少し前に、俺が暮らす州のマスク着用規制が解除された。
もちろん、コロナは収束したわけではないので、引き続き”奨励”はされるものの、明らかに人々の顔には明るさが戻ってきた感がある。

アメリカよりも若干保守的な雰囲気があるカナダなので、まだ屋内でショッピングの際にはマスクを着用している人々も少なくはない。
アメリカは地域によるだろうけれど、メジャーリーグの中継などをご覧になれば分かるように、とりわけ屋外でのマスク着用者は皆無に等しい。
こちらからカリフォルニアへ旅行へ行った友人も驚くほどの非着用率だったらしい。

俺は、マスクの着用規制が解除されたら、多くの人がすぐにマスク無しの生活に戻るだろうと思っていた。

大きく理由は2つある。

1つ、そもそもカナダでは、コロナ以前にはマスクを着用する習慣が全くと言っていいほどなかったから。
そして、日本では、特に春先の花粉対策、冬期の風邪予防にマスクをしていたような日本人も、カナダに来ると他者の視線を気にして、マスク無しの生活を送るというのが当たり前だった。
ちなみに俺は、この20年近く、コロナ以前にはマスクを買ったことは一度もなかった。

2つ、北米の人々は、歯に高額を費やす傾向がある。
これは何もセレブだけではなくて、一般的なこととして、大人の歯が生え揃うと矯正をして、歯並びを整えることは珍しいことじゃない。
とにかく、口元の見た目を非常に気にするのだ。
なので、北米で人々が写真を撮る際には、証明写真を除いて、白い歯を見せてニッコリというのは、男女に関わらず自然にやってのける。

その白く整った歯が、マスクによって隠されているなんてガマンできない!という人は決して少なくなかったはずだ。

歯を漂白するのはまだ理解できる。俺も実はやってみたい。
けれど、ケツの・・おっと失礼、肛門の漂白にそれなりの大きなマーケットがあることは驚きである。
こちらの「なんでも漂白してまえ」は、日本で言うと「なんでも抗菌してまえ」に似ているかもしれない。

一方、どうやら日本ではマスク着用の規制などはないようだ。よね?
けれど、SNSや、YouTubeなどを観ると、屋内屋外に関わらず、ほぼ100%の割合で今でも人々がマスク着用をしている。
そして、よく目にするのが次の文句

「写真を撮る際だけ、周りに気をつけてマスクを外しています」

これって、つまりは、それだけ互いが互いのマスク着用を監視し合っているというふうに捉えられるんだけれど、どうでしょう?

この文句を見るたびに、ちょっと悲しく・・いや、ここはストレートに表現しよう。

「そんなに他人を見張らなくても・干渉しなくてもいいじゃない」

と。

アーティストの大黒摩季さんも『FIRE』の中でこう歌っているよ。

生きていかなきゃしょうがないでしょう。
たとえ社会が狂っていても

そんなことより
あなたが食べる ラザニアのチーズが見つからない

と。

マスク自体に非は一切ない。

問題は、それをするか、しないか、それによって人と人とがいがみ合ったり、苦しめ合ったりすること。
そんなことを見たり聞いたりするのは、俺はもうお腹いっぱいなのだ。



ちょっと小旅行ヘ行ってきた
うーん、リフレッシュ!