今回も遅ればせながら、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第15話「足固めの儀式」のネタバレ&個人的感想を。


前回の第14話「都の義仲」で、源氏同士の争いで大泉洋さん演じる源頼朝と、坂東武者達の間に意見の対立が起き、関係に亀裂が入りそうになっていました。

 

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の第15話「足固めの儀式」は、義仲征伐に出陣した、菅田将暉さん演じる義経の兵達が進軍するシーンから始まりました。


1183年(寿永二)11月、鎌倉を出陣した義経の軍は、近江まで進軍して、京の都を射程に捉えようとしていました。

義経の進軍に、青木崇高さん演じる源義仲は、源氏同士で、争いたくないと思っていました。


「法皇様の身が、こちらにある限り、手出しは出来まい!」と義仲は言い、西田敏行さん演じる後白河法皇を拘束し、京に籠る作戦を取ります。

 
その頃、源頼朝が居る鎌倉では、坂東武者との関係が不穏なものになっていました。

三浦館には、反頼朝派の御家人達が集まっていました。


坂東武者達は、源氏から坂東の地を取り戻そうと話し合っていて、その場には、佐藤浩市さん演じる上総広常も加わっていました。


反乱の鍵を握っているのは、頼朝の嫡男・万寿でした。

市川猿之助さん演じる、怪僧・文覚は「足固めの儀式を行うんじゃ!」と、偽の行事を思いつき、そこで、万寿の身柄を拘束しよう考えます。

そして、御所で、頼朝に引導を渡そうと考えていました。


中村獅童さん演じる梶原景時は、万寿を拘束しようとしている事を頼朝に知らせようと考えますが梶原景時を頼朝の手先だと感じた、横田栄司さん演じる和田義盛らに捕らえられます。

 
万寿の「足固めの儀式」は、鶴岡八幡宮で行われる事になり、当日、三浦館には、反頼朝派のメンバーが集まっていました。


佐藤B作さん演じる三浦義澄や、山本耕史さん演じる、三浦義村は、平家を坂東から追い出してくれた事で、源氏に恩義を感じていたのですが、もはや、引くに引けなくなっていました。

 
小栗旬さん演じる義時は、鶴岡八幡宮の儀式と同日に、三浦館で大掛かりな鹿狩りが行われるという事に大きな疑問と不審を感じていました。

その為、迫田孝也さん演じる源範頼、栗原英雄さん演じる大江広元、佐藤二朗さん演じる比企能員野添義弘さん演じる安達盛長らを集めて、意見を求めました。

 
義時は、念の為、自ら、鶴岡八幡宮に向かい、比企能員を三浦館に向かわせ、反頼朝派の動きを探る事にしました。


三浦館では、武装した御家人達が集まっていました。


比企能員が「鹿狩りはどちらへ?」と尋ねると、たちまち不穏な空気に。

自体を把握して引き返そうとした所を、岡本信人さん演じる千葉常胤らに捕えられてしまいます。

常胤は「義高を担いで、義仲と和睦する! 坂東は安泰じゃ!」と能員に語り、上総広常が「こいつは、損得で動く男だ」と比企能員を仲間に引きいれます。

比企能員は御所に戻って、謀反の動きはなかったと伝える役割を担います。

上総広常は「義時殿に伝言を頼む!鹿狩りは、この、上総介が仕切るから案ずるなと!」と能員に告げます。


一方、八幡宮に行った義時は、文覚の発言を怪しいと感じます。

更に、阿南健治さん演じる土肥実平から「謀反の企てがある」と仕草で知らされます。


義時から、その話を聞いた大江広元は「おそらく八幡宮に押し掛けて来て、万寿様を奪い、それと引き換えに鎌倉殿に降伏を強いるつもりかと」と反頼朝派の動きを的確に予測します。


それを聞いた頼朝は憤り、安達盛長を八幡宮の加勢に向かわせ、他の者達には御所の警護を命じます。

義時は、広元と目で合図しました。

義時は「上総介広常殿は、我らと通じております三浦勢を説得し、戦を回避する為に広常殿に頼んで、敢えて敵方に付いて貰っていたのです」と、頼朝に報告します。

 
万寿の5日目の儀式が八幡宮で行われようとしていました。

そこに、和田義盛や、中川大志さん演じる畠山重忠らが武装して押し掛け、万寿や小池栄子さん演じる政子達を取り囲みます。

一触即発の状況に、義時や、安達盛長が駆けつけました。


義時は「ここにおられる方は、平家を倒そうという志は同じ、坂東武者が一丸となる為には、強い指導力のあるものが上に立つ必要がある、だから鎌倉殿がおられるのです。違いますか?」と問いかけます。


義時の説得に重忠は反論しますが、義盛が「納得した」と刀を収めます。

(義盛は、重忠の意見に、いつも反対するので、重忠が逆手(さかて)に取った策でした)


それを見て、義時は三浦館に向かいました。

反頼朝の企てが失敗した事で、千葉常胤は自害しようとしていましたが、義時は「鎌倉殿は、兵を退けば、全て許すと申しております」と伝え、自害を思い留まらせます。


義時の話を聞いた上総広常は「そうと決まれば、解散だ!」と笑い、その場は丸く収まります。

 
この夜、源頼朝は広常を慰労する為、酒の席に招きました。

大江広元が描いた筋書き通りに動き、広常は重要な役割を果たしました。


上総広常は「御家人なんざ、ただの使い捨ての駒だ、お前は己の道を行け! 法皇様だって、目じゃねえ!」と頼朝に語り、頼朝は、その言葉を嬉しそうに聴いていました。

 
翌朝、義時は頼朝に「今回の件について、寛大なお裁きを」とお願いしました。


しかし、広元が「一切のお咎め無しでは、鎌倉殿の沽券に関わる、この際、誰か一人、見せしめとして罪を負わせるというのは、いかがでしょうか? さしずめ、上総広常殿が相応しいかと?」と提案します。


義時は、広元から、上総広常の名前が挙がった事に驚きます。


大江広元は、こうなる事をわかっていたのです。

(上総広常を殺す為に、反頼朝派にスパイをさせたのです)

やはり、大江広元、キレ者で、クセ者でした。


広元の案に頼朝も了承し、次々と話が決まって行きます。


義時は頼朝と広元に「初めから、そのつもりだったのですか?」と問いかけます。


頼朝は「最も頼りになる者は、最も恐ろしい」と言います。

大江広元が描いた筋書き通りでした。


源頼朝は「上総広常は申した、御家人は、使い捨ての駒だと! あいつも本望だろう」と言います。


義時は、源頼朝の残酷さ、恐ろしさを実感しました。

広常を暗殺する役は、梶原景時に決まります。

 
翌朝、皆が御所に集まり、楽しそうに過ごしていました。

景時は、広常を誘ってサイコロを楽しみます。

(広常を斬っていいのか? サイコロの出た目によって決める事にしたのです)

出た目が悪く「やられた!」と苦笑いする広常。

すると梶原景時は、サイコロを廊下に投げて、広常が取りに行った所を突如、斬りかかります。

広常は景時の襲撃を避けますが、自分の刀が盗まれているのに気づき愕然とします。

(直前に廊下で、梶原善さん演じる善児と、ぶつかった際に奪われていたのです)


景時は「上総広常は大悪人なり! 御所に攻め入り鎌倉殿を亡き者にと企んだ、その咎めによって成敗致す!」と告げます。


上総広常は「謀りやがったな!」と呟き、「小四郎!」・「武衛!(=源頼朝)」と助けを呼びます。

そんな広常の姿を頼朝は、冷たい目で見つめていました。


義時が泣きながら広常の元に駆け寄ろうとすると頼朝は「近寄ればお前も切る!」と言い、その言葉で、義時の足は止まり、広常は全てを悟って死んでいきました。


頼朝は「今こそ、天下創世の時! ワシに逆らうものは許さぬ!肝に命じよ!」と御家人達に伝えて統率します。

頼朝が自らの政権の礎にしたのは、上総広常の命でした。


その後、倒れた上総広常の鎧の中から手紙が出て来ます。

そこには覚えたての字で、「これから3年の内にやるべき事は、頼朝の大願成就と東国の太平の為」と認められていました。


この年、義時に嫡男が誕生します。

後の北条泰時です。

義時は、新垣結衣さん演じる八重を労い、赤ちゃんを抱きました。

第15話「足固めの儀式」は、ここまで。


今回の「足固めの儀式」では、佐藤浩市さん演じる上総広常が、これまで支えて来た、頼朝の裏切りを知った時の絶望的な表情で斬られる姿と演技が、非常に印象的でした。

1番信じていた人に殺されるという、あまりにも理不尽な仕打ち。

佐藤浩市さんのセリフは、義時や頼朝への呼びかけだけだったんですが名シーンでした。


この第15話「足固めの儀式」は、他のキャストの皆さんも「神回」と放送前から絶賛していたのです。

大泉洋さんは「第15話っていうのは、本当に、もう、みんな、出演者全員が認める神回! 佐藤浩市さんが演じます、上総介が物凄く活躍する話で、ございます」と。

山本耕史さんは「1回、最終回を迎えるぐらい、全ての人の心をわし掴みにすると思うんですよ、もう騙されたと思って、かぶりつきで見ていただきたい」と。

主演の小栗旬さんも「僕も台本を頂いた時、興奮しました、佐藤浩市さんの勇姿をお見逃しなく」と。

佐藤浩市さん自身も「どのような運命が待っているのか、たぶん、トイレに立つ事は出来ないと思います!みんなが言うように、本当に見応えのある回になっていると思います。楽しみにしてください」とアピールしていました。

(NHK「土曜スタジオパーク」2022年4月16日放送分より)


放送前に、かなりハードルを上げていましたが、それでも見ごたえ充分な第15話「足固めの儀式」でした。