先日、葉室麟さんの著書「刀伊入寇〜藤原隆家の闘い〜」を読了しました。


現在放送中のNHK大河ドラマ「光る君へ」にも

登場している、藤原隆家が主人公で、平安時代に実際に起きた、刀伊入寇を描いた物語です。


(僕は、今年の大河ドラマは全く観てません)


(苦笑)


元寇以前に、夷狄が日本に攻めてきたという事実を知らない方は多いと思います。


本作は「龍虎闘乱篇」・「風雲波濤篇」の2部構成で綴られており、第1部では花山院や、藤原道長との確執・争闘が、また。第2部では、九州に攻め込んで来た、刀伊との闘争が描かれてます。


歴史小説好きの方にお薦めです


ネタバレしない程度に、あらすじを。


「日本国存亡の危機に真の英雄現わる!」


かつてなき国難に立ち向かった、実在の貴族の闘い!


時は、平安中期、朝廷きっての貴公子でありながら「さがな者」(荒くれ者)と呼ばれた、藤原隆家は花山法皇や藤原道長らとの「闘乱」(喧嘩)に明け暮れる日々を送っていました。


その頃、陰陽師である、安倍晴明は、彼にこう告げます。


「貴方様が勝たねば、この国は亡びます」と。


藤原道長との政争に破れ、自ら望んで任官した、九州・大宰府の地で、隆家は、海を越えて、壱岐・対馬を蹂躙し、博多への上陸を目論む異民族の「刀伊」の襲来を迎え撃つ!


清少納言、紫式部らとも交流し、京の雅の世界にも通じつつ、かつてなき未曾有の国難に立ち向かった、実在の貴族の奮闘を、豊かな想像力を絡め織り上げた、雄渾にして絢爛たる、平安戦記エンター・テイメントです。


刀伊の入寇(といのにゅうこう)は、寛仁3年

(1019年)に、遼配下の満洲を中心に分布した女真族(満洲民族)と見られる海賊船団が、壱岐・対馬を襲い、更に筑前に侵攻した事件です。


この入寇を、大宰権帥藤原隆家は、九州の豪族や武士を率いて撃退。



「刀伊入寇」を撃退した、藤原隆家を描いた小説の為、藤原隆家と、女真族として登場する人物は

創作ですが、他の登場人物は実在しており、事件なども通説に則っています。



この史実にかやら先がて、ストーリーつわ、は展開しますが刀伊との闘争での様々なエピソードを虚実を織り混ぜて描いています。



「国というものはな、おのおの先祖が生き^_^て来た土地に建てるべきもので、他の民の領土を奪って建てても、それは国とは言えぬ、それだけにおのれの祖先の地にある国を奪われてはならぬ」


「この国には、敗者を美しく称える雅の心があるだからこそ、この国を守りたいと思う、この国が滅びれば、雅もまた滅びる。」と言う隆家のセリフが、とても印象的でした。