今日は、池田聡さんのお誕生日なんです。
今回の個人的アルバム・レビューは、1987年に発表された、池田聡さんのセカンドアルバム「Joy And Pain」を。
「モノクローム・ヴィーナス」に次ぐ代表曲(1987年のレコード大賞金賞にも選ばれています)のヒットシングル「濡れた髪のLonely」を収録したセカンドアルバムです。
このアルバムは、池田聡さん自身がプロデュースし、自作曲4曲を含み、インスト曲の1曲を含む、全13曲が収録されておりますが、内の5曲が6分超えという力作です。
自作曲には、「Moon Shadow」(Jazz version)のようなインスト曲や、小林麻美さんとの共作曲「レクイエム」といった楽曲が含まれています。
自作曲以外では、タケカワユキヒデさんが作曲を担当したタンゴ調の「雨のフォーチュン」は超名曲。
清水信之さんのピアノの演奏も素晴らしいです。
他の参加ミュージシャンは、村上秀一さん、吉田美奈子さん、EVE、佐橋佳幸さん、前田憲男さんといった方々が参加されています。
1曲1曲の密度が濃く、また池田聡さん自身の「音楽的ルーツが色濃く反映されたアルバム」(本人談)と言う事で、曲調がバラエティー豊かになっています。
フィリーソウルな「螺旋パズル」や「Unforgettable」、またゴスペル風の「レクイエム」、ファンクな「サイレント・ステップ」、ヒットシングルの「濡れた髪のLonely」は、当時、まだ無名だったcobaさんがアコーディオンを弾かれている、ヨーロピアンタッチの名曲と、多様な曲調を楽しめる上、ハズレがなく見事な程、名曲揃いです。
中でも「雨のフォーチュン」・「センチメートルの涙」は、シングル級の名曲です。
また「オルフェの後身」は「濡れた髪のLonely」を彷彿とさせるバラードです。
「Night」では大橋純子さんがコーラスで参加されています。
「Kの手帖」や「微風」のような打ち込み中心の曲は、いかにも80年代的な曲です。
素晴らしい出来のアルバムですが、注意したいのは曲順です。
このアルバム、LPと CDが1987年に同時発売されているんですが、LPは2枚組で発表したのですがCDでは1枚に纏めている為か(?)、曲順を大きく変えています。
セカンドアルバムにして、セルフプロデュース、ビッグ・バンド調のインストありと、意欲的な名盤です。
収録曲
1.螺旋パズル
2. サイレント・ステップ
3. 雨のフォーチュン
4. Kの手帖
5. Night
6. レクイエム
7. Unforgettable
8. 微風
9. Moon Shadow (Jazz version)
10. 濡れた髪のLonely
11. オルフェの後身
12. センチメートルの涙
13. Zone