6/29 おはクラ放送後の呟き | マーシー山本教授のゆるゆるクラシック日記

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今回はショスタコーヴィッチ作曲のヴァイオリン協奏曲第1番を取り上げました。

そこで今回は、20世紀を代表するロシアの作曲家のショスタコーヴィッチ を取り上げます。

 

ショスタコーヴィッチの活動はソビエト連邦の政治的な圧力と深く関わっています。

ショスタコーヴィッチの音楽とソビエト政権との関係は複雑で、多くの興味深い点があります。

**プロパガンダと忠誠の要求**:
ソビエト連邦は芸術家に対して社会主義リアリズムに基づくプロパガンダを期待しました。

ショスタコーヴィッチも例外ではなく、彼はしばしば政府の方針や期待に応えるものも作曲しましたが彼の真意ではありません。

**批判と再評価**:
ショスタコーヴィッチは、1936年に発表したオペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』がスターリンの怒りを買います。

周りの音楽関係者からも批判されました。

その後は、彼の作品は政府から厳しく監視されるようになります。

しかし1940年代後半には再評価され、再び作曲活動が公にできるようになります。

**内なる抵抗と二重性**:
しかし、ショスタコーヴィッチの作品には、政府への表向きの忠誠を示しつつも、暗黙の批判や皮肉が込められています。

彼の交響曲や弦楽四重奏曲などには、個人的な苦悩や政治的な抑圧に対する暗示が含まれています。

**公的な地位と私生活**:
ショスタコーヴィッチはソビエト連邦の公式な音楽家として、多くの栄誉を受けましたが、私生活では多くのストレスや恐怖にさらされていました。

彼の友人や家族の多くが政治的な迫害を受けたこともあり、彼自身も常に逮捕や迫害の危機にさらされていました。

**後世の評価**:
ソビエト連邦の崩壊後、ショスタコーヴィッチの作品や生涯に対する再評価が進み、彼の音楽には政治的なメッセージが多く含まれていることが明らかにされました。

彼は単なる政権の従順な音楽家ではなく、内心では反抗的な態度を持ち続けた人物として認識されています。

これらの点から、ショスタコーヴィッチとソビエト連邦の関係は単純な従属関係ではなく、緊張と抵抗、適応と創造の中で形作られたものであることがわかります。

 

今回の動画

https://youtu.be/2BRKxeZsjnY