「西鶴一代女」
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田中絹代さんの、
貞淑で男を立てるもったりとした風情と、何事も許さない意思あるプライド、
この人間性のようなものが滲み出たおはるさんだから、
この悲惨な人生も目を覆わずずっと見守りたくなる感じになる。
まどかさんみたいー
所作も本当に美しくて、きちんと魅せてくれて、
昔の女優さんはほんとう、芸事に長けた方だったのだな、と。。
本当、1本自身で成り立たせる実力すごすぎ、、
そしてこの絹代さんと、素晴らしいカメラワーク、
そしてしっくりとしながらも存在感のある音楽、
これらが芸術となって、この長編を最後までぐいっと観せてくれる。
お話としては
まさにスタフィッサグリアな人生?
ドアマット症候群?!
え、好色一代男ってこんな話なの?て調べたら、
いやこちらはタイトル通りの好色な男の人生記。
ってあれ、好色一代女もあった。こっちか。
なんで好色も女となるとこう、男によって翻弄され落ちぶれてく結果になるのか。
男性が自分がいいように利用してるくせに、その結果、貶めて拒否する。
これ、時代とはいえ、じゃあこの映画作られた時、男性はどんな感想だったのかしら。
カメラの長回しすごいよね。
入念にテストしてから回すのかな。
そしてアングルと追うスピード感が、この人生を覗き見てるような感じで、物語への感情移入を誘う気がする。
こんな素晴らしい撮影なのに、「平野好美」という方はウィキないのね。
これが唯一の溝口作品だそうな。
途中の人情浄瑠璃?しかり、音楽といいい
この映画は歴史的に残される芸術、ということは文句ないと思います。