身抄録

カーテンを開けることさえしないから
夜明けが白いことも忘れてる
冬至の過ぎた後に
夜明けが一番遅い日がやってくる
昼が短い「冬至」
実は既に「日の入り」は遅くなり始めている
日記が歳時記めいて
あとは珈琲と煙草の数
お酒を少々

自分の
今の顔も年齢もピントこないのさ
何処かしら今でも
何処からか突っ走ってる途中のつもりがあって
多分時の流れの風月にさらされて
刻まれたことに自覚がないのか
記憶が薄れてる

毎週金曜日
健康診断の週以外は
植物園にばらを見に行って
帰りに深大寺ビールを飲んだ月が
先月ではなくて
10月27日金曜日は十三夜で
まだまがりなりにも秋だった

けれどもキキョウの最後の一輪が
11月の四週まで咲いていた

珈琲を淹れるのが遅くなって
夕方4時に淹れた
ちゃんと眠れるかも疑わしい

春も過ぎ夏も過ぎ
秋も過ぎ冬になった
静かにさようならを云わなければ
ならない

冷たい冷蔵庫のように
乾いた言葉
自分は不可思議な生命体に
なってしまったのだろうか
唇が切れる前に
クリームを塗っておこう

2023-12-01〜03 @yoshifumi_








「身辺抄」ではないか