先日、今野敏さんの著書「署長シンドローム」を読了しました。


「隠蔽捜査」シリーズで、お馴染みの大森署が再び舞台となった新シリーズ(?)です。


ネタバレしない程度に、あらすじ&背景を。


元・警視庁キャリアで、前・大森署署長の竜崎伸也の後任で「隠蔽捜査」シリーズのスピン・オフ3弾の「審議官」にも登場した、新署長の藍本小百合が超絶なる美貌を武器(?)に、颯爽と事件を解決に向かいます。


竜崎伸也前署長の影響で、劇的な化学変化を起こした、大森署に舞い降りた、超絶美人の藍本小百合署長(キャリア警視正)の、藍本署長独自のスタイルによる活躍の物語です。


署長以外のメンバーの皆さんは、お馴染みのメンバーが総出演の為、すんなりと、物語に馴染めます。



物語は、終始、貝沼副署長の目線で語られますが普段は居丈高な、竜崎の天敵・第2方面管理官の野間崎、弓削第2方面本部長に、安西本庁組対部長、馬淵薬物銃器対策課長、加えて、途中参加の厚生省麻薬取締官の黒沢までが、藍本署長の姿を目にした途端、たちまち骨抜きにされてしまうシーンには笑えます。


ただ、美貌のみで、骨抜きにするだけではなく、前署長の竜崎同様、忖度抜きに無駄な事は省き、本質だけを見て、部下に的確な指示(?)を出して行きます。



警察幹部には、一応、お伺いを立てて、骨抜きにしているので、藍本署長の意見が、そのまま通ります。



物語は、CIAから、羽田沖で銃器薬物の違法取引(瀬取り)の情報があり、大森署内に前線本部が設置され、大森署刑事課に、新たな登場人物として、大型新人(?)の山田太郎巡査長が赴任。


山田巡査部長の相棒は、曲者刑事の戸高喜信。


前線本部VS海保VS麻取VS公安など、大人の事情が錯綜します。



南米系と、中国マフィアの麻薬取引と共に、極秘裏に取引された「SADM」という、小型核爆弾の行方を追う、戸高と山田太郎刑事の意外な長所を活かした活躍にも注目です。


川崎への越境捜査の場面では、神奈川県警刑事部長として赴任した、前・署長の竜崎まで登場。



「隠蔽捜査シリーズ」で活躍した、戸高刑事を筆頭に、大森署の面々が、オール・キャストで登場する為、本書の前に「隠蔽捜査か」シリーズを読んでおくと、最高に楽しめると思います。