「人情紙風船」山中貞雄 監督遺作 | CINEMA

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DVD鑑賞ネタ。

「人情紙風船」

 

監督 山中貞雄
脚本 三村伸太郎
原作 河竹黙阿弥
製作総指揮 武山政信
出演者 河原崎長十郎
中村翫右衛門
霧立のぼる
音楽 太田忠
撮影 三村明
編集 岩下広一
製作会社 P.C.L.映画製作所
配給 東宝映画
公開 日本の旗 1937年8月25日
上映時間 86分
製作国 日本の旗 日本
   

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冒頭から、江戸長屋の風情・人々の会話がぽんぽん繰り広げられてね、

生活や文化、集まりとか商いとか往来、子供達ね、

その様子がとっても活気があって、そこにちゃんと人が生活して生きてて、

でも役者たちちゃんとカメラ位置意識して動けてるのね、

それが本当に心地よくて。

例えば今の映画だと、人の往来とか、エキストラだったり、まあ名のない役者がやるけど、

ただの背景になっちゃう。。

それが、みんなちゃんと生きててねー

 

これはどうやって演出してるんだろう。

やっぱり昔は「大部屋役者」とか、映画会社所属の役者たちが居て、ちゃんとヒエラルキーもあって、、自分の役割を全うして芝居して、それがちゃんと絡み合ってたり、

大部屋とか劇団(今回でいう前進座?)で一緒だから呼吸も合う芝居になるのかな、、

今も劇団の舞台とかはそうだもんねーそういう感じなのかなあ。

 

セットも隅々息づいて居て。

そんな人間味、江戸の匂い、日本の生活文化、みたいのを眺めながら

いいなあ、なんて観てたんだけど、音が聴き取りづらくって、物語をちゃんと追えないまま観てしまって。最後、「え?!」てなった。。

 

で、あらすじを慌てて検索。感想とかみてなるほどねーーー

「ペシミズム」が全体に、なんて書いてあって

本当だそうだね、「江戸の人たちの人間味がー」なーんてしかみれてなくって

まだまだ味わえてないままだったなあ。

 

江戸の貧乏長屋ね。

人々が生きて食べて飲んで商いして子供産んで育てて喧嘩して、、

寄り添いあって問題抱えて、

ただひたすらね。

そこにある明るさと虚しさと遁世と、

時に希望と絶望と。

それが江戸の大衆の生き様だったのかもね。

 

 

ちなみにこの作品は山中貞雄が戦地に行く直前に完成した遺作。

戦死したのはたったの28歳だったそう。

若いね、若すぎる。

ウィキを観るととてもエネルギーと好奇心と熱意に溢れ、人にとっても愛された人だったそうな。

惜しい。