先日、9月28日の21時から、日本TV系で放送されました、小芝風花さん主演の土曜ドラマ「小芝風花さん主演の土曜ドラマ「GO HOME〜警視庁身元不明人相談室〜」の第10話(最終回)のネタバレ&個人的感想を。

このドラマは、警視庁に実在する部署「身元不明相談室」をモデルにドラマ化した、完全オリジナル・ストーリーです。





「相談室辞める、私、福島に行こうと思ってる」と言う、大島優子さん演じる、月本真の突然の告白に、驚き、言葉を失う、小芝風花さん演じる、三田桜。


真は「震災の爪痕が残る福島で、今も大切な人を待ち続けている、誰かの力になる為に、福島県警の採用試験を受けるつもりだ」と、桜に告げます。


止めたところで、真の気持ちが変わらない事を知っている桜は、寂しい気持ちを堪えて、真の背中を押しますが、その前に、2人には、まだやり残した事がありました。



杉本哲太さん演じる、公安部長の佐川の不正を暴き、不慮の死を遂げた、戸次重幸さんが演じた、堀口の無念を晴らす事でした。


『事件性無し』と判断された、堀口の本当の死因は、代議士の高山に突き飛ばされて、頭を強打した事が原因の可能性が高く、佐川は、それをもみ消そうとしているのでした。


黙って居られないのは、桜と真だけでなく、吉田鋼太郎さん演じる、室長の利根川と、半海一晃さん演じる、武藤も同じ気持ちでした。


堀口と同郷の、モロ師岡さん演じる、元・警察官・磯辺も、佐川が関わってきた不正について、証言してくれると言う事でした。


「これを糸口に、佐川と高山の繋がりを暴く事が出来れば、佐川を追い込む事が出来るはず!」だと、桜達は大船に乗ったつもりでいましたが、直前になって、磯辺が佐川の圧力に屈し「何も知らない!」と証言を覆してしまいました。



佐川の力を、まざまざと見せつけられる、桜達、身元不明人相談室のメンバー。


佐川と、高山の繋がりを証明する事も、高山が、堀口を死なせたという事の証明も、どちらも、不可能だと判断した、利根川は、最後の手段として、堀口の戸籍偽装を公にしようとします。


そうすれば、偽装に関わった佐川も、タダでは済みません。


「俺たちの最後の悪あがきだ!」と言う、利根川の奇策に動揺する佐川は「知らんよ、戸籍偽装なんて!」とシラを切りますが、既に、勝負はついていました。


阿部亮平さん演じる、捜査一課の手嶋の説得により、磯辺が「堀口の戸籍偽装を証言する!」と約束してくれたのでした。


更に、星野真里さん演じる、堀口の妻の由理恵も、犯罪者の家族として、世間の目に晒されるのを覚悟で、戸籍偽装の公表に納得してくれました。


さらに、高山と揉めた、都丸紗也華さん演じる、ホステスの倉田真奈美が、佐川と高山の密会場面を隠し撮りしていたのでした。


動かぬ証拠を突き付けられた佐川は、遂に陥落。


愕然とする、佐川の胸に、利根川の「お前は、堀口の正しさに負けたんだ!」と言う言葉が突き刺さります。


佐川は、堀口の戸籍偽装の全責任を認め、公安部長を退任。


これで、高山を守る盾は無くなり、堀口の家族に影響が出る事も無くなりました。


ひとまず胸を撫で下ろす、桜達、身元不明人相談室に、インター・ネット番組の取材依頼が舞い込みます。


佐川の騒動を見て、相談室の仕事に興味を持ったようでした。


番組の中で、インタビューに答える桜は「相談室への配属を希望した理由」を聞かれ、未だ、身元の分からない『命の恩人』の話をしました。


「私を救ってくれた人を、帰るべき所に帰してあげたい、そう思って、この仕事に就きました!」と。


すると、このインタビューが、思いがけない知らせを呼び込みます。


桜のインタビューを見た、山梨県の医師が「『桜の命の恩人』に会った事がある!」と連絡して来たのでした。


桜は急いで、山梨県の病院に向かい、医師に恩人の写真を見せると「間違いないと思います!」と答えた医師の記憶では、恩人は「心臓発作で、救急搬送されて来た」と言う事でした。


運良く、一命は取り留めたものの「肥大型心筋症」という、移植以外では、完治が難しい大病を患っていたにも関わらず、恩人は、いつの間にか病院から姿を消してしまい、身元が分かる物を持っていなかった為、どこの誰かは、不明だが、「これが残されていました!」と医師が見せてくれたのは『助けてくれた方へ ご迷惑をお掛けしました!』と書かれた、メモ書きでした。


メモの裏側を確認すると、それは、高速バスのチケットの半券。


千葉駅発のバスで、日付は救急搬送された日でした。


千葉から山梨へ、何の用が有ったのかは分かりませんが、難病を抱えていた恩人が、もし、千葉に住んでいたとしたなら、県内の病院に通院していた可能性が高く、桜達は、千葉県内の病院に片っ端から電話を掛け、遂に恩人の身元を特定します。



恩人の名は、尾美としのりさん演じる、藤田昭良さんと判明。


千葉県内の、昭良の自宅を訪ねた、桜と真は、藤田朋子さん演じる、昭良の妻の真知子に、昭良の似顔絵と、遺体写真を見せて確認を取ります。


真知子は夫の写真である事を認めながらも、遺骨の引き取りは拒否。


そして「私達は、捨てられたんです!」と。


9年前、昭良は突然『ごめんなさい!』という

書き置きを残して、家を出て行きました。


それから9年、真知子と、富田望生さん演じる、娘の秋桜里がどれほど苦しんだか。


「もう関係ありませんから!」と、突っぱねる真知子に、桜は「昭良さんは、おふたりを捨てた訳ではありません!」と言いました。


難病を患っていた昭良は、家族に心配を掛けまいとして、病気の事を誰にも言わずに1人で抱え込んでいたでした。


しかし、真知子は、その事にも、薄々、感づいていて「いつか話してくれると信じていた」と言いました。


「それだけに、何も話してくれない事が、悔しかった、何だったんですかね、私達の20年は」と、肩を落とす真知子に、桜は、昭良に命を救われた事を言い出せませんでした。


桜が帰宅すると、部屋のドアノブに紙袋が掛かっていました。


袋の中身は、鈴木杏樹さん演じる、母の葉月からの手紙と、桜の大好きな唐揚げでした。


桜のインタビューを見た葉月が届けに来たのでした。


手紙には、今まで、桜の苦しみに気づいてやれなかった、自責の念と共に、親としての素直な思いが綴られていました。


『身勝手だって言われるかもしれないけど、それでも、お母さんは、あなたを愛してる、どうか忘れないで! いつか、笑って帰って来られるようになったら、そのときは春にしてね、皆で、庭に桜の木を植えたの、その花を貴女とも、一緒に見上げたいな、あなたのお父さんも大好きだった、桜だから』と。


手紙を読みながら、込み上げるものを必死に我慢して唐揚げを頬張る桜。


「とっくに冷めてるはずなのに、おいしいなぁ〜!」と呟きながら。



一方、真の元には、福島行きを知った手嶋が、想いを伝えにやって来ます。


「俺、福島に遊びに行ってもいいですか?」。


不器用なりに、精一杯の気持ちを示す手嶋に、真は「もちろん、お寿司食べに行こう!」と答えました。


そして、その夜、桜と真は部屋で、お酒を飲みながら2人だけで、プチ送別会を開きました。


「大丈夫? ちゃんと1人でやれる?」と心配する真に「子ども扱いしないでもらえます? 真ちゃんの方こそ、無理して体壊さないようにね、腰痛とか!」と言い返す桜。


いつもの調子でやり合いながらも、いつの間にか抱き合って、別れを惜しむ2人でした。


真は「私が行く前に、桜の過去を解決しなきゃ。絶対に、藤田さんを家に帰してあげよう!」と。


昭良が残した、バスのチケットから、花の成分が検出されたという事が判明します。


桜は、明良が山梨を訪れた理由を必死で考えます。


すると、夢の中に、堀口が現れ、大きなヒントを与えてくれました。


「桜の環境と、恩人の環境は似ている、既に、お前は明良さんが山梨を訪れた理由に気づいている筈だ!」と。



後日、バスのチケットから検出された、花の成分は、秋桜だと判明します。


昭良は亡くなる前日、山梨県の秋桜畑を訪れていたのでした。


そこは、娘の秋桜里が、まだ小さかった頃、家族3人で訪れた「思い出の場所」でした。


真知子と秋桜里に報告する桜は、9年前に、昭良に命を救われた事を打ち明け「昭良さんは、ここに帰ろうとしていたんです、最後まで、貴女達と一緒に生きる為に!」と訴えました。


昭良の思いを知った秋桜里の目に涙が溢れます。


その隣で真知子は、「ずっと、出せずに居ました  出さなくて良かった!」と、昭良の残した『離婚届』を破り捨てて「彼に会わせてください!」と言いました。



後日、名無しだった墓石に『藤田昭良』の名前が刻まれました。


花を手向ける真知子と、秋桜里を見守る桜に、幻の昭良が「ありがとう」と微笑み掛けました。


帰って行く、真知子と秋桜里、そして昭良。


真が桜に「昭良さんは、桜のせいで、死んだんじゃない、あんたが彼に生かされたように、彼も、あんたに生かされたんだよ」と言いました。


幻の昭良の後ろ姿を見送りながら、桜と真は「これからも、前を向いて生きて行こう!」と、心に誓うのでした。



数日後、旅立つ真を見送ろうと、身元不明人相談室には、桜を除く、いつものメンバーが集まりますが、見送られるのが苦手な真は、既に旅立った後でした。


真らしい、去り際が、どこか嬉しくもある一同でした。



その頃、桜は1人でジムに来ていました。


真に会ったら、グチャグチャに泣いてしまいそうだからでした。


それなのに、ジムで、真とまさかの鉢合わせ!。


驚く、桜に、真は「最後に、スカッとしてこうかと」と。


思わず吹き出してしまう2人。


桜は「真ちゃん、いってらっしゃい!」と、最後に激励の拳を交えます。


「いってきます!」と応じる真。


どこの誰かも分からない『名もなきご遺体』の身元を特定し、家族のもとに帰すことが仕事の『警視庁身元不明人相談室』。 


1人でも、多くの身元不明者を家族の元に帰す為、桜と真の挑戦は続いて行くのでした。


これにて、最終話は完結です。



身元不明者の問題は、現実社会においても、複雑で、根深いものであり、このドラマは、その現実を示唆しているように感じました。


このドラマは、単なるミステリーではなく、人間ドラマとしての側面も強く打ち出していました。


登場人物達の成長、過去との和解、そして、未来への希望。


これらのテーマが見事に織り込まれ、深い感動と余韻を残す作品だったと思いました。


室長役の吉田鋼太郎さん、科捜研の所長の高島礼子さん、相談室の同僚役の戸次重幸さん、半海一晃さんら、脇を固める俳優さんの演技が素晴らしかったです。


主演を務めた、小芝風花さんと、バディ役の大島優子さんの演技の息もピッタリでした。


毎回、登場する、個性的なゲストの俳優さんの演技も良かったです。


特に、桜の『命の恩人』役の、尾美としのりさんと、公安部長の佐川役の杉本哲太さんは、存在感と言い、演技と言い、さすがでした。


その後を描いた、SP版の放送を期待したいです。