今日は、父方の遠縁だった、沖田浩之さんのお誕生日なんです。
存命なら59歳。
還暦前の渋みを増した、良い俳優さんになっておられただろうと思います。
1999年の3月27日に、突然虹の橋を渡られました。
僕と沖田浩之さんとのエピソードについては、過去のブログにも何度も書かせて頂いておりますので、今回は、個人的アルバム・レビューという形で、沖田浩之さんのアルバムの紹介をさせて頂きます。
今回の個人的アルバム・レビューは、2008年に発表された、沖田浩之さんのベスト・アルバム「GOLDEN☆BEST 沖田浩之」を。
「竹の子族」からTBS系の人気ドラマ「3年B組金八先生II」での、硬派な不良少年、松浦悟役で、一躍トップアイドルに成長し、一世を風靡した、沖田浩之さんの代表曲を網羅したベスト・アルバムです。
男性アイドル史上屈指の名曲である、デビュー曲「E気持」を初め、Charさんのカバー曲「気絶するほど悩ましい」・「はみだしチャンピオン」・多くのJリーガーに影響を与えた人気アニメ「キャプテン翼」のオープニング・テーマ「燃えてヒーロー」・などの佳曲が揃った全22曲が収録されています。
沖田浩之さんのアイドルとしての歌手活動は、1981年から1984年の、僅か4年間でした。
その4年間の間に13枚のシングルと4枚のオリジナルアルバムをリリースし、2枚のベストアルバムのLPを発表しています。
残念ながら、オリジナル・アルバムのCD化には至っておらず、個人的には、SONYさんからのリリースを待ち望んでいます。
SONYさんの関係者の方が、このブログをご覧になられましたら、是非共ご検討の程、よろしくお願い致します。
収録曲ならびに楽曲解説
1.E気持オリコン最高8位を記録し、40万枚以上を売り上げたデビュー曲です。
ABC、ABCと連呼する、チアガールのコーラスが印象的なイントロと、1970年代後半から1980年代のアメリカのアイドル歌手、ショーン・キャシディを思わせる曲調は、ライバルだった、田原俊彦さんのデビュー曲「哀愁でいと」が、レイフ・ギャレットのカバー曲だったので、それを意識したのだと思います。
2020年に虹の橋を渡られた、筒美京平先生が書かれた楽曲なのですが、2020年の年末のTV番組で、筒美京平が遺した名曲の18位にランクインされていました。
2.半熟期
セカンド・シングル。
オリコン最高11位を記録。
Irene Caraが、1980年に歌いヒットし、Irene Cara自身の主演で公開された映画「フェーム」の主題歌をサンプリングした、メロディー展開とアレンジですが、筒美京平先生らしい、細かな仕掛けにより、単純な引用には終わっていません。
阿木耀子さんの歌詞も、前作以上に艶かしく感じます。
3.はみだしチャンピオン
3枚目のシングル。
オリコン最高26位を記録。
デビュー曲「E気持」以来のサブ・テーマだった同世代へ向けてのメッセージ性を全面に打ち出した作品です。
前作以上にスピード感を増したサウンドに乗せ、沖田浩之さんの声質を活かしたメロディーが冴えています。
本人が出演した、お菓子メーカー・森永「くるみの森」のCMソングに起用され、1981年の賞レースでも、よく歌われた楽曲です。
4.俺をよろしく4枚目のシングル。
宇津井健さん、中村雅俊さん、松原智恵子さん、杉浦直樹さん主演のTBS系ドラマ「ひまわりの歌」主題歌。
沖田浩之さん自身も、鈴木正雄役で出演されました。
初期3部作とは、曲調をガラリと変え、少しファンキーなミディアムテンポのAOR風ナンバーの楽曲です。
鷺巣詩郎先生のアレンジは、同時期にリリースされた、松本伊代さんの「センチメンタル・ジャーニー」にも通じるサウンドだと思います。
5.隠れアムール5枚目のシングル。阿木耀子先生・宇崎竜童先生コンビの楽曲です。
阿木耀子先生・宇崎竜童先生御夫妻の出世作となった、山口百恵さんの「横須賀ストーリー」を連想させる、イタリアンツイスト風味のエレキ・ポップスに仕上がっています。
6.熱風王子
6枚目のシングルオリコン最高35位を記録。
ロッド・スチュワートの「燃えろ青春」を意識したサウンドですが、原曲のテクノポップ・サウンドを巧みにロックンロールに変換しています。
沢田研二さんのヒット曲を多数手掛けた、阿久悠先生と大野克夫先生の作品です。
7.気絶するほど悩ましい
7枚目のシングル。
オリコン最高37位を記録。
1977年にCharさんがリリースした、セカンド・シングルのカバーです。
この作品が発表された頃は、石川ひとみさんも「まちぶせ」をカバーしてヒットさせるなど、70年代の名曲のリメイクが流行していました。
オリジナルのCharさんのバージョンは、若干R&Bがかったソウルっぽいサウンドに、Charさんのギターがフィーチャーされていて、個人的には、やや薄味なアレンジだと感じましたが、沖田浩之さんのバージョンは、ブラス&キーボードが全面的に出ており、濃いアレンジに感じました。
ドラマティックな楽曲展開が斬新に感じました。
オリジナルバージョンより、エンターテイメント性を強く感じました。
特にブラスの使い方が独特です。
沖田浩之さんバージョンの「気絶するほど悩ましい」は、楽曲のアレンジと、沖田浩之さんの声質の相性が良く、個人的にはオリジナル以上の出来栄えではないかと思っており、もっとヒットしても良かったと思う楽曲です。
8.とりあえずボディ・トーク
8枚目のシングル。
中森明菜さんの「少女A」で注目を集めていた、僕が尊敬する、大作詞家の売野雅勇先生と、後にbe-ing系の総帥となられた長戸大幸さんのコンビによる、ハードロックナンバーです。
長戸大幸さんがプロデュースした、「金八先生」の第一シリーズに出演された三原順子さんの楽曲にも通じる楽曲です。
この曲も、個人的には、沖田浩之さんの楽曲で、上位に入る楽曲です。
9.困ったラブ・ソング
9枚目のシングル。
1980年代前半、ニュー・ロマンティック旋風が吹き荒れ、その中心的役割を担った、ABCの「ルック・オブ・ラブ」を意識した、テクノポップサウンドが聴ける楽曲です。
売野雅勇先生と梅垣達志先生による作品です。
10.お前にマラリア
10枚目のシングル。
1980年代にヒットメーカーとして一時代を築かれた、鈴木キサブロー先生が作曲を担当。
作詞は、僕が尊敬する、大作詞家の売野雅勇先生です。
ネオ・ロカビリーを基調とした曲調に、エレキ風味を加えた情熱的な楽曲です。
この曲はタイトルも歌詞も斬新でした。
個人的には、この曲も沖田浩之さんの楽曲で上位に入る作品です。
11.冬のライオン
11枚目のシングル。
少年サッカーをテーマにしたテレビ東京系のアニメ「キャプテン翼」のエンディング・テーマに起用された楽曲です。
ハードロック調のギターサウンドを核にした、シャッフルビートに乗せ、親しみやすいマイナーのメロディーが展開されています。
12.奇蹟の純情
12枚目のシングル。
前作よりもストレートなビートを用いた、ハード・ロック調の哀愁ポップスです。
後藤次利先生の編曲らしい、派手なベースラインやシンセサイザーの分厚いサウンドが時代を感じさせます。
作詞は当時、シブがき隊などを手掛けていた、森雪之丞先生です。
この楽曲も、もっと、ヒットしても良かったと思う名曲です。
13.君に捧げるララバイラスト・シングルとしてリリースされ、TVアニメ「キャプテン翼」の挿入歌に起用された楽曲。
打ち込みのリズムの淡々としたサウンドをバックに、哀愁に満ちたメロディーが展開されており、枯れたギターの音色も効果的に響いています。
14.ジェームス・ディーン・ジュニア
早世した伝説の映画スターのジェームス・ディーンへの憧れを歌った3連バラード。
デビュー曲「E気持」のC/W曲に収録され、デビューアルバムにも収録された名曲です。
今となっては、歌詞の内容があまりに悲しく響きます。
15.青春フットワーク
セカンド・シングル「半熟期」のC/W曲。
沖田浩之さん本人が出演された、森永の「チョコフレーク」のCMソングに起用されました。
この曲をシングル・カットして発表しても、よかったと思うほどの名曲です。
16.どうにかなっちゃう前奏曲
サード・シングル「はみだしチャンピオン」のC/W曲と&セカンド・アルバム「ヒロ・イン」に収録された、シャッフルビートの軽快なナンバーです。
17.とっちらかってTIME SLIP
4枚目のシングル「俺をよろしく」のC/W曲。
等身大の10代っぽい楽曲で「時間は放物線投げたら戻らないよ」という歌詞が印象的な佳曲です。
18.揺れる19才
5枚目のシングル「隠れアムール」のC/W曲として発表された阿木耀子先生・筒美京平先生コンビの楽曲です。
サード・アルバム「Rolling 19」のタイトル・トラック的な役割も果たした楽曲です。
19.燃えてヒーロー
少年サッカーをテーマにしたTVアニメ「キャプテン翼」のオープニング・テーマに起用された楽曲です。
20.熱い友情ラスト・シングルになった「君に捧げるララバイ」のC/W曲。
タイトル通り、スポ根らしい熱い内容の楽曲となっています。
沖田浩之さんの力強くて、伸びのある歌声がカッコいいです。
21.夏の魔術師
6枚目のシングル「熱風王子」のC/W曲。
爽やかな夏をイメージした歌詞とメロディーが心地よい楽曲です。
22.ヒカル
7枚目のシングル「気絶するほど悩ましい」のC/W曲。
作詞は阿久悠先生。作曲は、後に売野先生とのタッグで、中森明菜さんや、チェッカーズの楽曲を手掛けられた、芹澤廣明先生。
阿久悠先生の恋する男の哀しみや愁いを表現した歌詞と、芹澤先生の哀愁サウンドが、ピタリとハマった名曲で個人的に、沖田浩之さんの楽曲で、1番好きな楽曲なんです。