29.大場つぐみ・小畑健:バクマン。5
「デスノート」のゴールデンコンビによる漫画界の内幕を描く青春群像劇
- バクマン。 5 (ジャンプコミックス)/大場 つぐみ
- ¥420
- Amazon.co.jp
最初、本屋の店頭で「バクマン。」のコミックの広告を見た時、すぐに1,2巻を買いました。やはり、原作大場つぐみ、漫画小畑健のという「デスノート」のゴールデンコンビ復活のインパクトは大きかったです。そして、それからは毎週少年ジャンプをチェックし、毎号買うようになりました。実は「少年ジャンプ」を買うのはそれが生まれて初めてでした。それほどまでに、期待感があったのです。小畑健の絵は、とうに完成の域に入っています。しかし、同時にいくつかの疑問点も感じました。それは、まあ、後で述べることにします。
(4巻までのあらすじ)
中学生だった真城最高(もりたか)は、絵の好きな少年だった。授業中にこっそり描いていた彼の絵を見たクラスメートの高木秋人(あきと)に一緒に漫画家にならないかと誘いを受ける。迷っている最高に、彼がひそかに恋している亜豆美保(あづきみほ)に告白するので、同行を求められる。釈然としないままついてゆく最高。だが、秋人が告げたのは二人で漫画家になるということだった。自らも声優を目指していた美保は、賛意を示すが、その場の弾みで最高は美保に二人の夢がかなったら、結婚してくださいと告げてしまう。実は最高に思いを寄せていた美保もそれに同意する。二人の夢とは、秋人と最高の漫画をアニメ化まで持ってゆき、その主演を声優として美保が演じるというものだった。
かくして三人の夢のレースは始まった。秋人と最高は、「少年ジャンプ」への原稿の持ち込みの後、三人の夢をのせた亜城木夢叶(あしろぎむと)のペンネームで、作品を発表することに成功する。そして、美保も声優デビューを果たす。「高校を卒業してから」と難色を示す編集長も、先までの原稿やネームを描く熱意により説得し、ついに「疑探偵TRAP」の連載にこぎつけた二人だったが・・・他方、美保もアイドル的な扱いで写真集を出そうとする事務所の思惑に頭を抱えてしまう。
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意欲に満ちた秋人と最高を待ってたのは、思いも寄らぬ担当の入れ替えだった。
前任の服部に絶大な信頼を受けていた二人はショックを受ける。新しい担当となった港浦(みうら)は、威勢だけはよいものの、編集者としてのキャリアも浅く、二人は頼りなさを感じてしまう。
だが、三人のアシスタントの採用とどんどんと話は進み、毎週出るアンケートの結果に一喜一憂する日々、港浦のいうように、今の路線のまま行ってよいのかどうなのか、疑心暗鬼にかられる日々が続く。
新年会の席上で会ったサラリーマン漫画家の平丸一也の登場に密かな脅威を感じる二人だった。
他方、一足遅れでデビューした蒼樹・中井のコンビも解消の危機にさらされ、中井は思い切った行動に出る。
そんな折、最高のもとに美保から写真集の件で、メールが寄せられる。その内容に驚く最高は・・・。
トップランナーを走り続ける天才新妻エイジ、遅れて連載に加わった福田真太、さらに平丸、蒼木・中井を加え、デッドヒート状態になる「少年ジャンプ」誌上。果たして、アンケートのゆくえは・・・
お勧め度:☆☆☆★ 79点
書名:バクマン。5 原作:大場つぐみ 漫画:小畑健 出版社:集英社 2009年11月刊
多彩なキャラクターが目白押しで、作画も緻密かつ変化に富んで飽きさせないストーリー展開。
それでも、ある窮屈さを感じてしまうのは、私だけではないでしょう。それは活動の舞台が「少年ジャンプ」誌上に限られていること。原作と漫画を描く二人のコンビが、同じ原作と漫画を描く少年を描き、さらに編集の内幕を描くということは、いわばタコが自分の肢をかじりながら漫画を書き進めるのも同然の行為です。いかに、大家で長期連載を保証されているとは言え、同じアンケートにさらされつつ、アンケートに一喜一憂する漫画家たちを描く私小説型リアリズムには、どこかしら肌寒いものを感じてしまいます。それでも毎週読まずにはいられないのが、このゴールデンコンビの力量でしょう。
もう一つ、窮屈なのは小畑健の作画の細かさです。連載時には気にならなくても、このサイズのコミックに縮小コピーをかけられるとさすがに読むのがきついです。