個人的な事情から、ブログの更新が、かなり、久しぶりになってしまいました。


読者の皆様、大変お待たせ致しました。


先日、6月18日の22時から、NHKのドラマ10枠にて放送された、石橋静河さん主演のドラマでも燕は戻ってこない」の第9話のネタバレ&個人的感想を。


毎日文学賞と、吉川英治文学賞をW受賞した、桐野夏生さんの同名小説が原作の、このドラマは

『命は誰のものか?』という重要なテーマを扱った鮮烈なエンター・テイメント作品です。



中絶が可能な、第21週目が近づく頃、石橋静河さん演じる、リキは、稲垣吾郎さん演じる、基から

電話で「双子は産んで欲しい!」と連絡を受けます。


リキは納得し、中村優子さん演じる、りりこの家で、りりこのマネージャーをしながら、りりこのシェアハウスで、のんびりと暮らす事に。



りりこのシェアハウスで暮らすようになったリキは、いとうせいこうさん演じる、りりこの叔父のタカシと、竹内郁子さん演じる、シェアハウスの家政婦の杉本ら、同居人達に支えられ、上京して初めて、安らげる生活を送れるようになっていました。



日に日に存在感を増していく『ぐりとぐら』と、名づけた、胎児達を慈しみながら、杉本さんが作る、豪華な手料理で労わられる日々を送るという何とも贅沢な「束の間の日常」を過ごしていたのでした。



りりこの描く春画に毎日触れているうちに、リキは、これまで考えもしなかった「男女の不平等」という事について「大半の男は、女を搾取しても許されると誤解している、それは、女が、その状態を、笑って許しているからでもある、本当は、そうじゃないと、女も声をあげるべきなのに!」とリキなりに、男女の不平等についての考えを抱くようになりました。


一方、基は、内田有紀さん演じる、元・妻の悠子が「基と復縁しない!」という意思に変わりが無い事を確認すると「自分1人では、双子は育てられないから、リキに『母親』として、子供を育てて欲しい!」と言い出します。


しかも、基自身がリキに伝えるのではなく「悠子から、リキを説得して欲しい!」と悠子のオフィスに頼みに来ました。


「リキは悠子の気持ちを気にしているから、悠子が頼まなければ承知しないだろう」というのでした。



悠子はリキの住む、シェアハウスを突然訪ね「双子を産んだ後、基の妻になって欲しい!」という基の提案を伝えますが、リキは即断で、基の妻の座に異を唱えます。



その提案を聞いたりりこは「あなた達、出産どころか、妻まで押し付けるの?」と激怒し、リキも「一方的すぎですよ! 私の気持ち、ひとつも入ってないじゃないですか!」と憤慨します。


悠子は「子供達から母親を奪えない!」と思ったと言い、そうすればリキが経済的に苦しむ事も無くなると訴えるます。


その提案には、りりこも賛同し、「有りかも? リキちゃん、全部手に入れな!」と煽りますが、リキは「嫌です、私が代理母を引き受けたのは、お金の為です、子供を望んだのは、そっちなのに、人助けで引き受けたんですよ! 悠子さん、母親になる覚悟が無いのに、私に、こんな事押し付けたんですか?」と反論します。


「子供達の幸せを考えて!」と説得しようとする悠子に、リキは「それだって、結局、悠子さんのエゴじゃないですか? 私は500万円を貰ってから消えます!」と言い切ります。


すると悠子は「基が、残りの成功報酬を支払わないかもしれない」と言い「これは、悪くない提案だと思う、子供を産んで報酬無しで消えるか、妻になって、全部を手に入れるか」と決断を要求します。


リキは「それ、脅しですか?」と悠子を睨みつけます。


基に「リキを説得する事が出来なかった」と悠子は報告します。


双子の出産を待ちわびている、基の母の、黒木瞳さん演じる千味子は、悠子が離婚を希望していると知り狼狽え(うろたえ)ます。


「せめて最初だけでも、どちらかが居てくれた方が良いわ、これ全部を私達だけでやれっていうの?」と憤慨し、リキに「子供達の記憶に残らない1年間だけ、一緒に子供を育てて貰えないか」とお願いするように、基をせっつきます。



妊娠34週目。


双子が重くて、思うように動けなくなっているリキの前に基が現れます。


出産を控え、あちこちに妊娠線が出来て、横向きでなければ寝られなくなっているという現状を、基に淡々と話すリキ。


基は、リキの様子が以前とすっかり代わっていることに気が付き驚きます。


基が、リキを尋ねてきたのは、今後の事を話す為でした。


基は「悠子とは復縁しない事、出産前に自分の子供だと分かった場合のみ、引き取ろうと考えていたが、自分の横暴が招いた結果だから、リキの契約違反は反故にし、遺伝子検査をせずに、生まれてくる子が、どんな子であっても、自分が育てる事にした」と告げます。


さらに、報酬についても「500万円、全てを支払う」と言います。


ただ「ここまで譲歩するので、1年間だけ、自分と一緒に、双子一緒に育てて貰いたい、そうすれば、弱った身体をゆっくり回復する事も出来るし、母も賛成している」と言います。


リキは「正直、何の約束も出来ない!」と言い、「産むのは初めてで、自分がどんな気持ちになるか分からないから、産んでみてから考えたい」と返事をしました。


ただ「遺伝子検査だけは、やって欲しい!」と言うリキに、基は「すごいですね、貴女は、俺は怖くて仕方ない、俺1人で、子育て出来るのか、怖くてしょうがない、その時を思うと、不安でしょうがない!」と今の気持ちを正直に話しました。


と、その時、リキが破水してしまいます。


狼狽えながらも基は 「妻が破水したんです!」 と救急に連絡をします。


「賽は投げられた」と覚悟を決める基。


「別れの日はすぐ、そこだ」とホッとするリキ。



第9話は、ここまで。


今回の第9話も、原作に忠実に描かれていました。



今まで、何かに追い立てられるように全て『衝動的』に物事を決めて来たリキが、ここに来て、ようやく『考える』という事を覚えたように感じました。


妊娠してからはキツイ「悪阻」に苦しみ、お腹が膨らめば「肉割れ」が出来る。


そんな「当たり前」の事すら、何も考えず、代理母を承知した代償を、リキは、ようやく受け入れながら学習したのでは無かったのでしょうか?


次回は、いよいよ最終回。


果たして、原作通りの結末になるのでしょうか?