大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第26話「悲しむ前に」では、小栗旬さん演じる義時が、後継の準備を進める中で、大泉洋さん演じる源頼朝が亡くなりました。

 
鎌倉殿の13人の第27話「鎌倉殿と13人」は、建久10年(1199年)1月、京に頼朝の訃報が届いたシーンから始まりました。



4年前に大泉洋さん演じる頼朝と、金子大地さん演じる嫡男の頼家が謁見した、尾上松也さん演じる後鳥羽天皇は、今は上皇となっていました。


頼朝の死は落馬した事は伏せて、朝廷に知らされました。


しかし、後鳥羽上皇は、4年前に上洛した頼朝の様子から、飲水の病による落馬で命を落としたのであろうと推察します。


頼朝の次の鎌倉殿には、頼朝の嫡男・頼家を立てると聞いた後鳥羽上皇は、苦虫を嚙み潰したような表情になりました。



鎌倉殿の権力を継承するには、あまりに突然すぎる頼朝の死。


頼朝不在の大きな穴を、若き頼家は埋める事が出来るのか?


「頼朝の跡目、さぞ重かろう」頼家の肩に、ぐっと、重くのし掛ったのは、強大になり過ぎた、鎌倉の行く末なのでした。



そして、鎌倉殿として、源頼家が、初めて、皆の前で所信表明をする日が来ました。



頼家は「私は、父・頼朝が成し遂げて来た事、成し遂げる事が出来なかった事を引き継ぐ、その上で、父を超える」という所信表明をした直後、佐藤二朗さん演じる比企能員が「これより先は、鎌倉殿に判断をしてもらう時は、比企能員を通すようお願い致します」と発言し、その発言を受けて坂東彌十郎さん演じる北条時政は「待たれよ! そのお役目は、北条時政が引き受けた」と言い争いになり、2人を頼家が制して「わしが直に聞く、比企や北条を特別扱いせず、誰であれ、実力のあるものを登用していくつもりだ」と言います。


時政と比企が、何か言いたそうな所を、頼家は引き揚げて行きました。



その姿を見ていた、中村獅童さん演じる梶原景時は「お見事でございます! あの者達を信じてはいけませぬ、頼朝様は、御家人に心を開いておりませんでした、それがしを除き」と言います。

頼家は「肝に銘じておこう!」と答えます。


頼家は、梶原景時に信頼を寄せていました。


そして、小栗旬さん演じる義時には、若手の人材を集めるように指示しました。

先ず、坂口健太郎さん演じる嫡男の北条頼時に声を掛けます。

義時は「鎌倉殿に若くて、力の有る者を集めるように言われた、お前も加わってくれ!」と告げ、
また、義時の異母弟の瀬戸康史さん演じる北条時蓮も敢えて加えました。


義時は「鎌倉殿が、おかしな方向に進まないよう目を光らせておいてくれ、動きを逐一知らせてほしい」と時蓮に言います。


2月に入り、京では、後鳥羽上皇の後見役である関智一さん演じる土御門通近の暗殺計画が発覚しました。


暗殺を計画したのは、一条家でした。

一条家は、頼朝との関係が深く、南沙良さん演じる大姫を嫁がそうとした先です。


その為、捕えられた者との関係を説明するように書状が送られてきました。


捕らえられた者の中には、市川猿之助さん演じる文覚の姿もあり、比企能員と北条時政は「一条家とは縁も深く、文覚は頼朝様共、縁のある者故、助けるべき」との声が上がりますが、小林隆さん演じる三善康信は「上皇様より、鎌倉自らが処罰するように達しが来ております」と告げられると頼家は上皇様の意向に沿うべきだとの康信の言葉を受け入れ、処罰するように使者を送ります。


 
頼家の命により、義時が集めた若手の御家人の勉強会が始まりました。


教えるのは、三善康信です。


三善康信は「政(まつりごと)の大本は、訴えの裁きに御座います、双方の話を聞いて、どちらが正しいか判断致します」と言い、頼家には蹴鞠を習わせました。


蹴鞠は、教養としての位置づけです。


上洛して、朝廷と蹴鞠をする際に役立つという事でした。

一方、頼家は、たくさんの訴えの裁きにうんざりしており、北香那さん演じるつつじのいる部屋に入りました。



頼家はつつじに「くだらぬ揉め事が多くて、うんざりだ!」とボヤいている時、山谷花純さん演じる側室のせつが頼家を探しに来ます。


ここでは、女同士の戦いがあり、それに嫌気がさした頼家は部屋を後にします。

一方、義時は、しばらく頼家の事を見守るべきか、それとも、手を貸すべきか迷っていました。


しかし、堀田真由さん演じる比奈は、比企能員の姪なので頼家の性格を良く知っており、「困った時程、助けてくれといえない性分なんですよ、木に登って降りれなくなった時に、絶対に助けてくれって言わなかったんです」と言い、義時は頼家の為にひと肌脱ぐことにします。


しかし、それには景時の協力が必要でした。


さっそく、景時に「政のことですが、これまで通り4人の文官で訴訟にかんする評議を行い、道筋をつけます。そのうえで、鎌倉殿が裁決する。このやり方なら、鎌倉殿の負担は減ります。梶原殿には、文官と鎌倉殿の間をとりもっていただきます」と提案します。



梶原景時は「それは良い!」と言い、直ぐに頼家に、この話を伝えます。


頼家は「それが一番の近道だな! あい分かった!」と答えます。



義時は、早速、この事を比企能員に報告に行きました。


比企能員は「よい考えだ! しかし、梶原が入って何故、比企が入らん? 比企を加えて6人衆にしよう」と言い、時政負けじとも「梶原と比企が入って何故、北条が入らん? 7人衆だ」と言います。



そうこうしている内に、北条と比企が御家人達を勧誘して行きます。


梶原景時は「知らぬ間に12人衆になっておる、つまらぬ内輪揉めに使われては困る」と嘆きます。



景時の忠告は、尤もでした。


これ以上、人数を増やさない為、小池栄子さん演じる政子に了承を得に行きました。


義時は「合わせて12人、この者達が鎌倉殿を、お支えしていく事になります!」と政子に告げます。

政子は義時に「一人追加して欲しい人がいます、頼家はまだ若い、都合が悪いと、逃げ出してしまう事がある、叔父として、側にいてあげて欲しい13人目はあなたです!」と言います。



そして、義時は廊下で頼家と会います。


頼家は「5人衆は、最終的に何人になった?」と義時に尋ねます。

義時は「13人でございます!」と答えると、頼家は「わしは、それほど頼りないか? 精一杯やっているつもりだが、お前は入っていないのだな、何があっても、お前だけは私のそばに」と言うと、義時は「頼朝様の事も、そのようにお支えして参りました、頼朝様も初めから、鎌倉殿だった訳では御座いません、新しい鎌倉を、皆で作って参りましょう!」と言います。



翌日、頼家が訴訟の取次を行う13人が集まりました。


頼家は「父上は、最後まで御家人に心を許さなかった、私も同じだ、景時、残念じゃ! 紹介しておきたい者たちがおる、入れ!」と言い、6人の若者が入って来ました。


頼時、時蓮、比企能員の2人の息子など、6人の若者を連れて来たのです。


頼家は「わしが選んだ手足となって働いてくれる者達だ、これより、政は、私とこの者達で行う、お前達と切磋琢磨して、新しい鎌倉を作ろうではないか!」と言います。



義時は、呆然として6人を見送りました。




新たに鎌倉殿となった頼家は、頼朝とは、また違った緊張感が印象的でした。


頼家を演じる金子大地さんの表情の変化から、若くして鎌倉殿を引き継いだ頼家の苦悩がひしひしと感じられる第27話でした。


奇しくも、今回の放送での、長澤まさみさんの、後継者への権力の継承がなされぬまま、頼朝がこの世を去ったという趣旨のナレーションが、今月8日に不慮の死を遂げられた、安倍晋三元・総理の暗殺事件と重なりました。


安部氏は自民党最大派閥の会長でもありました。


今後の自民党は、どのような道を進むのか?


1987年に自民党・田中派が分裂した権力闘争のような事を再び繰り返すのか?


そして日本はどこに向かうのか?


「現実の政治にも関心を持ち、注目しなければ!」とも思います。



今回の第27話では、13人の評議制を取り入れた事が、権力争いの場に発展し、一枚岩かと思われていた頼家と比企家の関係も微妙に。


さらに、りくは、ここぞとばかりに梶原景時を失脚させようと、何やら画策している様子。


景時は「恥じ入る所は、ただの一点もござらぬ」と言い切っていますし、どうみても不穏な雰囲気です。


そろそろ梶原景時の乱に差し掛かるのでしょうか?


嵐の中に漕ぎ出すような「鎌倉殿と13人」、そして、それを囲む面々の動きに大注目ですね。


今回の27話で決まった、13人の中から、今後は一人ずつ、表舞台から消えていく展開になって行きます。


史実に従えば、最初は梶原景時、そして、全成、比企能員、仁田忠常、源頼家の順ですが、三谷さんは、どのように退場者を表現するのでしょうか?


今後の展開に目が離せません!