「人情紙風船」
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冒頭から、江戸長屋の風情・人々の会話がぽんぽん繰り広げられてね、
生活や文化、集まりとか商いとか往来、子供達ね、
その様子がとっても活気があって、そこにちゃんと人が生活して生きてて、
でも役者たちちゃんとカメラ位置意識して動けてるのね、
それが本当に心地よくて。
例えば今の映画だと、人の往来とか、エキストラだったり、まあ名のない役者がやるけど、
ただの背景になっちゃう。。
それが、みんなちゃんと生きててねー
これはどうやって演出してるんだろう。
やっぱり昔は「大部屋役者」とか、映画会社所属の役者たちが居て、ちゃんとヒエラルキーもあって、、自分の役割を全うして芝居して、それがちゃんと絡み合ってたり、
大部屋とか劇団(今回でいう前進座?)で一緒だから呼吸も合う芝居になるのかな、、
今も劇団の舞台とかはそうだもんねーそういう感じなのかなあ。
セットも隅々息づいて居て。
そんな人間味、江戸の匂い、日本の生活文化、みたいのを眺めながら
いいなあ、なんて観てたんだけど、音が聴き取りづらくって、物語をちゃんと追えないまま観てしまって。最後、「え?!」てなった。。
で、あらすじを慌てて検索。感想とかみてなるほどねーーー
「ペシミズム」が全体に、なんて書いてあって
本当だそうだね、「江戸の人たちの人間味がー」なーんてしかみれてなくって
まだまだ味わえてないままだったなあ。
江戸の貧乏長屋ね。
人々が生きて食べて飲んで商いして子供産んで育てて喧嘩して、、
寄り添いあって問題抱えて、
ただひたすらね。
そこにある明るさと虚しさと遁世と、
時に希望と絶望と。
それが江戸の大衆の生き様だったのかもね。
ちなみにこの作品は山中貞雄が戦地に行く直前に完成した遺作。
戦死したのはたったの28歳だったそう。
若いね、若すぎる。
ウィキを観るととてもエネルギーと好奇心と熱意に溢れ、人にとっても愛された人だったそうな。
惜しい。