先日の、10月22日の22時から、堀田真由さん・萩原利久さん主演で、TV朝日系で放送されました日曜ドラマ「たとえあなたを忘れても」の第1話「役に立たない素敵なもの」のネタバレ&個人的感想を。



今、仕事が、超・繁忙期の為、リアタイでの視聴は叶わず、見逃し配信にて、先日、やっと観る事が出来ました。



このドラマは、清野菜々さん主演の「日曜の夜ぐらいは...」・飯豊まりえさん主演の「何曜日に生まれたの」に続く、ABCテレビ制作の、日曜日の22時のドラマ枠の第3弾で、脚本家の浅野妙子さんのオリジナル作品です。


浅野妙子さんが描く、人間関係の温かみが感じられる脚本は、神戸を舞台に、主人公である、2人の男女の感情が丁寧に描き出されています。


それでは、本編のネタバレを。



神戸の街並み。

ベッドで寝ている、堀田真由さん演じる、河野美璃。


目覚めて、ポストを開けると、請求書が、山の様に入ってました。


冷凍ご飯をレンジで温め、ふりかけだけを、掛けて食べます。

それから、ピアノ教室へと出勤し、子ども達にピアノを教えます。

「ピアノを叩くんじゃなくて、おしゃべりする感じで弾いてみて、何してるの? 馬に乗ってるの。

とっても楽しいよ、やってみる? そうそう、そういう感じ」と、生徒に優しく丁寧に指導をしていました。


帰り道で、美璃はキッチン・カーを見つけ、メロン・ジュースが、とても気になりますが、値段が700円と、ちょっとお高い。



「何にしますか?」と店の男性、萩原利久さん演じる青木空に声を掛けられ、つい、300円のオレンジ・ジュースを頼んでしまいました。



風間俊介さん演じる、心療内科の医師である、いとこの遠山保に、勤務する病院に呼ばれ、定食をご馳走になる美璃。


保が美瑠を呼び出した理由は、美瑠が、きちんと食事しているのかを心配しての事でした。



ある日、美瑠のピアノ教室の生徒が、一人辞めてしまいました。


家のポストには、奨学金延滞24000円の請求書が来ていました。


森香澄さん演じる、音大時代の同期、衛藤まりあが、神戸でリサイタルを開く事になり、チケットを送ってくれていました。


美瑠は、まりあに電話をして「音楽教室で、ピアノ講師をしているという事を話し、生徒が、どんどん減って、別のバイト探さないといけない」と話すと、音楽関係の出版社での仕事を紹介してくれると、まりあは言いました。



まりあの紹介で、出版社に面接へ行く前、美瑠は景気付けに、キッチンカーで、700円のメロン・ジュースを頼みました。


「いい事あったんですか?」と聞く空に、美瑠は「はい、多分これから、あります!」と、笑顔で答えました。



しかし、面接では、大学のピアノ科を3年で、中退した事について、美瑠は「学費を払い続けられなかった為」と話します。


しかし、実際には、在学時に、コンテストで、ピアノが弾けなくなるという過去がありました。


選考結果は不採用。


空を見上げながら落ち込んで、ベンチに座り込んでいる美瑠に、キッチン・カーから眺めていた

空が「メロン・ジュース好きでしょ?」とサービスで持って来てくれました。


「なんか落ち込んどった?ため息ついてなかった?」と聞く空。


美瑠は「私って、役に立たない人間だなぁ〜って」と言います。



空は、今は廃墟になった、とあるホテルの写真を美瑠に見せ、そこで撮影した「月」の写真も見せます。


「月とか、何の役に立ってるか分からんやん!」という空に「素敵だなぁ〜!いつか、行ってみたい」と美瑠が言うと、空は「今から行こう!」と美瑠を誘います。



山の中腹にある、廃墟のホテルの中に着くと、そこにピアノがありました。


即興でメロディーを奏でる美璃。



「4歳からピアノを始めて、小学校で、地元のコンクールで3位に入賞、しかし、上手い人の中に入ると全然で、大学を中退するハメになり、親に申し訳無い」と美瑠は話しますが、空は「でも、今のピアノ良かったよ、好きな時に、好きなピアノ弾けたらええやん、それだけで十分やん!」と話します。



「私の名前は美しいに瑠璃の璃、あなたは?」と美瑠は聞きます。


すると「青木空、1996年8月17日生まれ!」と答えます。


そんな空に美瑠は「何? その、ちゃんとした、自己紹介? 空って、あの空? いい名前、明日も、ここにいる? また来ていい?」と聞きます。


空は「もちろん!」と笑顔で答えます。


それから毎日、美瑠は空に会いに通いました。


一杯のコーヒーか、ジュース。


ちょっと余裕がある時には、ホットドッグも。



お金にない身には痛い出費でしたが、その分、夕食を我慢しても惜しくないと思っていました。



ある日、また、美瑠のピアノ教室の生徒が2人減りました。


落ち込んで空の店へ。


美瑠は、空が車で寝泊まりしているという事を知ります。


実家は無く、親も居ないと語る空。


「日本中が家みたいなもの!」という空に、美璃は「どこにも行かないで欲しいな、このキッチン・カーが無くなったら、人生の楽しみが無くなっゃう」と言う美瑠。


「大袈裟やなぁ」と笑う空。


そして、空に浮かぶ月を見せる空。


美璃が知っているのは「空」という名前と、誕生日だけ。


しかし、美瑠は、それだけでいいと思っていました。



ある日、保の勤める病院に、畑芽育さん演じる、記憶を無くした患者、宮下茜が診察にやって来ます。


茜は「食堂で、一緒に食事をしていた美璃は、何者か? 保の手の傷は、何故出来たのか?」と聞きますが、保は「守秘義務だ」と笑います。



ある日「空の好きな所に行ってみたい」と話す

美璃。


空は、ある場所の写真を見せ、土曜日に行く約束をします。



しかし、待ち合わせの須磨浦公園駅に、空は現れません。


携帯電話も通じず、いつもの場所にも居ませんでした。


空は、それっきり戻って来なかったのです。



美瑠は、スマホ販売会社の面接を受け、合格し、ピアノ教室を辞める事になりました。


美璃は、空の携帯電話に掛けますが「お掛けになった電話番号は現在使われておりません!」と応答されます。


美瑠は、音大の同期だった、まりあのリサイタルへ行きますが、終演後にファンに囲まれ、嬉しそうに話す、まりあを見て、自分との境遇の違いにショックを受け、花を渡さず帰ろうとします。


まりあが美瑠に気づき、後を追って来て「出版社の面談の話になり、まりあが、力になれずごめんでも、美瑠なら大丈夫だよ!」と言われ、何が、大丈夫なの?」と、美瑠は思わず気色ばんでしまいました。



スマホの販売会社では、美璃だけが、売上がノルマに達しておらず、重い荷物を、六甲アイランドの店舗へ持っていくように告げられます。


その先で、見覚えのある、キッチン・カーを見つけます。


そこには「いらっしゃい! 何にしますか?」と笑顔で言う空が!



「もしかしてふざけてる? あの日、なんで来なかったの? 何で居なくなったの?」と、空に問う、美瑠。



そこへ、岡田結美さん演じる、藤川沙菜が現れ、


「どうしました? 何かご用ですか?」と、美瑠に尋ねます。


キッチン・カーから離れ、ベンチで落ち込んでいる美瑠に、再び沙菜が現れ、空の事を話します。


「空は、あなたの事を忘れてます、全然覚えてないです、そういう病気なんです、あなたと空の間に、何が、あったのかは知らないけど、あなたも忘れた方が良いと思います」と告げます。


美璃は訳が分からず、ただ困惑するだけでした。



第1話は、ここまで。



初回から「切なさ全開の王道のラブ・ストーリー」でした。



生き辛い日々を送る、堀田真由さん演じる、美璃が、唯一、生活の中で見つけた、楽しみを分かち合える存在になりそうだった、萩原利久さん演じる空が、突然居なくなってしまうという、ストーリー展開が読めてしまうにも関わらず、込み上げてくる切なさ。



ロケ地となっている、神戸の落ち着いた街並みがとても綺麗に映し出されていて、情感たっぷりでした。



「生きる意味とは何か?」


夢に向かって前進する事、思い出を積み重ねながら、充実した日々を送る事、そして、誰かを愛する事。


人、それぞれ、その意味は異なります。


それは、当然の事の筈なのに、誰もが、他人と比較して、自信を失った経験があるのではないでしょうか?


この「たとえあなたを忘れても」というドラマが示すのは「そんな時にこそ、社会に貢献しないものこそが、本当に重要なものであるのでは?」と

視聴者に投げかけるメッセージなのでは?と感じました。


主演の堀田真由さんは、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を観てファンになりました。


清潔感のある笑顔と、時折見せる、切なさを感じる表情に、とても魅かれてます。


来週の第2話も楽しみです。