今日は「The Jam」・「The Style Council」のボーカル&ギターだった、ポール・ウェラーのお誕生日なんです。



今回の個人的アルバム・レビューは、2001年に発表された、The Style Councilの「THE BEST OF STYLE COUNCIL」を。 



「The Style Council」は、イギリスのポップ・ロックバンド。1982年に結成、1990年3月に解散。



 4枚(未発表のものを含めれば5枚)のオリジナルアルバムを発表しました。 



 イギリスのモッズバンド、「The Jam」のリーダーとして、1977年にデビューしたポール・ウェラーは、1982年に「The Jam」を解散、ミック・タルボットと共に「The Style Council」を結成します。 



 1983年3月にシングル「Speak Like a Child」を発表。「The Style Council」の音楽は、80年代の若者達に大きく受け入れられました。 



 そのジャジーで、スタイリッシュな音楽性ばかりではなく、彼らのファッションや存在そのものに憧れの目が向けられていき「スタイル評議会」というグループ名にふさわしく、彼らは音楽を中心とする、あらゆる「スタイルの最先端」となります。 



 そして、1983年の8月にリリースされた、サード・シングル「Long Hot Summer」は、本国イギリスで、スマッシュ・ヒット。 



 バブル真っ只中の日本でも、当時流行のカフェ・バーで流れまくり、ファッションに拘る、お洒落な若者達を中心に、大ヒットしました。



そのほとんどは「The Jam」など、全く知らない若者達でした。「The Style Council」は、あくまで、ポール・ウェラーと、ミック・タルボットのユニットという事に変わりはなかったのですが、この頃には、「Wham!」のバック・コーラスをしていた、D.C.リーと、当時、若干17歳のドラマーのスティーヴ・ホワイトが、ほぼ固定メンバーとして参加する様になっていました。



R&Bやソウルを前面に打ち出した、「The Style Council」の音楽は、イギリス本国、そして日本の熱狂的なジャム信者を大いに戸惑わせました。 



メッセージはともかく、そのサウンドの「軟弱」さは、ゴリゴリの「The Jam」の信者には、もろ手を挙げて受け入れられるものではなかったようです。 



 1983年11月にリリースされた「A Solid Bond In Your Heart」が、もともとは、「The Jam」の曲として制作されたものだった事を知ると、「The Jam」の信者達は、大きな喪失感に包まれました。



しかし、時代にマッチした「The Style Council」の音楽は既に流れを止められない、大きなものになっており「The Jam」の信者達は、ノスタルジーの中に取り残されて行きました。ここからの「The Style Council」は、スタイリッシュ・ミュージックの象徴として快進撃を続けます。 



1984年2月には、シングル「My Ever Changing Moods」をリリースし、大ヒット。 



 そして、同年3月にはファースト・フル・アルバム「Cafe Bleu」を発表。



ジャズやソウルなど、様々な音楽がミックスされた洗練されたポップスは高評価を得ます。  



翌年、セカンド・アルバム「Our Favourite Shop」が発表されると全英アルバム・チャート1位を獲得し、「The Style Council」の評価はさらに高まりました。 



曲は、メロディアス、サウンドはお洒落、しかし詞は過激というポール・ウェラーらしさが前面に出たアルバムでした。    



シングルにもなった「shout at the top!」は、サッチャー政権下で、炭鉱ストが巻き起こっていた時の、労働者階級の若者の怒りを歌ったものと言われています。


(アルバムには、ボーナス・トラックとして収録) 


 このアルバムからの代表曲は「Walls Come Tumbling Down」 



 1987年にリリースされた、サード・アルバム「The Cost of Loving」は、全英アルバムチャート2位のヒット作。 



日本でも大ヒットし「The Style Council」の変わらぬ人気を見せつける形となりましたが、アルバムの評価としては前作「Our Favourite Shop」を最高傑作と推す声が多いです。 



当時の流行の発信基地「渋谷WAVE」(レコード・ショップ)では1000枚以上を売り上げたといいます。 




1988年には4枚目のアルバム「Confesstions of A Pop Group」を発表。 



 「あるポップ・グループの告白」というタイトルからも察することが出来るように内省的で重い内容のアルバムになっていました。 



サウンド的にもクラシカルな要素が加わった実験的なアルバムに仕上がっており、それまでのお洒落でカッコイイ音楽というイメージから、かけ離れたものになっていました。 



評論家からは酷評され、「The Cost of Loving」の頃から下がり始めたセールスも、さらに下降の一途をたどり、グループは袋小路へ入ってい来ました。 



1989年「The Style Council」は「Modernism: A New Decade」というアルバムを発見するつもりでいましたが、ハウスを取り入れたこのアルバムは、レーベルであるポリドールから、リリースを拒否され、急遽発売が中止に(日本のみ、2001年に発表されました)そして、8月には正式に活動停止を発表し、1990年3月に解散しました。 



このベストアルバムで、個人的に残念だったのは「Walls Come Tumbling Down!」が収録されていなかった事です。



「Shout to the Top」は、フジTV系の「とくダネ」のオープング・テーマ」としても、お馴染みの楽曲でした。


The Style Council - My Ever Changing MoodsMusic video by The Style Council performing My Ever Changing Moods. (C) 1984 Polydor Ltd. (UK)リンクyoutu.be

The Style Council - Shout To The Top (Official Video)Music video by The Style Council performing Shout To The Top. (C) 1984 PolyGram Video International#TheStyleCouncil #ShoutToTheTop #Vevoリンクyoutu.be

The Style Council - Long Hot SummerMusic video by The Style Council performing Long Hot Summer. (C) 1983 Polydor Ltd. (UK)リンクyoutu.be

The Style Council - You're The Best Thing (Official Video)Music video by The Style Council performing You're The Best Thing. (C) 1984 Polydor Ltd. (UK)#TheStyleCouncil #YoureTheBestThing #Vevoリンクyoutu.be




収録曲


  1.You're The Best Thing

  2.It Did'n' Matter

  3.Life At A Top People's Healeth Farm

  4.Shout to the Top

  5.Long Hot Summer

  6. Speak Like a Child

  7.Angel

  8.All Gone Away

  9.Changing Of The Guard

10.Blue Cafe

11.Headstart For Happiness

12. Walls Come Tumbling Down

13. The Cost of Loving

14.Here's One That Got Away

15.The Story Of Someone's shoe

16.waiting

17.Boy Who Cried Wolf

18.Come To Milton Keyness

19.How She Threw It All Away

20. My Ever Changing Moods