今日は、アン・ルイスさんのお誕生日なんです。
今回の個人的アルバム・レビューは、1991年に発表された、アン・ルイスさんのベスト・アルバム「WOMANISM II」を。
女性ロック・シンガーの先駆けのような存在だった、アン・ルイスさん。
歌謡曲全盛期の1970年代後半から、1980年代半ばに掛けて、ロック・テイストを織り込んだハードな歌唱力と、ワイルドな出で立ちで、強烈な存在感を放ちました。
このベスト・アルバムには、アン・ルイスさんの代表曲「WOMAN」・「六本木心中」・「あゝ無情」など、アン・ルイスさんの代表曲の全14曲が収録されています。
アン・ルイスさんの「六本木心中」が、ヒットしていたのは、僕が中学生の頃でした。
当時、有線放送やカラオケで、根強く支持され、ロング・ヒットを記録しました。
オリコン発表売上枚数は、約29.6万枚。
初回のプレス盤は「別ジャケット(サングラスなし)・オリジナル・バージョン(カウントなし)」とされていますが、これは、発売から約1ヶ月後の1984年11月にジャケットを刷新(サングラスあり・ピンクのジャケット)にし、音源もリミックスした後の音源(カウントあり)に差し替えられた為です。
一般的に広く知られているのは刷新後のレコードで、後にどちらもCD化されました。
「六本木」が舞台の楽曲なのですが、歌詞に「六本木」は一切出て来ません。
TBS系で放送された音楽番組「ザ・ベストテン」では、最高16位。
1982年発表の「ラ・セゾン」に続いてのランクインとはなりませんでしたが、1985年10月17日放送の「今週のスポットライト」のコーナーで、生出演されました。
「今週のスポットライト」では、1978年6月に出演された「女はそれを我慢できない」以来の2度目の出演でした。
B面の「IN PLEASURE」は、同年発売のオリジナル・アルバム「ROMANTIC VIOLENCE」からのシングル・カット。
作詞家の湯川れい子さんは、この曲と、27枚目のシングル「あゝ無情」のモデルは、いずれも吉川晃司さんと仰っていて「あゝ無情」のサビの歌詞の「サングラス外したら 吹き出しちゃうほど あどけない目をしてる」は、吉川晃司さんそのままの事で、「そんな年下の男に、艶っぽく気風の良いアンちゃんを立ち向かわせた形でした」と話していました。
デビュー当時、所属事務所の先輩だったアンさんから大きな影響を受け、アンさんと姉弟のような関係だった吉川晃司さんと共に、フジテレビ系の音楽番組「夜のヒットスタジオDELUXE」では、この曲をコラボし、性行為を連想させる過激なコラボレーションを見せ話題になりました。
(1985年10月2日放送)
1番を歌唱後、アンさんが吉川さんを呼び寄せ、前述のパフォーマンスをされましたが、中学生には衝撃的な光景でした。
「WOMAN」は、1989年に発表された、34枚目のシングルで、明星食品「味の一徹」CMソング&アニメ「シティーハンターSP ザ・シークレット・サービス」のエンディング・テーマに起用されスマッシュ・ヒットしました。
歌い出しの「つわものどもが 夢のあとだね」のフレーズが印象的な楽曲です。
「KATANA」は、1988年に発表された、29枚目のシングル曲で「バラバラ死体が上がったら たぶん それは私だよ」と言う、かなり過激な歌詞から始まる楽曲ですが、とてもカッコ良い楽曲です。
実際に、刀を振り下ろすわけではなく「自分の気持ちを切り裂いて、貴方を忘れさせて欲しい」という意味だと感じました。
「美人薄命」では、サビの「愛に命を賭けて 夜ごと紅をさして 一目ぼれなら仕方ない たとえ千の指で誰に口説かれても あなたしかいらない」のフレーズが印象的です。
他にも、湯川れい子さん作詞・うじきつよしさん作曲の「FOUR SEASONS」は歌詞に「四季是空・空即是色」という印象的なフレーズが登場し、壮大なバラード曲となっています。
今、改めて聴いてみると、アン・ルイスさんの歌唱力と歌詞とサウンドに全く古さを感じず、今でも充分通用する、楽曲のクオリティーの高さに驚きました。
収録曲
1.Finish!!
2.ピンクダイヤモンド
3.立ちっぱなしのBad Boy
4.KATANA
5.欲望
6.WOMAN
7.Triangle Blue
8.FOUR SEASONS
9.美人薄命
10.六本木心中
11.あゝ無情
12.天使よ故郷を見よ
13.Honey Dripper
14.グッド・バイ・マイ・ラブ '91