こんばんは。

アルビシンガポールの加藤です。

 

今日は、指導者の言うことを聞かない子をどう扱うかというテーマです。

 

ある日のA君。

練習中のやる気が低く、声をかけても全然反応しない。

自分のやりたいプレーはするが、守備などはあまりしない。

練習中に声をかけるも無視をする。

 

A君の中でいろいろ気に食わないことがあったのかもしれません。

グループ分け、練習内容、僕の声かけなど。

 

ただ、こうした選手に対して、どう対応すべきか?

 

僕は思いっきり怒りを露わにして、悪態をつくことがありました。

もしくは、良くない点をねちねち伝え続けていた。

それによって、A君のプレーや態度が改善するかと言えば、全くしません。

 

ではどうしたら良いのか?

基本的には放っておくしかないと思います。

もちろん、全体の規律に関わることに関しては明確に注意を与える必要があります。

ただし、その子の人間性を否定したり、感情的になるべきではありません。

あくまで、その行為自体の問題点を明確に指摘して改善を求める。

しかし、全体にあまり悪影響が及ばない範囲の事項であれば、ある程度放置すべきだと思います。

 

伝えることが悪い訳ではありませんが、繰り返し伝え、指導者が感情的になることによって、A君の中で、指導者がA君のことを嫌っているというネガティブな印象のみが残る可能性があります。

そして、一度そうした思い込みが子どもの中に生まれると、それを取り消すことは極めて困難になります。

 

ただ、放っておくと言っても、A君について何も気にしないという訳ではありません。

むしろ、しっかりとA君の言動は見なくてはならない。

そして、良いプレーについては、通常時以上に褒めてあげる。

A君は何らかの事情により、深い所に落ちてしまった。

自分で出てくるのを待つことも大事だが、出てこられるようにポジティブな声かけがとても大事。

それは、指導者がその選手のことをポジティブに捉えているのだ、というサインにもなります。

 

また、そもそもそういう状況にA君が陥ってしまったことに対して、自分自身の落ち度を探すことも重要。

自分自身の指導について考え、歩み寄りの姿勢を示すことが長期的な関係において重要ではないかと思います。

指導者は皆キャラクターが違います。

人それぞれですが、僕は指導者として自分が間違うことやダメな部分をさらけ出しても良いと思います。

それが、子どもとの親近感を増し、より良い関係性を築く事につながると思うからです。

 

反対に完璧な指導者を演じた場合、指導者の言うことを聞かない子どもに対して、寛容さを示し、歩み寄っていくことが難しくなります。

子どもは些細なことで機嫌を損ねたり、気持ちが落ち込んだりすることが良くあります。

それを追い詰めるような態度をとってしまうと、非常に窮屈な環境になってしまう。

 

大人になっても感情をコントロールできないことがあるのだから、子どもであればなおさら。

子どもの持続的な成長の為にも、適度に子どもを放置して、子どもがその感情に浸る時間を与える。

指導者が全てをコントロールすべきではないし、出来るはずもない。

その上で彼がより良い状態に戻って来られるように、いつでも手を差し伸べておくことが大切ではないかと思います。

その為には、その場の言動だけでもなく、ある程度長い期間での子どもの変化に目を向けることも重要です。

それにより、指導者は子どもについて、よりポジティブに捉えることが可能になる。

長期的に見れば、間違いなく子どもは成長しているのだから。

 

それでは明日も良い1日をお過ごしください。