6年前、僕は本当に孤独だったと思う。
うーん、孤独だと思いこんでただけかも知れないけど、
その思いこみで自分の首を絞め続けていた事は間違いない。

当時、僕はずっと「くるり」を聴いていた。

本当に友達と呼べる人は居なかったと思ってる。
きっとそれも思いこみなのかもしれないけど
当時はずっとそう思いこんで「くるり」を聴いていた。

僕は元々、現実逃避がキライなのだ。
っていうか出来ないのです。うまく。
現実逃避を試みたところで結局は
またその問題が逃避した分、反動でやってくる。

だから そんな僕には「くるり」が合っていた。

本当に岸田繁の歌詞は
辛くて孤独だと思いこんでる自分の心を
えぐってくるような歌詞ばかりなのです。
この人は俺なのか?って思うくらいに。

そしてすっかり聴かなくなって3年くらいたちましたか
おもむろに 「くるり」をちゃんと聴いてみた。
避けていた曲とかもシッカリと聴くようにしてみた。

心がぞわーーーっとした。
孤独だったあの時の感情が急に襲ってきたけども
でも少し不思議な感覚だった。

あの時の辛く孤独だと思いこんでいた感情が襲ってくると
今、目の前の自分の状況がいかに幸せであるか
じわじわと気がつき始める。

自分がイライラしている人、
キライな人、自分を困らせる人、
今追い込まれてる仕事の事。
そんな事が有ること自体が幸せなのかもと思えた。
なんか知らないけど 優しい気持ちになれるのだ。

こうやって、「くるり」が 僕の中で復活しだした。
「くるり」のえぐるような歌詞を聴くと
優しくなれる自分が居ることを発見したのだ。

音楽ってつくづく不思議だ。
たかだか空気の振動なのに。
勝手に聴き手の人生に乗っかってきて
聴き手の心を動かしていく。