前回記事 応用的会話法① 確認について
≪会話例を通じて≫
会話の場面は、女性会社員Aが同僚の女性会社員達と連休に韓国旅行に行くのを取り決めていた時に起こったトラブルです。
聞き手は男友達Bです。
A「こないだ会社の人と旅行のことでもめたの」
B「そうなんだ・・・どうして?」
A「仲良しの社員ばっかり5人でGWに韓国旅行に行こうって話をしていたの」
B「うんうん」
A「そしたら、旅行を取り決めしてたリーダー格の子が、高校の同窓会ができたから行けなくなったって」
B「あーそうなんだ・・・」
A「でもその後が問題でね。残った4人の内の2人が『私達韓国に行ったことあるから行きたくない。せっかくだからバリに行きたい』って言いだしてね。リーダー格の子がいなくなったからやりたい放題してくれちゃってさ」
B「うんうん」
A「それが2週間前の話なの。そこから1週間たってから、リーダー格の子が『同窓会無くなったから韓国旅行にいけるかも』って戻ってきたの」
B「あらまあ・・・」
A「そしたらね」
B「ちょっと待って。それってリーダー格の子が戻ってきたのが今から1週間前だよね」 ←確認
A「ええ」
B「4人で韓国旅行の計画してたけど、リーダー格の子が同窓会を理由に不参加になった。さらにその後に2人がバリに行きたいって言いだした。ここまでが二週間前の出来事?」 ←確認
A「うん そうよ」
B「そしたら、リーダー格の子が同窓会がキャンセルになったから韓国旅行に行こうって戻ってきた・・・そしたら・・はいどうぞ」←確認
A「そしたら、バリに行くって言いだした子たちがいたじゃない。その子たちがやっぱり韓国旅行に戻ろうかとか言ってきてね。」
B「あははは(笑) 戻ろうと言い出した。はい」
A「私たち韓国組に『やっぱり旅行は大人数で行きゃなきゃだめよね』って言って戻ろうとしたの」
B「しらじらしいね~」
A「そしたら、すかさずリーダー格の子が『旅行は行きたいと子に行きゃなきゃだめでしょ?バリに行ってきたら?』って言ったの」
B「あ~、さすがリーダー!!手のひら返しをした人達にバチッと言ったわけだね。うん、そしたら?」←確認
A「バリ組の子が『最近ウォンが安いから、いまのうちに行っておきたくなったの。それに5人の中で一番韓国に詳しいのは私たちだから、皆を案内もできるわ』って」
B「あら~うまいこと丸めこんだね」
A「まあ、確かに案内できる人がいた方が心強いから、結局OKにしたんだけどね」
B「そうなんだ~。大変だったね~」
≪確認とは≫
Aの会話を聞いていると、
2週間と1週間という二つの時間が設定されていました。
韓国とバリという二つ地名も出てきましたし、
「リーダー格の子」という長い名前の登場人物もいました。
実際の会話ではこれぐらいの情報を出されると、
聞き手側も全てを処理するのが難しくなってきます。
そこで必要となってくるのが「確認」です。
話の途中にBは確認を割り込ませてきます。
B「ちょっと待って。それってリーダー格の子が戻ってきたのが今から1週間前だよね」
確認とはこのように、
時間と場所、登場人物などの事実関係などを相手に確認することです。
この確認作業の結果、
Aの話の流れはとめられてしまってますが、
Aの胸中は非常に穏やかなものなのです。
それはBが本気で話を聞こうとしているからこそグイグイと質問をしたり、
内容の確認をしたりする攻めの体勢になっているのが伝わるからです。
≪確認をしてもらえた相手の胸中≫
B「4人で韓国旅行の計画してたけど、リーダー格の子が同窓会を理由に不参加になった。
さらにその後に2人がバリに行きたいって言いだした。ここまでが二週間前の出来事?」
Bはさらに内容を確認していきます。
このように確認をすれば、相手にとっても休憩になりますから、
話し続けて早くなりすぎたペースを一度リセットすることができます。
話し手にとって、ずっと自分ばかり話し続けていると
「自分ばっかりしゃべってしまっている」と孤独になることがあるのです。
この確認をしてもらっている時の間は
「この人はちゃんと私の話に興味を持ってくれているんだ」
と感じるとることができ、とっても楽しいものなのです。
≪確認を終えたい時≫
B「そしたら、リーダー格の子が同窓会がキャンセルになったから韓国旅行に行こうって戻ってきた・・・そしたら・・はいどうぞ」
確認作業も終わって会話を再開する時に
一言「はい、どうぞ」といってあげると相手はスムーズに会話をできるんですね。
≪まとめ≫
確認すれば、自然な流れで話を整理整頓できる
確認すれば、相手は「自分ばっかり話をしている」という孤独感から解放される
この「確認」は自慢系の話にも効果を発揮します。
次回 応用的会話法③ 自慢話には確認が効果的! につづく