先日、5月7日の22時から、NHKのドラマ10枠にて放送された、石橋静河さん主演のドラマでも燕は戻ってこない」の第2話のネタバレ&個人的感想を。
毎日文学賞と、吉川英治文学賞をW受賞した、桐野夏生さんの同名小説が原作の、このドラマは
『命は誰のものか?』という重要なテーマを扱った鮮烈なエンター・テイメント作品です。
石橋静河さん演じる、リキこと、大石理紀が、アメリカの生殖医療エージェント「プランテ」の
日本支社で、朴璐美さん演じる「プランテ」日本支社の青沼薫に、過去の中絶の経験を伝えると、青沼は満面の笑みを浮かべ「『代理母』の条件をクリアしました!」と喜びました。
リキは「他の女性が産んでも、代理母に委ねた母親は、自分の子供と思えるものなのか?」と、青山に尋ねます。
青沼は「子作りという『一大プロジェクト』を、夫と共に、最初からプロデュースするのだから
当然だ!」といかにも、大仰に答えました。
青山は続けて「代理母は、この『大切な仕事』に責任感を持って、取り組んでくれるような女性じゃないといけない」とも訴えます。
リキが「直ぐにでも引っ越したいから、その費用を負担して貰う事は可能か?」と聞くと、青山は「母親の環境を整える事こそ、最優先事項だ!」と息巻き「安らげる住まいで、美味しい物を食べて過ごして貰わないと、報酬も『最低300万』
諸々の必要経費に加えて、最後には謝礼も見込める筈」と言いました。
そしてリキに「一度位、女性として生まれて良かったって思ってみませんか? 子供を妊娠して、出産するなんて奇跡は、女性にしか起こせません、これは、あなたにしか出来ない『人助け!』と、言って微笑みます。
帰りには、1万円の車代まで貰ったリキは、青山に、すっかり丸め込まれ、気を良くします。
リキは念の為、帰りに交番に寄り、同じアパートの住人で、酒向芳さん演じる、平岡からの嫌がらせについて訴えましたが、警官は「『実害』が無い」という事を理由に、全く相手にしてくれませんでした。
警官曰く「『嫌がらせ』や『脅し』や『恫喝』では実害とは言えない!」との事でした。
リキは仕方なく、こっそり部屋に帰ると、電気も点けずに懐中電灯の灯りで、シャワーを浴び、息を殺して、静かにしていました。
そこへ、北海道の母から電話が掛かってきます。
富田靖子さん演じる、叔母の佳子が、ガンの末期で、かなり危ないらしいのです。
「戻って来れないか?」と、母にと言われたリキは「お金が無い」と断りました。
母も「代わりに用立てるのは厳しい」と言う返事でした。
リキは、代理母になれば何とかなるかも?と、思いながら「金が出来たら帰る」と、母に伝えました。
リキは叔母の佳子に思いを馳せます。
リキが、まだ上京する前、佳子の家に遊びに行くと、佳子はそうめんを作ってくれました。
「茹でるだけなのだから、簡単そうに見えるけれど、結構手間が掛かるし、洗い物も増えるから、リキが来てくれて良かった、久しぶりに食べられるから」と歓迎してくれました。
佳子は、子供のように「ピンクのそうめん頂戴」とねだる、姪のリキが可愛くて仕方がないようでした。
その佳子の部屋の屋根の下に、燕が巣を作っていました。
今は、もう巣立ってしまって、巣は空っぽになっていました。
その頃、リキは、戸次重幸さん演じる、バイト先の店長の日高と不倫をしていました。
その頃のリキは、まだ処女だったのですが、妻が妊娠中だった日高が「ラブホテルへ行こう」と誘ってきたのでした。
リキは驚きながらも同意します。
リキは「高2の時、ほとんど知らない隣の席だった男子と、そのラブホに来たことがあった」と言い、「その時は『ダメ』だったけど、今度は出来た」と無邪気に笑い、日高は「これからも、この関係を続けよう」と促しました。
日高は「子供が生まれても、ずっとと」言いましたが、リキは、すっかり嫌になって、街を出ていく決意をします。
帰り道、丁度、佳子が通り掛かり、自分の車に乗せてくれました。
リキは、佳子の部屋で、佳子が作ってくれた温麺を食べながら「自由になりたいから、東京へ行く!」と告げます。
佳子は「先ずは、金を貯めてからにしろ」と助言しました。
「金が無きゃ話にならん、先ずは、200万貯めな!」と言います。
リキが仏頂面をしていると、佳子は「自由になれる方法」を教えてくれました。
「それは『結婚』する事だ、見せかけでも良いから世間の一員になる事だ」と言いました。
佳子は独身でいたが故に、あちこちから「干渉」されて、嫌な思いをしたようで「早く結婚さえすれば、あんたは、なんぼでも間に合える」と言い「私のようにはなるな」とも言いました。
一方、共に派遣で働く、伊藤万里華さん演じる、テルは、フレン・マリノさん演じる、元カレのソム太とよりを戻し、ソム太から金を毟り取られているのに、それを「純愛」だと悦に入り、リキの苦言にも聞く耳を持たず、エッグ・ドナーへの討論も辞めたと言います。
一方、代理母を探している、悠子の仕事は、イラストレーターで、春画を描いている、中村優子さん演じる、親友の寺尾りりこから「代理母など絶対に許すな!」と、檄を飛ばされていました。
りりこは悠子に「ちゃんと反対しなよ、ふざけんなって!」と基の判断に怒りながら言います。
しかし、悠子は強気になれずにいました。
妊娠出来ないのは悠子の方に問題があるからでした。
基の元妻は、既に再婚して、2人の子供を出産しており、基は基で、検査をクリアしていたのでした。
なので、悠子は「基の遺伝子」を残せないのは、自分の所為だと罪悪感を抱いていたのでした。
基の両親は優秀なバレリーナで、基は、その2人の「血統」を受け継いでいる事を証明する為に頑張ってきたのだと言います。
基は、次は、自分と、母の千味子のDNAを継いだ子供を作らなければならず「例え、どんなに優秀でも養子では意味が無い」と考えていました。
ある日の仕事帰りに、リキは、自分の住むアパートの駐輪場で、再び、平岡から、嫌がらせを受け平岡の自転車の洗車をさせられます。
そんな時、再び母から電話があり「叔母の佳子が
たった今、亡くなった」と告げられます。
佳子が、リキが「北海道を出たい!」と言った時「間に合える」と言った言葉の意味は、とうとう分からずじまいでした。
母は「佳子はリキに会いたい!」と願いながら、亡くなったと言います。
「あの街さえ出れば、変われると思っていたのに」と思いながら、リキは叔母の死を悼み涙しました。
お金が無いばっかりに、大好きだった、叔母の死に目にも会えず、平岡の嫌がらせも止まらない。
妊娠や、出産に不安を抱きながらも、リキは遂に『代理母』になる決意を固め、草桶夫婦に会いに行きます。
リキは、2人が以前に会った夫婦だとは気づかなかったようですが、悠子を見て「この人も(佳子のように)間に合えなかった人なんだ」と思ったようでした。
第2話は、ここまで。
「代理出産」は、現在の日本では、法制化されておらず、なかなか難しい問題だと思います。
個人的には「子どもが欲しいのに、子供が授からない」夫婦が、若くて健康な女性に『代理母』を頼むという事は、夫婦間で、充分な話し合いを経て、同意すれば、悪い事だと思わないのですが、そうは言っても、妊娠や出産には、代理母にも、危険が付き物ですから、万が一の場合の補償や、10月10日、胎内で育てた子供を『代理母』が、いざとなって、本当に手放せるのか?と言う事などを考えると、そう簡単に決められる事でも無いのでは?とも思います。
このドラマでの。基の話を聞く限りでは、基が、悠子という女性を、心から愛しているのか?という事に、少し疑問も感じています。
どうも、自己の遺伝子を残したいが為の代理出産としか思えないのです。
(あくまでも第2話までの印象ですが)
リキの叔母の佳子の言った「間に合える」とは「子供を産める」という意味だと言う解釈も出来ますが、もう少し広義のようにも思えます。
「女性は結婚して1人前、子供を産んで1人前、どちらもしなければ人間扱いされない」だから、せめて結婚だけでもしろ、リキなら、まだ間に合うから!」と言いたかったのでは?
これから、どのような展開になるのか?
次回も楽しみです。











