遅ればせながら、先日、6月28日の22時から、TBS系で放送された、水川あさみさん、櫻井翔さん、玉山鉄二さん主演の金曜ドラマ「笑うマトリョーシカ」第1話のネタバレ&個人的感想を。


原作は、早見和真さんの政界ミステリー小説

「笑うマトリョーシカ」です。




2022年4月。


新たに発足した内閣の目玉として、櫻井翔さん演じる、若手議員・清家一郎が、厚生労働大臣として、初入閣を果たします。


清家は、新内閣の目玉で、自叙伝「悲願」を出版した事もあって、大きな注目を集めていました。


彼のリベラルな言動は、多くの国民の支持を集め『未来の総理候補』と目されていて、新内閣の若返りを象徴する存在として、清家は、大きな期待を背負っていました。



一方、水川あさみさん演じる、東都新聞文芸部の記者・道上香苗は、清家が出版した自叙伝の紹介を担当する事となり、清家への取材で、彼の母校がある、愛媛県・松山を訪れました。


しかし、そこで出会った担任教師から語られたのは、現在の清家の頼もしいイメージとは、かけ離れた彼の姿と、自叙伝には登場しない、玉山鉄二さん演じる、鈴木俊哉というブレーンの存在でした。


高校時代、鈴木は清家を指導し、生徒会長にまで押し上げた人物で、現在も秘書として、清家を支えていました。


香苗は「それほど重要な人物を、清家は何故、自叙伝に登場させなかったのか?」と疑問を抱き、その理由を探るべく関係者への取材を始めます。


そんな中、道上に、渡辺いっけいさん演じる、父の兼髙から電話が入ります。


かつて、社会部の敏腕記者であった父・兼髙は、

「実は、今、調べている事がある」と香苗に相談を持ちかけた途端、大型トラックが、兼高の車に激突し、兼高は交通事故により、命を落としてしまいました。



香苗の父の兼髙は、かつて、自分が取材した「BG(ビックガリバー)未公開株事件」を再調査していました。


その中には、現在の総理と外務大臣の名前、そして、BG株事件で自殺した、宇野の息子が、清家一郎の秘書である鈴木俊哉だという情報が含まれていました。


更に、父の兼高が亡くなった日、鈴木と父は事故現場で待ち合わせをしていた事が判明します。


香苗は、清家の取材に挑みます。


人気政治家・清家一郎と、その秘書・鈴木俊哉の『奇妙な関係』


その矢先に訪れた、父・兼髙の突然の死。


「何故、自叙伝に、玉山鉄二さん演じる、秘書の鈴木俊哉が登場しないのか?」と切り込みます。


鈴木の父は、BG(ビックガリバー)社の未公開株事件で犠牲になっていたので、香苗は「鈴木が政治家に恨みを持っていてもおかしくない」と考えます。


更に「父を殺したのは、鈴木では無いのか?」と疑いを突き詰めます。


香苗は、清家に取材を行い、彼の自叙伝に鈴木が登場しない理由や「BG事件」の関与について、鈴木を問いただしますが、鈴木は「BG事件」を、マスコミ対策だと言い逃れ、清家はまるで、AIのような対応を見せます。


「私の妄想じゃなかったら、また伺います!」と言い、香苗は清家と鈴木を睨みつけました。


香苗は同僚に清家の印象を聞かれると「まるで、AIと話しているみたいだった!」と険しい表情を見せます。


「清家の対応が、あまりに完璧すぎて、逆に不自然だ」と感じ「鈴木が清家を操っているのではないか?」と考えたのでした。


道上の直感は的中し、実際に高校時代の鈴木は、

清家を利用して、父の敵を討つ決意をしていました。



数日後、清家から、香苗の携帯に電話が掛かって来ました。


2人は清家の高校時代の親友で、現在、清家の後援会長を務めている、渡辺大さん演じる、佐々木光一の経営する、日本料理店「春吉」で会います。


清家は「あの鈴木を、あそこまで追い詰めたのはあなたが初めてです!」と、鈴木に切り込んだ事に驚き、自身の夢や、プライベートな話を語り合い、香苗への興味を示します。



そんな時、香苗の息子からメッセージが。


離婚していて、息子と離れて暮らしている事が分かります。


2人は児童養護施設の話で共感します。


清家は「これからも僕を見ていてくださいね、おやすみなさい!」と言って、清家は帰りのタクシーに乗り込みました。


香苗は清家から密着取材の許可を得る事になります。


さらに香苗の元に、ある論文が届きます。


それは、清家が、大学時代に書いた論文で、ヒトラーのブレーンだった、エリック・ヤン・ハヌッセンに関する内容でした。


その論文に目を通した香苗は「これは、清家からのSOSではないのか? 全てを鈴木が操っているのではないのか?」と疑いを更に深めます。


更に、清家は記者会見で、香苗が清家に話した、自身の夢と一致する「親族里親制度」を進めて行く事を発表します。


その記者会見を見ながら香苗は「この論文を送って来たのは清家本人であり、彼のSOSである」と確信します。


第1話は、ここまで。



原作は今、読書中なんですが、このドラマ版と、原作では内容は、かなり変わっているようです。


原作では、始めに、清家・鈴木・佐々木の高校時代の話を中心に物語が進んで行き、ドラマ版では主人公役を務める道上香苗は、助演の位置付けになっています。


父の兼高は、原作の第1部・第2部では、全く登場せず、第3部に突入した、7月7日現在、登場する気配はありません。


また、自叙伝「悲願」には、鈴木俊哉の事が、少しですが書かれているのです。


果たして、これからのストーリーも、原作とは違う内容になっているのでしょうか?



櫻井翔さん、今回の若き政治家、清家役は、ハマり役だと思いました。



何を考えているか分からない、AIのようでもあり操り人形のようでもありました。



櫻井翔さんが演じる、清家一郎は、まさに『マトリョーシカ』のようで、中身が無くて、鈴木に操られているようです。


そんな清家は、水川あさみさん演じる、道上香苗が、それに気づいている事を察して、彼女にSOSを送ったのでしょうか、?


鈴木の狙いは、父が成し遂げられなかった総理の座なのでしょうか?


ただ、父親が、香苗の父・兼高の報道によって、追い詰められた過去がある事から「自分は罪人の息子で、総理にはなれない! 」だから、清家を操って、その野望を果たそうとしているようにも感じ取れます。



兼高は鈴木の敵だったようですので、清家がこの先、「自分」を出せるのか、出せないのなら、その理由は何故なのか?


今回の第1話では、怖さと儚さを感じさせてくれる内容だと思いました。


純粋な政治ドラマだと観続けるのは、ちょっとしんどいように思いましたが、ストーリーが、かなりミステリードラマに寄せている為、非常に面白く観る事が出来ました。


次回、第2話以降で、父・兼高の死の謎、清家と鈴木の関係性などが紐解かれていくのでしょうか?


次回が楽しみです。