先日、5月21日の22時から、NHKのドラマ10枠にて放送された、石橋静河さん主演のドラマでも燕は戻ってこない」の第4話のネタバレ&個人的感想を。


毎日文学賞と、吉川英治文学賞をW受賞した、桐野夏生さんの同名小説が原作の、このドラマは

『命は誰のものか?』という重要なテーマを扱った鮮烈なエンター・テイメント作品です。



今回の第4話は、男女が体を重ねる、中村優子さん演じる、りりこが描いた春画のオープニング映像で始まりました。


男の下で、女は恍惚とした表情を浮かべているという、生々しくも、美しいオープニング映像でした。



稲垣吾郎さん演じる、草桶基と、内田有紀さん演じる、その妻・悠子の子供を、1千万円の報酬で産む契約を交わした、石橋静河さん演じる、リキは、帰りのタクシー代に、と渡されたお金で、伊藤万里華さん演じる、テルの紹介で、森崎ウィンさん演じる、女性風俗専用のセラピスト、ダイキと渋谷で会い、そのままラブホテルに向かいました。


お金で、男を買った筈のリキでしたが、意外にもダイキは優しくて紳士的でした。


ダイキは「あなたが嫌がる事は何もしない!」と言い、リキの戸惑いを察すると「先に、少し話をしよう!」と言って自分の事を語り出します。


ダイキは「沖縄の離島出身で、本島の学校では、いじめにあっていた事、教師になり、島に戻るとつまらなくて死にそうだった事、どうしても、東京に行きたくて上京したが、東京で教師をする自信が無くて、食い詰めて、セラピストの仕事に就いた事」を打ち明けました。



2人の境遇は、とても似ていて、リキも希望を胸に、故郷を飛び出したのですが、生きて行くだけで、お金が掛かる東京では、リキを幸せにはしてくれませんでした。



ダイキは「先日、40代後半で、夫と20年以上、セックスレスだという主婦した」と打ち明けました。


続けて「本当は『売春』になるから、してはいけないのだけれど「人助け」だと思ってやった」と苦笑いしながら言いました。


男性から優しくされたリキは泣き出し「どうしてこんな事になっちゃったんだろう? 当たり前に、誰かを好きになりたかった」と心情を吐露しました。


ダイキは、そんなリキに苦しみを吐き出させようと、沖縄の言葉で自分の苦悩を語ります。


リキは、ダイキに共感し「貧乏でいる事に疲れて『代理母』を引き受けた」と打ち明けました。


これで、リキは気が楽になり、お風呂に入り、ダイキのマッサージを受けて、ぐっすり眠ると「セックスしてもらえませんか?」と切り出します。


ダイキは、リキのリクエストに応じました。


「凄く良かった!」とリキと褒め」今後は、店を通さないで会おう」と言い、お互いのLINEを交換します。



一方のリキは、ダイキとの時間を過ごしている間に、富田靖子さんが演じた、叔母の佳子に謝罪していました。


「おばちゃん、ごめん、このお金で、お墓参りに行けたんだけど、今日はこれが必要だった、誰かを抱きしめたかった」と。


ホテルを出た頃には、2人はすっかり意気投合し笑いながら別れました。



日本で人工授精をするには、婚姻もしくは、事実婚の関係にないと違法になる為、稲垣吾郎さん、内田有紀さん演じる、草桶夫婦は一旦離婚し、基とリキは婚姻届を出すように、朴璐美さん演じるプランテの日本支社の青沼に命じられました。


基は、その事に全く動じませんが、悠子の心境は複雑でした。


青沼は「生まれてくる子が、養子扱いされない為だから!」と力説し、続けて「子供が生まれたら直ぐ離婚して、悠子と再婚すれば良い!」と説明しました。


このやり方には、リキも少し不満げでしたが「仕方がない」と観念します。


それでも、草桶側から提示された「条件」の中で黒木瞳さん演じる、基の母・千味子の希望だった「草桶親子との同居」はキッパリと断りました。


「それさえ削除してくれれば、契約書にサインする」と青山に言いました。


これを聞いた千味子は大いに反発し「2千万も出すなら、カナちゃん(基の元妻)ランクの娘を選びたいわ!」と悪態を吐きますが、悠子は「人間をランクづけするような事は言わないで欲しい!」と釘を刺しました。


千味子は、その時は、黙って引き下がりましたが後日、悠子に電話を掛けて来て、嫌味を言ってきました。


「もし、子供が生まれたら、基の気持ちが変わって、リキと夫婦でいたいと思うかもしれない」と言い、「(生活に困るといけないから)仕事を辞めたりしないように」と念を押ししました。


そして「『代理母』を引き受ける人なんて、本当に非常識だけれど、産ませるあなたも相当よね!」と言います。



一方、テルは、エッグ・ドナーになる話を、あっさりと諦めて「ソム太の田舎の愛知へ一緒に行く事にした!」と言います。


父親を知らないソム太は、「父親を知らない子供を増やしたくない!」と反対したのだそうです。


テルは、借金を返すのも辞めて、自己破産するしかないか?」と自虐的に笑いました。


リキは、せっかく出来た、東京での親友との別れを惜しみ、一緒にスマホで写真を何枚も撮りました。



そして、いよいよ、リキの人工授精が始まりました。


しかし、リキは2回トライして、2度とも失敗。


初めて失敗と分かった時、ショックを受けて座り込んでいると、何も知らない看護師は「まだ若いんだから、こんな事しなくても旦那さんと仲良くしていれば自然に出来るわよ」と慰めました。


でも、担当医は、プランテから事情を知らされ、謝礼金も受け取っているようで「今後は、排卵を確実に促す注射も行います!」と宣言します。


これには「多胎妊娠」の他に、健康上のリスクも伴うそうですが、基は最初から確実な線を望んでいたのだが、とりあえず、私が、注射は状態を見てからだと抑えていた」と担当医は言いました。


一方、悠子はリキに電話を掛けてきて、彼女を労わりました。


「あなたのせいじゃないわ、何か温かい物でも食べて、少しでも楽しい事をしてみて」とリキを励ましました。


悠子の言葉を受けて、リキは「北海道に帰ろう」と思い立ちます。


悠子に「お墓参りに行ってもいいですか?」と尋ね、悠子は快諾しましたが、さすがに行き先が

「北海道」と聞き、不安になったようでした。


第4話は、ここまで。



次回の予告では、北海道への帰省を知った基が、怒り心頭に発するようです。


また、帰省先の北海道で、あの日高と再会し...。



今回の第4話も、ほぼ原作に忠実に描かれていました。


悠子が、千味子の「2千万」発言に反発するシーンは、原作には無く、ドラマ・オリジナルのようですが、原作では、基が悠子にリキを見下したような発言をし、嗜められるシーンが度々登場します。


基も千味子も、所謂「上級国民」的意識が骨の髄まで染み付いている人達のようです。


個人的には、めちゃめちゃ嫌な奴で、親しくなりたくないタイプの人達ですね(苦笑)


原作では、リキが北海道に帰省すると、以前の職場だった、介護施設の先輩に偶然、再会し「皆で会おう!」という事になり、その席に、あの日髙も登場するのですが、果たして、来週の放送ではどのように描かれているのでしょうか?


次回も楽しみです。