朝日とコーヒーの香りを


部屋中かき回すような


1オクターブの音の入り混じった


慌しい足音が


それぞれの世界に飛び出した朝


私はそっと隠し部屋の鍵を開ける



なんとなく心の中にに芽生えたものが


ちょっとずつ大きくなって


だんだんと


放っておけなくなってきたんだ


手放すには勇気がいる


だから


叶えたい


叶えたいんだ



小さい箱のような家の中で


今朝もまた


誰も知らない部屋の鍵を


開ける私がいる



今日も誰かが

隙間を埋めるように

指先でつぶやく

それを見た今日も誰かが

汚い色で塗り潰すように

指から文字を投げつける。

サイバーなスクリーンには

波長を合わせようとするかのように、

音のない激しい雑音が
鳴り響く。

それに埋もれまいと

確かな音を見つけようと

私は耳を澄ましてみる。

指先の音じゃなく

ほんとの声を聞く為に。


とある日のこと。

「元気だった?」って声がして、

振り向いたらキラキラ輝いた風が吹いた。

またある日、

「久しぶり。」って、低く嫌な声がして、

ゆっくりと振り向いてみたら

巻き込むように暗く湿った風が吹き込んできた。

風は

どちらも忘れた頃にやって来る。

イイ風も

ワルイ風も

自分が吹き付けてきたぶんはきっちりと

自分の元へ戻ってくる。

素直に「お帰り」って言えるようなイイ風を

私は吹かせているだろうか。