「ダメ…だった?」
翔が俺をのぞき込む。
まん丸な瞳にがっかりと肩を落とした
俺が写っている。
「なかなか難しいなぁ…」
苦笑いをした俺をふんわりと包み込む翔。
その胸に顔を埋めながら翔の匂いを吸い込み
ゆっくりと背中に腕を回す。
「まだ始めたばかりだよ。焦らないで。」
いつの間にか俺よりも大人になった翔に
少し戸惑う。
そうだよな。
始まったばかりなんだ。
健さんと剛くんの為にも。
ゆっくりと顔を上げ翔を見つめると
にっこりと笑いくちびるが重なった。
俺たちもいずれは結婚したい。
その道しるべを作ってくれるふたりを
全力で応援したい…
そう思いながら深くなっていくキスに
俺たちは堕ちていった。
つづく…