先日、9月3日に、NHKのドラマ10枠にて放送されました、河合優実さん主演のドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」 (略称『かぞかぞ』)の第7話のネタバレ&個人的感想を。



七実は、東京で、順調に「作家生活」を送っていました。

七実の著書「大丈夫じゃない日々、大丈夫な家族」の売れ行きは上々で、何度も重版を繰り返していました。



神戸生まれの神戸育ち(たまに大阪)の七実にとって、東京の付かず離れずの「距離感」は、かなり心地が良く、林遣都さん演じる、小野寺は、もちろんの事、古舘寛治さん演じる、あの二階堂さんも、かつてのウイルス・メールの事は、すっかり忘れて、また、七実と親しくしてくれていました。



何と、二階堂さんは、七実の高校時代の同級生で、一軍女子だった、若柳琴子さん演じる、数藤茉莉花の婚約者になっていました。

また、あのウイルス・メールを、1人だけ開かなかった、山田真歩さん演じる、編集者の末永繭とも、東京で再会し、七実は「東京に、お姉ちゃんが出来たみたいや!」と喜びました。


末永さんは、東京の書籍編集部で働いており、七実に2冊目の出版の打診をしに来たのでした。



そして、七実は、この2年間、自分に「1日1投稿」を義務付けていて、月に1度は、ファンとの交流と称して、バーのママも務めていました。

多忙を理由に、実家にも、ほとんど帰っていませんでした。

しかし、それも全ては「安心」していたからでした。

坂井真紀さん演じる、母のひとみは「Lupe」で働き、吉田葵さん演じる、弟の草太は、同じような障碍を持つ少年達と「カフェレストラン、やすみDOKI」で働いていました。

家の事は、美保純さん演じる、祖母の芳子がやってくれている筈だったからでした。


ある日、七実が、ひとみにメールを送ったのに、なかなか返事が返ってきませんでした。

しかも、ようやく送ってきたメールには「熱がある!」と書かれていました。

それも、38°超えのかなりの高熱でした。

「芳子は、どうしているのか?」と、ひとみに聞いても、何とも要領を得ませんでした。

それで、七実は、休みを貰い、急遽、実家に帰る事にしました。

実家では、芳子が呑気な顔をして、寛いでいました。

「ママは?」と尋ねると「会社やろ?」と答えました。

七実は「何や、熱、下がったんか!」と安堵しますが、いつも通り、手洗い、うがいをしていると、ふと鏡に映った「車椅子」が目に入りました。

ひとみは1人で寝込んでいたのでした。

熱は、かなり高そうで、辛そうでした。


七実が騒いだので、慌てて芳子がやって来て、今初めて気づいたかのように驚きました。

「ひとみちゃん? ひとみちゃん!」と、狼狽えながら名前を呼び続けました。


七実は芳子に罵声を浴びせながら、ひとみを病院に連れて行きました。

診察した、海斗さん演出、医師の三上は「何らかの細菌感染が起きているらしいが、検査をしないと分からない」と説明し、とりあえず、検査入院するよう命じました。


七実は、手続きを終えると、会社に連絡を入れました。

小野寺は、七実が頼む前から「しばらく休むように」と了承してくれました。


ひとみの検査結果が出るまで、実家に居る事にした七実は、もはや、そこが自分が思っていたような場所では無くなっていた事に、徐々に気づいて行きます。

ひとみは「通販」で、生鮮食品を買っており、芳子は、七実らが言わなければ、食事を作るのも忘れていました。

しかも「茶色いレシピ」は常識を遥かに超えていて、とても食べられた物ではありませんでした。


そのせいか、草太の健康診断の結果は、コレステロール値が高く、まるで『中年オヤジ』の数値でした。


七実は、それでも、何とか気を取り直そうと、久しぶりに、福地桃子さん演じる、マルチこと、天ヶ瀬環に会いに行き、愚痴をこぼそうとしますが、マルチは取り付くしまも、ありませんでした。

また、七実が「マルチの家(とこ)とは違って、色々あっても、ウチは家族が仲良しなのが救いだ!」などと言う始末でした。

七実の心は、すっかり、ささくれ立って行きました。

実は、芳子はパジャマ姿で「徘徊」していたのですが、七実は、まだ、事の深刻さに気づいてませんでした。

そんな時、ようやく病院から、ひとみの検査結果の連絡が入りました。

 


ひとみは8年前の手術で、人工弁に変えた場所が細菌感染して、炎症が起きていた為、もう一度、手術をして、新しい人工弁と取り替えなくてはならないと言う事でした。

取り替えるだけなら、それほど危険性は無いのですが、今ある人工弁の周囲も炎症を起こしている可能性がある為、かなり難しい手術になると言われました。

また、手術が成功しても後遺症が心配だと。

ひとみは七実に「親の生死を分ける手術に、娘を3度も立ち会わせるなんてふがいない」と謝りました。

七実は「流石に3度は無いよな〜!」と相槌を打ち「うちの家族は選ばれ過ぎやろ!」と苦笑いします。

ひとみは「死にたない、生きたい!」と言いました。

ひとみの事も、もちろん心配だけど、ここで、七実が辛いのは、この悲しみを家族の誰とも、共有出来ないと言う事でした。



芳子は、事情を把握出来ないらしく、ただただ

「ひとみちゃん、可哀想や!」と嘆くだけ、草太に言う事も、もちろん出来ません。

七実は思わず、小野寺に愚痴をこぼしてしまいました。

「すみません、仕事の話せんとですね」と謝罪すると、小野寺は「これを機会に、仕事以外の話もしてくださいよ!」と慰めてくれました。


居場所の無い七実は、1人、愛車の助手席に乗り込みました。


そこで、ポケットに、朝、草太が置いていった、缶のミルク・ココアが入れっぱなしだった事に気づきます。

そこで、七実は、錦戸亮さん演じる、父の耕助が亡くなって間もない頃、ひとみと一緒に、愛車の中で話したことを思い出しました。


七実は「耕助が死んだから、もう、何をする気も起きない!」とひとみに嘆きました。


七実が頑張っていたのは、ひとえに、耕助に褒められたかったからなのでした。


そこで、ひとみは「これからは、ママが、七実を褒める! ママが、ファン第1号や!」と約束しました。


そして「ママだけちゃうよ、今に世界中が七実を褒める、パパも常々、これから七実は、たくさんの人に出会える、皆、七実のファンになる!」と語っていたと七実に伝えました。


ひとみは、七実に「温かいココアを飲みに行こう!と誘います。


家には、草太が1人で待っているのですが「黙っていれば分からないから、コンビニで2人だけで飲んでから帰ろう」と悪戯っぽく笑いました。



七実は、1人きりで、ココアの缶を開けて飲み、「死なんといて、死なんといて!」と祈りました。


手術当日、そんな様子をオクビにも出さず、七実は笑顔で、ひとみを送り出しました。


待合室で一人で待っていると、東京から、小野寺と末永、そして、二階堂が来てくれました。


3人は「1人で待つより、誰かと一緒の方が良いだろう!」と考えて、駆けつけてくれたのでした。



仕事で繋がった『絆』にも、ちゃんと「情」が生まれた証でした。


最初は、賑やかに話していた、そのネタも尽き、待合室にいるのが、疲れ果てた表情の、3人だけになった頃、ようやく手術が終わりました。


担当医の三上は「お母さん、頑張りましたよ、問題なしです!」と言いました。


第7話は、ここまで。


今回の第7話では、東京で、作家として成長した七実が、その間に変わっていた家庭を知る回になりました。


見事な成功を収めながら、七実が七実らしく、日々を送っていく姿は見ていて微笑ましかったのですが、その笑顔の裏に『孤独』や『闇』が少し、顔を見せていたように感じました。


久々に戻った実家に、七実が違和感を感じる、その感じ方や演出の仕方が、何とも絶妙でした。

後半では、母の病と、その手術が描かれますが、結末は暗いものではなく、七実の孤独な物語を見事に優しく包むようなラストで、また微笑ましいものでした。


ひとみは、何とか危機を乗り越えてくれましたが、次は祖母の芳子に問題勃発?

芳子は、本来大阪で暮らしていたのですが、今はもう、友達は居ても、家族は居ないようです。

草太の職場の仲間は、皆、グループ・ホームで暮らしているようで、草太も皆から誘われていましたが、果たして、どうするのが、草太にとって、1番良いのでしょうか?


次回は、果たして、どのような物語が展開されるのでしょうか?


次回も楽しみです。