今日は、元・Chicagoのボーカリスト、Peter Ceteraのお誕生日なんです。



今回の個人的アルバム・レビューは、1986年に発表された、Peter Ceteraの2枚目のソロ・アルバム「Solitude/Solitaire(ソリチュード〜ソリティア〜)」を。



当時、16歳だった僕は、Peter CeteraのChicago脱退という、突然のニュースにビックリしたのを覚えています。



その直後にリリースされたのが、このソロ・アルバムで、David Fosterから離れた彼が、どんな音楽を歌って行くのかと気になり、アルバムを購入しました。



プロデュ-サーは、Christopher Crossで、一躍名を挙げた、Michael Omartian。


更に、ゲストも多彩な顔触れでした。



Amy Grantとのデュエットあり、Ray Parker, Jr.の、ギター・バッキングあり、ギタリストであるDann Huffのプレイが存分に楽しめ、満足出来るアルバムでした。



そして、David Fosterと、Peter Ceteraの共作の映画「Best Kid Ⅱ」の主題歌「GLORY OF LOVE」もクレジットされていて、大満足のアルバムです。



Chicagoを脱退し、ソロ・アーティストとしての挑戦として発表した、セカンド・ソロアルバム。



Peter Ceteraは、
Chicagoのオリジナル・メンバーで、このバンドの中では、ボーカリストとしても次第に成長し、80年代当時は、大成功を収めていました。



そんな彼は、1981年に初のソロ・アルバム「Peter Cetera(夢のライムライト)」を発表していましたが、第2作となった、この「Solitude/Solitaire」は、Chicagoを脱退してのソロ・アルバムとしては、最初のアルバムとなりました。



Chicagoはその後、彼に似た声質のJason Scheffを、公認ボーカリストに迎えていますが、それまでの“ Chicagoの声”が、そのままにやりたい楽曲をやっているのは、きっと当時のファンにとっても楽しめる1枚だったのではないかと思います。



収録曲は、自作(共作)曲が中心で、アレンジは当時の感覚での“今風”な、AORサウンド色が強いアルバムです。



Michael Omartianのプロデュースというのも、なるほどといった雰囲気です。


僕、個人的に、このアルバムのお薦めは、大ヒット曲の「
Glory of Love


上記のような、Chicagoのイメージから抜け出せないリスナーの意見という事になるかもしれないのですが、実に彼らしいナンバーであり、ボーカルでもあると思います。


この曲は、映画『ベスト・キッド2  (THE KARATE KID PART II)』の主題歌にもなりました。



その他のお薦め曲としては、まずは「
Big Mistake」を挙げたいと思います。



Chicago時代との差異を出そうという意図が感じられるナンバーですが、この高音は、なかなか真似出来なさそうなどと、素人的な事も考えてしまいます。



それから、外せないのは、Amy Grantとのデュエット曲で、見事、全米No.1に輝いた「Next Time I Fall」



ある種、定番のバラード曲では、あるのですが、Peter Cetera&Amy Grantのどちらのボーカルも絶品のデュエット曲です。



そして「Daddy's Girl」です。


Peter Ceteraが、愛娘Claireの事を歌った楽曲です。


明るい曲なのに、何故か、胸の奥がキュンとなる優しさ溢れた名曲です。



さらに、もう1曲挙げるとすれば、アルバム表題曲の「Solitude/Solitaire」です。



これもまた、ChicagoでのPeter Ceteraとは違ったテイストを意図的に狙ったものと思われ、いかにも、1980年代らしい曲と呼んでしまえば、それまでなのかもしれないのですが、個人的には、その変化球な感じを評価したいと思います。



Peter Ceteraの特徴は、「ミリオンダラー・ボイス」と呼ばれた、ハイトーン・ボイスにあるのですが、年齢と共にハイトーンの維持が難しくなるのは宿命ではあると思います。


Peter Ceteraは、78歳になり、多くの曲を、元のキーで歌うのは、かなり前から困難ではあります)



僕自身は、まだ、そうした年齢ではないので、想像しか出来ないのですが、「かつて出来た事が、出来ない」という事に、ある時期、人は苦しむのかもしれませんが、人生の先輩方の話を聴いていると、それを過ぎると、どうやら、そうでもなくなるようです。



そういう意味では、現在のPeter Ceteraとは関係なしに、当時のこれは、これで聴けばよいのかもしれません。



このアルバムは、Peter Ceteraのミリオンダラー・ボイスをうまく生かした、まさに1980年代的・ポップ・アルバムなのだと言えると思います。













「収録曲」

1.Big Mistake


2.They Don't Make 'Em Like They Used To


3.Glory of Love


4.Queen of the Masquerade Ball


5.Daddy's Girl


6.The Next Time I Fall  (with Amy Grant)


7.Wake Up to Love


8.Solitude/Solitaire 


9.Only Love Knows Why