「さくらは預かってるだけ。ちゃんと
パパに返さなきゃ。でしょ。」
雅紀は俺の腰に腕を回して
「僕は翔ちゃんさえ居たらいいの。」
そう言って軽くキスをした。
雅紀はさくらを受け取りおんぶしてから
俺に抱きつきもう一度キスをする。
そのまま少し濃厚にくちびるを重ね
ゆっくり離れると
「翔ちゃんは?僕だけじゃダメ?」
首を傾けながら俺に聞く。
そんな雅紀をさくらごと抱きしめ
「俺は雅紀だけ居たら何もいらないよ。」
「ん。ありがとう。じゃ帰ろうね。」
ふたり手を繋いで家路に着いた。
「遅くなっちゃったけどさくらお風呂に
入れなきゃね。」
「そうだな。俺が入れるよ。」
翔ちゃんがお風呂に入れてる間に僕は
色々支度をする。
翔ちゃんったら色々考えてくれてるんだなぁ。
でもふたりの子供ならほんとは欲しい。
そんな事は無理なのわかってるから…
僕はこれからも翔ちゃんさえ居たら
それでいいの。
「さくら上がるよ〜。」
「はーい。今行くねー。」
ひとときの家族ごっこが出来て
僕は嬉しいんだから…
つづく…