を“テンション構造”と呼ぶ。●望む状態 ↑(引き寄せ力)●今の状態 ↓(元に戻る力)両者のズレが大きいほど“引き戻し”が強くなる。だから、・ダイエットが続かない・勉強が続かない・新しい習慣が身につかないのは、あなたの性格ではなく、構造上「元の自分」に戻る設計になっているから。■どうすれば「戻らない構造」にできるか?フリッツの答えは非常にシンプル。→ 自意識そのものを変えるつまり、「自分はこういう人間だ」という設定を変えれば行動の引き戻しが起きなくなる。これが“自己創造の中心技術”。■自意識を変える3つのステップ①ゴールではなく「望む状態」を明確に描くフリッツはゴール設定を否定する。理由:ゴールは未来。行動は“今の自意識”が決めるから。必要なのは、望む状態=Being(在り方)例えば、・自由に生きる人・創造する人・人を導く人・富を生み出す人これが先。②「現状とのギャップ」を正確に見る自己啓発ではここを避ける。しかしフリッツは逆。現状を冷静に直視せよ。現状を見ると“テンション構造”が生まれ、変化のエネルギーが発動する。③小さな行動で「望む状態の自分」を証明する人は“証拠”で自意識を更新する。・毎日ほんの少し進む・望む状態の自分がやる行動を1つやる・自己証明を積み重ねるこれが構造を再設計する。■「創り出す人間」になれフリッツは言う。人は「反応する生き方」か「創り出す生き方」かの2種類しかない。反応する人:外部の出来事に振り回される。創り出す人:望む状態から行動する。この本は、後者の“自己創造者”になるための教科書。■人生は“自意識を再設計すると”劇的に変わるフリッツのメッセージはこれ。人は思考で変わらない。人は“自分をどう定義するか”で変わる。性格でも努力でもない。あなたが「どんな人間として生きるか」この設定を変えるだけで・行動が変わる・習慣が変わる・出会いが変わる・環境が変わる・結果が変わる人生は“設計可能”。それを科学的に説明してくれる本。自意識(アイデンティティ)と創り出す思考ロバート・フリッツ (著), ウェイン・S・アンダーセン (著), 田村 洋一 (監修), 武富 敏章 (翻訳)